「わたしの台所」 沢村貞子
この間読んだ「わたしの献立日記」に引き続き、沢村貞子さんのエッセイ集を読んだ。
ところで、”ていねいな暮らし”って、いつごろから言われ始めたんだっけ? "ていねいな暮らし"がこうももてはやされるようになってから、まだ10年も経ってはいないはず。でも、この沢村貞子さんの日々の暮らしぶりを読んでいると、これぞ、元祖ていねいな暮らしだと思う。というか、これを読んでからだと、もう気軽に“ていねいな暮らし”なんて口に出せなくなっちゃう。沢村さんは料理も掃除も完璧なんだけど、その上、女優業もこなしてるんだから、私の雑な暮らしの言い訳なんて何も言えない。明治生まれの女性って、みんなこうもスーパーウーマンなんだろうか。
読んでいるだけで背筋が伸びる一冊… などと書きながら、今、私はソファの上で胡坐をかいている。
ご本人も自分で書かれているけど、お姑さんにしたくない人ナンバーワンだなあ。