中高生のための就職ガイダンス「仕事にはだいご味」
仕事にはだいご味
私の資料に残っているなかの、だいぶ古い話になりますが、今日でも通用する話なので、紹介します。
2009年の朝日新聞に、落語家の立川談志師匠(2011年没)のこんな談話が掲載されました。
<昨今の情報の流れ込み方といったら本当に大変なもので、どこからが自分
の考えで、どこからがただの知識なのか、現代人はもう判断がつきにくく
なっているんだと思う。
でも現代は、情報へ文明へとみんながならってしまう。
しかも、スビードがついている。
そうすると腰の据わった判断は難しいものになってくる。>
中高年の脱サラや起業志向など、いくつになっても夢を持ち続けたいものです。
好きな仕事をしたいのは、老若男女、年齢に関係なく当然の考えです。
しかし、だれでも好きな仕事に就けるかといったら、世の中そう甘くありません。
立川談志師匠は、こうも言っています。
<好きなことを見つけて仕事にしましよう、という今の風潮はどこか据わり
が悪い。
でも、ひとつの仕事に就いてみて、それが面白くなってくるなら分かる。
それがあなたにとって良い仕事なんだと思う。>
考えすぎて入口で悩み、止ってしまう若者も少なくありません。
「考える人」は、考えすぎて固まってしまいました・・・んっ?
自分に合っている仕事は何だろうと、考えることは大切です。
しかし考えても分からないこともあります。
そんなときは、「百聞は一見に如かず」です。
まずやってみることです。
トヨタ自動車出身で、トヨタ生産方式の実践、改善、普及に努めた若松義人氏は、自著「トタ流最強の成功法則」(2005年出版、成美文庫)で、張富士夫氏のこんな言葉を紹介しています
<我が社では、実際にやってみること、行動を起こすことを最も重視してい
ます。
世の中には、よく分からないことが多いから、分からないんだったらやっ
てみたらどうかと言います。
トヨタ流は「分かってからやる」より「分からないからやる」です。>
立川談志師匠はこうも言っています。
<好きなことは簡単に目に見えるわけではないし、勉強を人並み以上にやっ
たから手にできるというものでもない。
いやいや跡を継いだ親父の仕事で、気がついたら工夫を重ねたりして、か
けがえのない仕事になっていたということもある。
入口はいろいろでも、仕事には「だいご味」が待ってるんです。>
そう、仕事にはだいご味、食事には七味・・・んっ?
【参考】
張 富士夫氏の経歴(ウイキペディアより)
トヨタ自動車代表取締役社長(1999年-2005年)
トヨタ自動車代表取締役会長(2006年-2013年)
トヨタ自動車名誉会長(2013年-2017年)
トヨタ自動車相談役(2017年-2020年)