カラマーゾフの兄弟にみるロシアの食文化【カラマーゾフの兄弟の研究レポート①】
カラマーゾフの兄弟を読んでいく中で、ロシアの食文化に興味が出たので、少し調べてみましたのでレポートします。
コーヒーと、ジャム?!
作中では、ジャムが良く登場します。
ただし、私が認識していたジャムとはどこか違うのです。
というのも、私は「ジャムはパンなどにつけて食べる、甘いペースト状のもの」という認識でした。
しかし、こんなシーンが出てきます。
コーヒーの「パートナー」としてジャムが出てきているのです。
ジャムを「食べる」と表現しています。
あんまり、ジャムを食べると言わない気がします。
また、「桜のジャム」もあんまり聞き慣れません。
どうやら、ロシアではお茶とセットでジャムを嗜むようです!
この飲み方、やってみたいですね~~。
ロシアとお茶
また、上記のシーンではフョードルとイワンはコーヒーを飲んでいましたが、作中で頻繁に登場するのが、お茶。
みんなしょっちゅうお茶を飲んでいますよね。
このお茶って、どんなお茶なのかがすごく気になっていました。
こちらのページに、ロシアのお茶文化について書かれていました。
はじめは、中国から伝わったようですね。
たしかに中国とロシアは物理的に近いですからね。
その後、独自のお茶文化が発達したようです。
サモワールというポットを用いるようです。
これらのサイトも興味深かったです。
ロシア式の喫茶店を作ったら面白そうだな~と思います。
ウハー(魚汁)
作中でよく登場するのが「ウハ―(魚汁)」。
イワンと料理屋「都」で会ったアリョーシャが注文しています。
「すっかりお腹が空い」ている時に食べるくらいなので、メインディッシュになり得るものなのかもしれません。
また、フョードルはアリョーシャが去ろうとする時、引き留めてこんなことを言います。
ここで注目したいのは、ウハ―(魚汁)の位置づけです。
食事に招く際の誘い文句として使われているのです。
つまり、ある程度当時のロシアの中で中心的なポジションにある料理だと推測します。
「○○でも食べに来てよ。」と。
現代日本に置き換えるなら、寿司とか、焼肉とか、すきやきとか、鍋とか、そういう位置なのかもしれません。
調べると、こういう料理でした。
これはなかなか美味しそう~~。
ロシアは寒いので、温かいスープが食べられてきたのかなと思いました。
コニヤク、ウォートカ、シャンパン
お酒も良く登場します。
寒冷地のロシアでは身体を温める為にも、お酒を飲むのかもしれません。
良く出てくるのが、コニヤク、ウォートカ、シャンパンです。
印象としては、普段から飲むお酒はコニヤクとウォートカで、お祝い事とか宴で飲むのがシャンパン、みたいな位置づけなのかなと感じました。
これらのお酒は、生を肯定するもの、俗世の象徴としての役割を担っている気がします。
自殺することを決意したミーチャは、死ぬ前の大宴会の為に、シャンパンを3ダースも買い込みます。
モンパンシエ、ザクースカ、ストラスブルクのパイ
ミーチャが最後の晩餐として以下のような食べ物を発注しました。
ザクースカとは、前菜とか、おつまみ、軽食などを指すようです。
モンパンシェとは、こちらの記事によると「高級キャンディ」のことのようですね。
石斑魚(シーグ)とは、ウグイという魚のことのようです。
「ストラスブルクのパイ」については、調べてもあまり良く分かりませんでした。
ありったけのお金(1,500ルーブリ)を使って、死ぬ前にとびきりド派手にどんちゃん騒ぎをしようという時に注文するような品物なので、当時のロシア料理のフルラインアップなのでしょう。
現代日本ならどういうラインアップになるでしょうか?
ちょっと、ミーチャのセリフをお皿にして、料理を入れ替えてみます。
【元のセリフ】
チーズに、ストラスブルクのパイに、燻製の石斑魚に、ハムにイクラに‥‥(中略)それから、いいかい、お土産も忘れないようにな、菓子に、梨に、西瓜を二つか三つか。それとも四つ―――いや、西瓜は一つでたくさんだ。それからチョコレートに、氷砂糖に、モンパンシェに飴に――
【現代日本版】
寿司に、うなぎに、天ぷらに、すき焼きにアワビに‥‥(中略)それから、いいかい、お土産も忘れないようにな、饅頭に、葡萄に、メロンを二つか三つか。それとも四つ―――いや、メロンは一つでたくさんだ。それからショートケーキに、カステラに、シュークリームにソフトクリームに――
こんな感じでしょうか?(笑)
なんか、作中で出てくる食べ物って、やけに美味しそうに感じるのはなんででしょうか?
「ミーチャの最後の晩餐」とかいう名前で、どこかのレストランでメニューとして出して欲しいです(笑)
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