「つながりの作法」セミナー開催レポ書きながら、自分の働き方を振り返ってしまった件。
昨年のお話しで恐縮です。
2023年12月25日 クリスマスの日に開催したセミナー。
「つながりの作法」というテーマで、多様な人が多様に働く環境づくりのコツについて考えてみる時間を200名を超える皆様と共有できました。
会場は東京都港区にあるNECネッツエスアイ(株)の立派なホールとzoomウェビナーのハイブリットで…。
とても立派な機材やシステムを使わせていただき、感謝の気持ちでいっぱいです…というのも、このセミナーは、「いい社会・いい会社・魅力的な人づくり」を目指しているNECネッツエスアイの社会貢献事業部の林さんと、「適度な重なり合いで暮らしやすい社会を創りたい」という弊社の想いとが共鳴して企画したイベントです。
そして、その思いにご賛同頂けた、東京都、港区の後援をはじめ、協賛やご協力を各所に頂けた、あたたかな会となりました。
講演 熊谷晋一朗氏
このセミナーのタイトル「つながりの作法」は熊谷先生の著書のタイトルでもあります。そのホントの出会いや、企画の想いはこちらの記事に…。
「迫力」が違う。
先生の講義の感想を、ひとことで言うとコレ…。
「説得」でも「納得」でもなく…「迫力」があるんです。
先生は私と同じ1977年生まれ。
同じ時代に生まれ、九州のすみっこ…いや、日本の端っこで育った私と、関東で育った先生とでは、周囲の環境も違っていたとは想いますが、同じ時代を同じ年齢で見てきた、という点を共通点だと(無理やり…)すると、特に、働き始めたところ、先生が研修医としてお勤めになったころ、私は福岡の山奥の入所施設で、あーでもない、こーでもない…と自分の支援スタイルや考え方についての土台を築こうとしていたころか~…と重ねて考えてみたりしておりました。
その、先生の人生に基づいてお話しされる言葉にはパワーがあり、それを10年講演し続けてこられたという、エネルギーもプラスされ、とんでもない迫力となっているように思います。
「エビデンス」が自分を解放してくれた
先生のお話の中に、こんな言葉がありました。
先生が生きてきた時代は「健常者に近づける」事が優先され、コップの持ち方一つでも、「健常者」に近づける動きの追求をして(させられて)きたと。でもあるとき、これまでの治療法にはこれといった医学的根拠は特になく、あまり効果も無いかも…という事になり、世界がひっくり返る思いだったと。必死に取り組んできたご家族や周囲の人々はがっかりした様子もあった中、先生は「解放された」と感じられたそうです。
「健常者に近づける」
この言葉に私のココロが大きく反応しました。
そう、いっつも、ここに引っかかる自分がいます。
20年以上前、支援者の仕事を始めたときから、だんだんと社会も変わり私も変わり…いろんなことが変わってきましたが。
先生が生きた時代は、日本の端っこにいても、同じ空気を感じていたように思います。むしろ地方の方がこれは強く長くあるのかもしれません。
そして、支援者になりたての頃の私の中にも「健常者に近づける」という無意識の中の意識があり、それが正義だとさえ思っていた…。
反省の想いも含み、そう振り返りながら、先生のお話を聞いていました。
働きやすい環境づくりのコツ
推察コスト
「多様な人が多様に働く環境づくりのコツ」というサブタイトルにもある様に、「働く環境」についても触れていきます。
上司のご機嫌を伺う…と書くと、ちょっとネガティブな言葉にも読めますが、何か提案したいとか、そんな時でも「今日の上司のご機嫌はどうかな??」とか「これは後で言おうかな…」とか、状況を察するという名のもとに、「上司の状態(つまりごきげん)」を推しはかった経験…どなたにでもあるのではないでしょうか?
熊谷先生は、それを「推察コスト」と表現されました。
おもしろ~い!!!まさにそれ~!!!
このコスト、「能力」として長けている人もいるかと思います。
それができてこそ、一人前の社会人!!!みたいな空気さえ(笑)
何を隠そう、上司や先輩のたばこの銘柄を覚え、「タバコ」と言われれば、指定されなくてもそれを買ってくることができ、コーヒーかお茶か…の好みさえもインプットして、昭和のサラリーマン代表みたいな仕事の仕方をしていた私は、その能力を研ぎ澄まして生き延びていたといっても過言ではありません。
無駄ですね。(笑)
まさにコストです。
無駄だな~と思いながらも、そうして生きてきた自分を否定したくないのであの頃の私は、「それができてこそ風」を吹かせていたかったかもしれません。
能力としていかんなく発揮していくことはきっとポジティブなエネルギーですが、それ以外の能力を磨かず、自分の足場を作りたいがために、「それができてこそ風」を吹かせると厄介ですね。(昔のわたし)
あ、話がそれてきましたが…。
そんな風を心地よく追い風にして、上司がつい居心地よくなってしまうと、心理的安全性も何もあったもんじゃない職場になってしまうんだ…。
先生の「推察コスト」というお話しから、そんな自分の過去を振り返って深く反省しておりました。
つまり、上司や先輩は、部下にそんな無駄な推察コスト使わせて、「それができてこそ風」をそよ風のように使って勘違いしてる暇があったら、その部下の時間と気遣いを有効なカタチに変換して使ってもらう努力をする必要があるのです。
その為にはどうすればいいの??
聞きたいですよね??
その為に何をすればいいのか…。
答えは…
権限(役職)の高い人から、自分の状況を開示する
優しく言うと…。
「今日は、おなか痛いから、表情険しいけど、それは、君たちに責任がある事ではないからね。気にしないで仕事してね」とか…
「私は、エクセルが苦手でね…式壊しちゃうこととかよくあるんです。修正できないので、エクセルはね、触るの怖いんだよね」とか…。
自分の状態や、できる出来ないを適切に理解して、それを適切に表現する。
んんんんn????!!!
これ、「障がい者雇用」とか「就労支援」とかに関わる人なら特に、
ピンっと来ませんか?
障がい者雇用というステージで就活している人々に、これ、よく言いますよね??移行支援事業所では「私の取扱説明書」なるものを作成したりしています。
まずは、「自己理解」「自己受容」そして、それを適切に「表現できるちから」…。合理的配慮を求める際には、自分にできる事努力や工夫を合わせて伝える。
これ、「障がい者雇用」で働くにあたって、とても大切な事だと言われておりまして…。就活する人はみんな苦労しながら取り組んでいるのですが…。
これ、「上司」といわれる人から、ぜひやってみてください!
「上司(わたし)の取扱説明書」おススメです!!
「上司足るのも…」「リーダーというものは…」とスキを見せてはダメだと気張っている上司、先輩、リーダーのみなさま!その肩の荷を下ろすことが、チームのパフォーマンスを上げる最速、最短のルートの様です!
部下や後輩のみなさんは、「それができてこそ風」を吹かせなくて、本業に力を注いで良いのです!
そういう職場こそが、「だれにとっても、働きやすい環境」に必要な要素。
つまり「心理的安全性」に繋がっていくのです。
肩の荷の降ろし方がわからない上司の皆さん、
お手伝いいたします。弊社にご連絡下さい^^
他にも、組織(会社)を作っていくにあたって、理念や目的の共有がどれだけ大切か‥‥なんておはなしもありましたが、それはまたいつかのnoteで記してみたいと思います。
では、今日はこのへんで…。
シチロカソーシャルデザインは適度な重なり合いで暮らしやすい社会を創ることを目指して活動しています。
障がい者雇用を切り口にして、様々なイベントやセミナーの企画運営も行っております。
「人事のほけんしつ」では、障がい者雇用で困っている人事のみなさまのお悩みやお困りごとに寄り添い、「貴社だからこそできる障がい者雇用」の在り方とやり方を一緒に考える伴走型のサービスです。
決まりだから…義務だから…で始めるよりも、「だからこそできる」に着目した「障がい者雇用」の新しい在り方を探している企業の人事、経営企画の方々におススメのサービスです。