中高生のための就職ガイダンス「仕事の理由」
仕事の理由
人は、何のために仕事をするのでしようか?
いつの時代にも問われる命題です。
「自己実現のため」といった、抽象的でよく分からない言葉があります。
それよりもこんな考えはどうでしようか?
まず、経済的側面から。
社会とは、人が集団で共同生活している場です。
仕事は、その共同生活を維持するためのものです。
共同生活を合理的に維持するためには、様々なシステムが必要です。
経済システム、福祉システム、税システム、交通システム等々、まとめて社会システムといいます。
仕事とは、社会システムを維持するために必要な知力と労力であり、共同生活に参加する人は提供しなければならないものです。
個人レベルでは、必要経費=生活費を稼ぐためです。
社会は共同生活の場であっても、個人単位や家族単位で自立した生活をしています。
自立生活に必要なものが生活費です。
仕事の対価として得た生活費を、消費、税金等の名目で社会に還元することで、 社会システムが維持されているのです。
預貯金にしても、融資という形で何らかの社会システムに貢献しています。
お金が動かなくなったら、社会システムは機能しなくなるのです。
「金は天下の回りもの」とは、そういうことです。
精神的側面ではどうでしようか?
現実論としては「お金のため」が第一義ですが、「お金のため」だけでは空しいし楽しくないから、「お金以外の理由」も求めているのです。
一般的には、その「お金以外の理由」を求める度合いは、経済的な満足度によると思います。
そして、求めるものは、社会の中での自分のポジションであり、以下のようなニつの観点があるように思います。
ひとつは「自身の存在確認」で、
①価値ある人間でありたいという欲求を満たすため。
②社員として身分が守られている安心感を得るため。
と考えます。
もうひとつは「他人から評価されたい」で、
③誰かの役に立ちたいという欲求を満たすため。
④誰かの役に立っているという満足感を得るため。
ということでしようか。
特に精神的側面が満たされたとき、人は「生きがい」や「やりがい」を感じます。
仕事に「生きがい」や「やりがい」を持ったそのときが「天職発見」のときです。
そして、人は、そのときをきっかけに本当の成長が始まるものなのです。