中高生のための就職ガイダンス「自立した社員とは?」
自立した社員とは?
企業が求める人材は様々に言われており、社会の変化にともなって変わってきています。
かつては社員教育全盛で、それによって必要な仕事能力を身につける時代でした。
「人は育てて使う」が当然とされていました。
そこでは、画一的な教育により、効率的な人材育成が行われました。
その頃の日本は、大量生産、大量消費の「作れば売れる」消費社会でした。
企業は、極論すれば「経営者だけが考え、社員は実行するだけ」の、平穏な企業文化だったのです。
必要なのは「人手」
だから、大量採用して、社員教育で平均的社員を育成することで、充分だったのです。
今日、それは、ほとんど通用しなくなりました。
企業は、「指示待ち」ではなく、「自立」した社員を求めています。
世の中には、商品があふれています。
一方で、消費者が求めるニーズも多様化しています。
平均的な商品では、喜ばれなくなっています。
よりすぐれたアイデアや技術を持った商品、個性的な商品、特定のニーズに特化した商品など、差別化した商品に人気が移っています。
しかも、ユーザーは、常に新しいものを求めています。
企業は、それがたとえ「わがままな消費者ニーズ」であっても、応えられないと生き残れないのです。
新しいアイデアや技術を持った商品を、しかも早く作り出す力が弱いと、消費者の要求に応えられないのです。
企業のカ(営業力、販売力、技術力など)とは、社員の能力の集まりです。
「生き残るため」といった消極的な考えではなく、積極的に「勝ち残るため」に、会社の役に立つ社員を求めざるを得ないのです。
世の中の多様なニーズに応え、スピーディに事業展開するには、従来型の「経営者だけが考え、社員は実行するだけ」では、不可能なのです。
そこで、今、社員には、自分の能力で考え、判断し、行動することが求められているのです。
もちろん、その前提として、経営者は、社員が迷うことなく判断や行動ができるように、しっかりした方針を社員に示し、徹底されなければなりません。
社員には、自律=セルフコントロールと、自主的に責任がとれる覚悟が求められます。
それが「自立した社員」ということです。