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諦めそうになったあの日から


初めての手術から2週間が経った頃。
2度目か3度目の手術の時のことだったと思う。


その頃は
手術を受ければ
良くなると思っていた症状が
思っていたよりも良くならなかったり

むしろ他の部分に悪影響が出たりと

一つ一つの経過に
一喜一憂していた。

1度目の手術を受けてから
ぴくりとも動かず
管だらけで横たわる娘の姿。


不安と期待とが
毎日毎日
波のように押してはひいてを
繰り返していた。


手術の待ち時間だっただろうか。
主人と待合室で話をしていた。


娘のこと
これからのこと

これまで2人とも
不安を口にすることはしてこなかった。


だけど私が弱音を吐いた。


「娘を見るのが辛い」
「もういいんじゃないかと思ってしまう」


苦しくて不安で
ついぽろっと口から出た。
ずっと我慢していた言葉だった。



そうしたら主人が

「でも僕は、一生懸命戦っている娘が目の前にいるのに、僕が諦めるなんてしたくない」

と涙を流しながら答えてくれた。


ガツン って音がした


頬を殴られたような感覚がした。

そうだよ。

私が諦めてどうする。
娘は戦っているのに。

私が、

私が諦めてどうする。


急に頭が冴えた感じがした。


この時から
私は前だけ見ることにした。

もう絶対に諦めない。


私が娘のために今できること。


諦めずに寄り添う
声をかける
ベストな選択をする
絶対に後悔したくない
一緒に戦いつづける


そこからは
全ての感覚を娘に向けた
無敵のような感じだった。

辛さも不安も感じなかった
ひたすらに目の前の命に向き合った。


自分の気持ちで揺らいでいる暇はない
私の全てを注ぎ込んだ


だから本当に
娘との闘病生活での後悔はない。
やり切ったと心の底から言える。

娘が亡くなったあとも
1ヶ月で仕事に復帰した。



私がようやく自分の心に
悲しみに向き合えるようになったのは
娘が亡くなって5ヶ月後のことだった。


#心の整理
#諦めない
#闘病

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