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詩吟経験者側から見る「和楽器バンド」の存在感と遠さ

heyheyです。

「和楽器バンド」ってご存じですか?
といっても、知っている前提で今回は書いていきます笑

和楽器バンドは、ボーカルの鈴華ゆう子さんが詩吟の師範でありながら、その歌唱法を活用して、バンドに取り入れています。

メンバーの方々も当然のように和楽器を駆使してめちゃくちゃ格好いい曲を演奏します。

有名なのはなんといっても「千本桜/和楽器バンドver」ですね!!

もう9年も前の曲なんですが、今聞いても、何度聞いても僕は鳥肌もので「あぁ、本当に格好いいなぁ!!!!!」と感じます。

鈴華さんの歌い方、和楽器の演奏の格好良さが最高に発揮されている曲です。

で、長くなりましたが、今回はこの「和楽器バンド」というか「鈴華ゆう子さん」について、詩吟経験者の僕の目から感じているその存在感について書き記します。良いことも、そうじゃないことも・・・。


1.詩吟の認知度を高めてくれた圧倒的存在

「詩吟って知ってますか?」
「詩吟ってどんなイメージですか?」

これを、詩吟を知らない若い人に質問すると、答えは2つだけです。

「え、あれでしょ?芸人さんのでしょ?」
「和楽器バンドでしょ?」

悲しいことに、本当にこれです。
今でもなお、芸人さんのイメージは強力です😭

しかし、その次に来るのが「和楽器バンド」なんです。

それほどに「詩吟を知らない人が知っている詩吟に関係あるもの」としての認知度が高いです。

さらに言うと「詩吟をやっている若い子(20代以下くらい?)」における認知度も抜群に高いです。

僕自身、同じ詩吟教室に通っていた高校生から和楽器バンドを教えてもらいました。というか「これ、めちゃくちゃ良いんですよ!!」と推されました笑

なので、詩吟の認知度を高めてくれた存在としては(芸人さんを除いて)圧倒的です。感謝しかありません。

2.詩吟のアレンジジャンルとしても超一級

僕は高校時代はJ-popもアニソンも好きで、カラオケはよく歌っていたし、大学はゴスペルを全力で歌ってきました。

だからこそ「詩吟ってなんか格好悪いよなぁ。詩吟をいい感じにアレンジしたものは無いかな?」と考え続け、調べ続けてきました。

その視点からみても、和楽器バンドは超一級です。

詩吟を歌唱法として、あそこまで格好よくアレンジできた人は後にも先にも鈴華さん以外存在してません。

演歌とは違うんです(これ重要!)

「演歌じゃない独特な歌唱法」と認識されつつ、それが「めちゃ格好いい!」と思われるアレンジは、本当にすごいものがあります。

他に調べてみたことがありますが、ジャズの雰囲気に合わせて吟じてみたものや、ピアノと合わせたものなどもありますが「詩吟」の範疇から出るものではなく「めちゃ格好いい」と感じられるものはありませんでした。

僕も「どうすれば詩吟らしさを残しつつ格好良く見せられるか」考え続けてきましたが、本当に難しいです。

  • 発声方法が独特

  • テンポの取り方が「リズム」ではなく「間合い」

  • 詩文を読んだあとに長く節調を伸ばすという独特さ

一時期はゴスペルと詩吟を合わせられないか悩んだこともありましたが、沢山悩みましたが、挫折しました。

ただ、プロのゴスペルピアニストの方に無茶ぶりして詩吟と合わせてもらったことはあります。あれは良い経験でした✨(もっと転調とか入れてもよかったなぁ)

それほどに詩吟のアレンジは難しく、だからこそ和楽器バンドの、鈴華ゆう子さんの詩吟アレンジは超一級なのです。

3.和楽器バンドは遠すぎる存在

歳を重ねるにつれて「詩吟を広めたい」という想いは強くなります。

そのためには「どうすれば、詩吟業界以外の人に詩吟を知ってもらうか」が重要であり、第一歩になります。

つまりは、詩吟を一般の人に伝わりやすい形にアレンジするということです。その参考になる唯一の存在が和楽器バンドです。

しかし、観れば観るほど、和楽器バンドはすごく、遠い存在です。

そもそも鈴華さんの歌唱力が高すぎます。
音大出身ということもあり、ピアノを弾きながら綺麗に歌うことも、詩吟調で歌うこともできます。あと美しい…!笑
詩吟のアレンジどうこう以前に、ボーカルとしてのレベルが超高いんです。

他のメンバーの方も同様です。
いくら和楽器を演奏しているからといって、千本桜のような激しい曲を演奏できる人ってそんなにいるのでしょうか?間違いなく凄腕の方ばかりです。
しかも、あんなに多種類の演奏家が集まるなんて…。
バンドの存在自体が僕には奇跡的に感じます。

模倣なんてできないのです。
存在として遠すぎるんです。

つまりは、「詩吟をアレンジして拡げる存在」というよりは「詩吟も糧の一つとしてさらに昇華した唯一のアーティスト」なんですよね。

富士山のてっぺんにいるのではなく、お月様か太陽みたいな感じで、そこに到る道や裾野が無い感じです。

そんなことを思っていたら、まさに先日、そのことについてSenju DAOの久さんが話してくれていました✨

伝統音楽に関わる人はみな聞いて欲しい内容です。
僕の話なんかよりも遥かに、和楽器バンドの存在の大きさについて分かりやすく論理的に話してくれています。


とはいえ、とはいえですよ。
和楽器バンドは、詩吟を知らない世界中の多くの人に、詩吟の存在を伝えてくれたことに変わりはありません!

なので、その孤高な存在に敬意を払いつつ、他の方法で詩吟を広める方法は無いか、もっと模索していこうと思っています。

今はSenju DAOの存在のおかげで、他の伝統音楽、他の伝統文化の方々とつながることができました。本当に貴重なことです。

その縁を活かしつつ、あきらめずに色々と挑戦していきます。

おわり。


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