![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/6917756/26efda736e8e349e973da895c4d7ac8c.jpg?width=800)
- 運営しているクリエイター
#密室育児
7-3 出かけていいんですよ
産後鬱の妻を必死に支えていたつもりなのに、なぜか離婚を切り出された、今思えば誠気の毒な旦那氏は、「このままではいけない」と自治体の育児相談室に私を連れ出してくれた。定期的に開かれている育児相談は、他の人も来るため、私は行きたくなかった。もう、誰か他人と話すことが億劫でたまらなくて、本当は役所の人とも話したくなかった。「どうせ誰も分かってくれない」という屈折した想いもあった。
「僕も一緒に行っ
7-2 私はこれで、産後鬱になりました
大体、後から冷静に考えれば、産後鬱になるなという方が無理なくらい、私には産後鬱になる条件が揃っていた。
まず、出産予定日の二か月ちょっと前に、実母を亡くしている。母がいなくなった悲しみと同時に、「赤ちゃんを抱っこさせてあげられなかった」という悔しさが残った。そして、その悲しみを味わい尽くす時間もなく、胸の内に後悔が渦巻いたまま、出産。全く感情の整理などついていなかったのだ。
しかも、それ
7-1 記憶にございません
「産後鬱に関する体験記を書こう」と思ったくせに、とても正直なところを言うと、私は産後鬱が一番酷かった間の記憶がほとんど、ない。特に、娘の一か月検診を終えて自宅アパートに戻ってから、生後六か月くらいまで、どうしていたのかよく思い出せないのだ。
多少覚えていることを羅列していこう。
その① 動物園の動物状態
娘は赤ちゃん時代、授乳でそのまま寝ることもあったが、そうでなかったら、とにかく抱っこ
6-5 猫の手も借りたい
出産から6日後、私は無事に退院した。同日に出産したらしい人が、旦那さんはもちろん、父母や兄弟にまで囲まれて、赤ちゃんをフリフリのドレスに着替えさせて写真を撮りまくり、「結婚式ですか?」という勢いで盛大に退院しようとしているのを横目に、私は旦那と赤ちゃんの3人でひっそりと病院を後にした。看護師さんが、3人一緒の写真を撮ってくれた。良い記念写真になった。
実家に着いたら、ひとまずリビングに置いた