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【小説】あと57日で新型コロナウイルスは終わります。

~月2回受診は何のため?誰のため?~

「ちょっとちょっと、週刊誌にこんなこと載ってたんだけど、ほんとうなの?」

同僚看護師が医療事務に聞いていた。

* * *

病院代 通院回数で負担額は変わる「月2回」は病院が大儲け

バラエティ NEWS ポストセブ 2020/9/24 07:05

 同じ病気でも、“病院のかかり方”で払うお金は変わる──その仕組みを知らないと、多額のムダな医療費を負担することになる。長い人生で大損しないための情報を網羅した『週刊ポストGOLD 得する医療費』から、賢い患者となるための必須知識を紹介していく。

(一部省略)

通院が「月2回」だと病院が大儲け

 特別料金のかからない診療所でも、注意したいポイントがある。生活習慣病治療などでの通院の頻度だ。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広氏はこういう。

「本来、症状の安定した高血圧患者は月に1度の診療でも多いくらいですが、開業医のなかには、2週間に一度、通院させているケースが多い」

 高血圧や糖尿病といった生活習慣病では、医師が患者への生活指導に対する報酬として「特定疾患療養管理料」を上乗せできる。診療所の場合は2250円(3割負担で680円)となる。

 この管理料が「月2回」まで算定できるのだ。月に2回診療を受けると、月1回に比べて管理料だけで年間約8000円(3割負担)も余分に医療費を払うことになる。前出・上氏が続ける。

「患者のなかには『頻繁に診察を受けて安心したい』という気持ちが強い方が少なくない。そうした不安を医師の側が利用し、必要以上の通院を求めている場合もあるかもしれません」

※週刊ポスト2020年10月2日号

* * *

医療事務の⚫⚫さんによると、特定疾患療養管理料を算定するために、様々な条件が必須とのことだ。

1.院内掲示で特定疾患療養管理料を取ることを患者さん側に事前に伝えること

2.医師が口頭や用紙を使って患者さんに生活指導(「塩分を控えましょう」「運動しましょう」など)すること

3.「2」の内容をカルテに記載すること

もし、これを破った場合には、最悪、保険診療ができなくなり、自費診療(患者さんの10割負担診療となること。つまり、その医療機関に通う患者さんの金銭的負担が大幅に増えるので、その医療機関に通う患者さんが極端に減って、その医療機関が潰れることもある)や診療停止処分などになるとのことだった。

「確かに、特定疾患療養管理料は、医療機関側の収入は増えますけど、生活指導やカルテ記載など医師の負担も増えてる訳です。それに、現役で私立の医大に合格し、私立の医大を最短の6年で卒業して、国家試験に合格して晴れて医師になっても、一生勤務医だった場合、医大にかかった入学金・授業料・教科書代・寄付金は回収できないそうです。その回収できない分をそういった回数を増やすことで補う医師が世の中に一人もいないとは言い切れませんが、わたしが関わった医師の中には一人もいませんでした。その患者さんにとって必要だから、月に2回来院を促すこともあるんです。」

医療事務⚫⚫さんはそこまで言うと、ふっとため息をついた。

「週刊誌にいきなりこんな記事が載っちゃって、患者さんと医師が築いてきた絆が壊れなきゃいいですけど。今、日本全国の診察室で揉めているかもしれませんね。」

医療崩壊を招くのは、新型コロナウイルスなどの新しい未知のウイルスだけではなかった。

新型コロナウイルスが終わるまで、
あと57日。

これは、フィクションです。

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