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元理系女子のスピリチュアル産後鬱奮闘記

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「占いはオカルト。信じちゃダメ」とか思ってた元理系女子が、なんだかんだで産後鬱を占いで乗り切った、なんだかんだの体験記です。「いかに私が今の私になったのか」の自分語りですが、よろ…
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#密室育児

7-3 出かけていいんですよ

7-3 出かけていいんですよ

 産後鬱の妻を必死に支えていたつもりなのに、なぜか離婚を切り出された、今思えば誠気の毒な旦那氏は、「このままではいけない」と自治体の育児相談室に私を連れ出してくれた。定期的に開かれている育児相談は、他の人も来るため、私は行きたくなかった。もう、誰か他人と話すことが億劫でたまらなくて、本当は役所の人とも話したくなかった。「どうせ誰も分かってくれない」という屈折した想いもあった。

 「僕も一緒に行っ

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7-2 私はこれで、産後鬱になりました

7-2 私はこれで、産後鬱になりました

 大体、後から冷静に考えれば、産後鬱になるなという方が無理なくらい、私には産後鬱になる条件が揃っていた。

 まず、出産予定日の二か月ちょっと前に、実母を亡くしている。母がいなくなった悲しみと同時に、「赤ちゃんを抱っこさせてあげられなかった」という悔しさが残った。そして、その悲しみを味わい尽くす時間もなく、胸の内に後悔が渦巻いたまま、出産。全く感情の整理などついていなかったのだ。

 しかも、それ

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7-1 記憶にございません

7-1 記憶にございません

 「産後鬱に関する体験記を書こう」と思ったくせに、とても正直なところを言うと、私は産後鬱が一番酷かった間の記憶がほとんど、ない。特に、娘の一か月検診を終えて自宅アパートに戻ってから、生後六か月くらいまで、どうしていたのかよく思い出せないのだ。

 多少覚えていることを羅列していこう。

その① 動物園の動物状態
 娘は赤ちゃん時代、授乳でそのまま寝ることもあったが、そうでなかったら、とにかく抱っこ

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6-5 猫の手も借りたい

6-5 猫の手も借りたい

 出産から6日後、私は無事に退院した。同日に出産したらしい人が、旦那さんはもちろん、父母や兄弟にまで囲まれて、赤ちゃんをフリフリのドレスに着替えさせて写真を撮りまくり、「結婚式ですか?」という勢いで盛大に退院しようとしているのを横目に、私は旦那と赤ちゃんの3人でひっそりと病院を後にした。看護師さんが、3人一緒の写真を撮ってくれた。良い記念写真になった。

 実家に着いたら、ひとまずリビングに置いた

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