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【本レビュー】日本の文脈 内田樹 中沢新一

こんにちは、シフクです。
アクセサリーブランド、Faciata(ファシアータ)を運営しながらフリーランスでアパレルブランドをお手伝いしています!


きっかけ

中沢新一さんの本を探して片っ端から積読し少しづつ読んでいるのですが、その中の1冊です。

中沢新一さん
思想家で人類学者。詳しくはこちら

内田樹さん
思想家で合気道も師範代な方。詳しくはこちらで


2012年1月刊行の本になります。

10年くらい前の本になるのでですが、書かれていることは今でも全くもって通用することばかりです。こんな本にもっと早く出会いたかったと思いつつも、生き方の1つの参考にしたいと思える1冊でした。

2人、時には3人の会話セッションになっているので、堅苦しい言葉は少なく哲学や思想って重そうだなって人でも読みやすい本だと思います。

ここからはボク個人的目線で気になったことを書いていきます。


今の経済学には贈与がうまくセットされていない

経済学っていうと重い話になってしまいそうなので、身近な例でこのことをかくと、ボクも含めほとんどの人は経済の1つの歯車になっていて。

企業に属し、または契約し働くことでその見返りとしてお金(給与)をもらっています。そこには利害関係というか、契約が発生しています。

しかし、贈与ってのは相手からの見返りを求めないというのが前提で、なのでもらえる時もあるけど貰えない時もあるんです。

また気持ちや自然の恵みが大きいところもあります。

なので、不確定要素はめちゃくちゃ大きいので経済とは相反するもの、なのですがこれがないと社会がうまく回っていかないそうです。

なぜかというと、普通に働いているだけだと革命的なことな起こらなくて。そこに気持ちを「贈与」(乗っける)することで良くなっていくからです。

等価交換だとそれ以上は良くならない。現状維持のまま。努力と報酬に相関関係があるとヒトって努力しないのだそうです。

これって、基本少人数の会社だとわりかし贈与しながら働く、要はより良くするための働き方ってのをするモチベーションが高い状態の人が多いかと思います。

けど大企業になると細かく部署が区別されることで、よりよくする仕事をやりづらくなる。たとえいいことを思いついたとしても、違う部署の管轄だったりすると手を出しづらかったり、今の自分の部署での狭い範囲でしか考えられなくなってしまうから。

周りの空気を大事にする日本人にとっては、大企業というのはあまりいいことが起こりづらい仕事環境だと思った。

ここには、恵みをもらう一番仕事は農業だと書いてあったので、それを体感するのも面白いと思い、まずはプランターでえんどう豆を育て始めてみました。


日本の場合、哲学用語で哲学しても一般市民には意味がわからない

これはほんとそう。言葉が難しすぎて何を言っているのかさっぱりわからないことは多々ある。なので調べながら本を読まないといけないのだけど、それが面倒すぎる。

どうしても調べないと読み止めない言葉は調べるようにボクはしますが、そんなこともあってアレルギーの方も多いかと思います。

それはなんでかと言うと、元々哲学的考え方が日本にはなかったからだそうです。

けど、この「言い換える」と言う作業って別に哲学だけではなくて普段の生活でもとても大切なことだと思っています。

例えば、子供に自分の意見を伝える場合、理解できる言葉の数が極端に少ないため、理解できるように言語に置き換えて説明しないと全く理解してくれません。

また仕事でもそうで、専門用語をひたすら並べて説明してくる人、たまにいますがその人の言っていることって頭に大して入らないですよね。プレゼンでもそうゆう人いますが、全く相手のことを考えず台本を話しているかのようにな説明を聞いているのでこちらが疲れてしまいます。

そうゆうものって理解されない。だから浸透しない。本来の目的はなんなのかと言うところに立ち返ってアクションすべきなのではと。

とは言うボクもそうなりがちなので、気をつけねばと思った次第です。


超越的なものと人間はどう関わるべきか

ここでは映画でこの思考レッスンをすることができるとしています。自然災害なんかもこれに当たるかと思います。天災ですよね。

映画を見ていると、日本と西洋では全く違うようで。西洋の場合は個人の裁量で解決しようとするので、その主人公はヒーローとなり得るし、そこをフューチャーできる。

しかし日本の場合、その危機になってから上の責任者からの命令を受けてその危機を処理するケースが多い。なので自己裁量で解決することってほとんどなくヒーローが出てこないのです。

これはどっちがいいとは言えず、文化の問題だと思います。

日本の場合、超越的な危機と言うのは地震とか台風とか洪水の自然災害を毎年のようにあります。

それに対してなすべきことは何もなく、ただ危機を耐えてやり過ごすしかない。しかしその通り過ぎた後のリカバリーはめちゃくちゃ早かったりする。戦後の日本の経済成長を見ればそれは明らかです。

と言うことを考えると、日本人というのは先頭を切って課題を見つけ解決することよりも、今ある課題をどのように解決するかを考えることの方が才能を発揮できるのではと思ったりもしました。


まとめ

このほかにも日本人としての再発見はたくさんありました。ここでは語り切ることがほぼ不可能なので、、他にも日本に関する思想の本は買い集めているので、その時にリンクすることがあれば、また書いていきたいと思います。

日本人ってなんなのかって考えるいい機会なります。世界がフラットになっている現代だからこそ日本人としてのアイデンティティを発揮させて生きていくことが必要だと思わせてくれる本でした。


最後に告知

です。
ぼくが運営しているアクセサリーブランドのWEBサイトはこちらです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。






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