Warby Parker(ワービー・パーカー)はいかにしてAppleを超えたのか?
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この記事で分かること
今回はニューヨーク発のアイウェアブランドWarby Parker(ワービー・パーカー)についてまとめていきます!
D2Cという業態の先駆者として、小売販売にイノベーションを巻き起こしたブランドといわれており、D2Cを語るのに欠かせないブランドです。
何がイノベーションだったのか、何がファンを魅了しているのかを調べていきたいと思います🤓
Warby Parker(ワービー・パーカー)の評価
実はWarby Parker(ワービー・パーカー)は、創業から5年で、Fast Company誌上で、AppleやGoogleを抑え、”世界で最もイノベーティブな会社”に選ばれたメガネブランドなのです。
圧倒的なコストパフォーマンスとD2Cという革新的なビジネスモデルが評価され、「FOR BUILDING THE FIRST GREAT MADE-ON-THE-INTERNET BRAND:インターネットから生まれた最初の優れたブランド」と紹介されたほどでした。
日本へは未進出のブランドなので聞き覚えがないかもしれません。ビジネススタイルが新しく日本でもこういったブランドが出てきたら嬉しいなという仕組みです。では詳しく見ていきましょう。
Warby Parker(ワービー・パーカー)とは?
2010年、ニューヨークにて、ペンシルバニア大学ウォートン校のビジネススクールに在籍していた4人の学生がメガネブランドを創業しました。
コンセプトは「メガネをかける、知性のある生活」で、”本”や”図書館”がキーになっています。
ではなぜメガネブランドがこれほど評価されるようになったのか、今までのメガネブランドの常識とは異なる、Warby Parkerの特徴をあげてみました。
●当初はオンラインでのみの販売で、価格は$95(約1万円)のみ
●『HOME TRY-ON』
ー好きな5つのフレームを5日間試着でき、配送・返送無料というサービス
●アプリのARを使って擬似試着が出来るというもの
●カスタマーサポートの充実
ーメガネを試着した写真をSNSに#WarbyHomeTryOnのハッシュタグと一緒に投稿すると、Warby Parkerからアドバイスがもらえる
●『BUY A PAIR, GIVE A PAIR』
ー商品を1つ買うと慈善団体を通じて発展途上国に寄付が行われ、メガネを手にしたくてもできない人のために寄付金が活用されるという仕組み
これらのコンセプトやスタイリッシュなデザインがミレニアム世代の支持を多く得て、SNSなどの口コミで広まりました。リアーナやエマ・ロバーツなどのセレブも愛用しているそうです。
Warby Parker(ワービー・パーカー)の世界観
写真は、実店舗の様子です。ぱっと見では眼鏡屋だと気づかないくらいコンセプトに忠実でお洒落な内装に仕上げています。
そしてこのお洒落な店舗では、眼鏡は販売していません。ここでは、眼鏡を試着することが可能で、購入はネット通販という仕組みになっています。
Warby Parkerの名前の由来は、創業者David Gilboaが好きなアメリカの小説家ジャック・ケルアックの未刊作品の登場人物"Warby Pepper"と"Zagg Parker"からとったそうです。
また彼らは2000通りのブランド名の中から、他のブランド名と被らない、かつ検索に引っかかりやすい"Warby Parker"というブランド名を採用しました。
HOME TRY-ONのしくみ
このブランドの特徴とも言える革新的なサービスが、『HOME TRY-ON』。
好きな5つのフレームを5日間試着でき、配送・返送無料というものです。
眼鏡の選び方はいくつか用意されています。
まず顧客はネット上で7問ほどの質問に答える方法。回答後には、顧客毎にオススメの眼鏡がいくつか提案されるので、送ってほしい眼鏡を5つ選択します。自分だけでは選びきれない人にもってこいの方法です。
次に自分で好きなフレーム・柄をカスタマイズする方法。こちらはごく普通のやり方で、こだわりがある方におすすめです。
また、アプリのAR体験を使えば、実際に眼鏡をかけた雰囲気が分かるので、楽しく眼鏡を家で選ぶことができるのです。
また、HOME TRY-ONのサービスを利用したときの、カスタマーサポートの充実も人気の理由のひとつです。
まず顧客に自撮り写真をinstagramやSnapchat に #WarbyHomeTryOn のハッシュタグとともに投稿してもらいます。すると専属スタッフからどれが似合っているかのフィードバックがもらえる仕組みです。店舗はありませんが、SNSを使って顧客とコミュニケーションをはかっているのです。
アプリのAR体験はこんな感じ👇かなり再現率が高くて分かりやすいです!
私は眼鏡はどうしても1人じゃ決めきれなくて、人の意見を聞きたいのですが、友人や家族となかなか予定が合わない!て感じでなかなか眼鏡を買いに行けません。このアプリがあると、自分でも客観的に見れるし、友人や家族にスクショを送ればたくさんの人に意見をもらえそうだなと思いました!
SNSの活用
Warby Parkerは、SNS上で顧客とのコミュニケーションをとっているので、必然的に拡散率が高まります。
その証拠に、”最高のプロモーションは口コミ”と言っていて、新規顧客の半分は口コミによって呼び込まれており、40歳未満の顧客のうち60%がSNSを参考にして購入しているそうです。
実際、43.5%のミレニアル世代が、購入した商品やサービスを SNS を通じて広めたい動機を持っているという調査結果もあります。
他にも、IGTVやYoutubeでは、定期的に社員の紹介、商品ストーリーを語るなど開発者サイドの密なコンテンツや、製品ファンへのインタビュー動画などを配信しています。
BUY A PAIR, GIVE A PAIRの活動
Warby Parkerの支持率の高さには、BUY A PAIR, GIVE A PAIRの活動も理由のひとつになります。それは、眼鏡が1つ売れると、途上国へ眼鏡を1つ寄付をするというもの。そしてただの寄付で終わるのではなく、現地の人たちにアイウェアの知識や技術を教えて、収入を得られるようにサポートしているのです。
Warby Parkerの調査データによると、世界で約15%もの人々が、メガネが必要なのに手に入れることができない事実があるそうです。
この活動に共感した若者が、Warby Parkerを支持するようになりました。
ミレニアルの87%が商品購入を通じた社会福祉・環境保全へ寄与したいインセンティブを持つという調査結果もあるそうで、WarbyPeakerの顧客の46%は社会に恩返しするプログラムを喜んでいると言います。
その他にも、レモネード販売の売上を全額寄付など多くのチャリティキャンペーンを実施しているそうです。
Warby Parker(ワービー・パーカー)の遍歴
そもそもWarby Parkerのはじまりは、旅行先でメガネを紛失して新たに買おうとしたが、高価で買えなかったことから、メガネ業界の寡占に気づいたことにより、メガネブランドをつくることになります。
そこで、メガネを自社で一貫して、デザイン・製造を行い、オンライン販売でコストを削減し、おしゃれで高品質、低価格なメガネを販売し、大手ブランドより優位性を高めました。
自社でデザイナー、製造工場を抱えて中間業社を省き、初めは店舗を持たずにECストアだけで販売し、費用を格段に抑えることで、これまでより安い眼鏡を販売することに成功したのです。
その結果、3週間で1年の販売目標を達成、4週間目には20,000人の待機顧客をつくるという成功を納めました。
現在のプライスラインは$145、$195など複数ラインあり、アメリカに32店舗、カナダに1店舗を出店、追加料金を支払えば24時間以内に受け取れるといったサービスも展開しています。
2017年の売上げは推定ですが、3.2億〜3.4億ドル(約367億円)と言われています。
ブランディングの背景には・・・
実は、PRやブランディングを担当したのは、ニューヨークやロンドンに拠点を構えるDerris(デリス)というPRファームが手掛けています。
Derrisは、Warby Parker以外にもファッションブランドのEverlaneや前回取り上げたコスメブランドGlossierといったD2Cブランドも担当しているそうです。
また、Warby ParkerはこのPR会社を通じて、「Vogue」や「GQ」の編集者とコンタクトを取りながら関係性を構築し、雑誌を通してビジョンや創業ストーリー、プロダクトの魅力やその裏側にある製造工程などのメッセージを発信していきました。
Warby Parkerは、創業時から「自分たちがファッションブランドを作っているということ」を意識し、PR・ブランディング戦略の重要性を認識していたそうで、その意識があったからこそ、ひとつひとつ成功するための選択が出来たのではないかと思います。
まとめ
Warby Parkerのファン獲得方法は、多面的で合理的でした。ブランディングが注目されているブランドですので、勉強になることがとても多かったです。個人的にはWarby Parkerの日本展開を期待したいと思うくらい、良いサービスだらけでした。
では長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。Twitter(@meee_tw)やnoteの他の記事も良かったらのぞいてください😉
今後ともよろしくお願いします🤲
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参考文献
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