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競争戦略の観点から、「やりたいことがない」人へ伝えたいこと_51日目

こんにちは。暑くなってきましたね。バテないように、冷たい水を飲みすぎないように気をつけたいと思います。

TPAとは、私の勤めているトライバルメディアハウスの教育プログラムの一貫である「Tribal Professional Academy」の略称です。

これがまた課題図書がたくさんで大変なんだ。

私たちの代表の池田(@ikedanoriyuki)が通年で講師を努め、経営戦略や競争戦略、財務会計、組織行動論、マーケティング、行動経済学や社会学などの「理論」を学ぶ。課題図書を読み、事前にnote上に「感じたこと」や「学び」に関するアウトプットを行って、当日単語テストを実施し、その後社長を含む場で主に自社を題材に議論を行う。それを隔週で行うカリキュラム。

マッチポンプというか手前味噌というか、ぼくはこのTPAに参加して今の時点で本当に良かったと思っています。

さまざまなフレームワークや戦略を自分の所属している会社を例に考えていき、かつ、実際のところを社長の池田さんから直接聞くことができるという、超絶貴重な時間です。

で、今回の課題図書はこちら。

これらの本を読んでいくタイミングが、私がOJTをさせてもらっている新卒新入社員の子の年間目標設定のタイミングと重複したので、そこで思ったことを書きます。

違い

まず、企業の競争優位性というのは「独自性」「違い」であるというんですね。

最高であるという「優越性」ではないかと思いがちなのですが、全員が「優越性」を目指すと、熾烈な消耗戦が繰り広げられ、たとえば5フォースでいうところの代替品や新規参入業者がまったく新しい付加価値で市場に殴り込んでくると、消耗戦していたプレイヤーたちが全員即死してしまうわけです。

また、企業の至上命題は継続的に利益を出して事業を行っていくことなので(ゴーイング・コンサーン)、じゃあその価値の源泉というか、どうやって競争優位としての「独自性」を維持担保していくかというのが最重要テーマになります。

その継続的な競争優位性を築くためのものが競争戦略です。

強力な競争戦略には「ストーリー」がある、それを理論立てしているものが『ストーリーとしての競争戦略』です。

競争戦略もとい戦略ストーリーをざっくり説明すると、

SP(Strategic Positioning)=ポジショニング=何をやるか
および
OC(Organizational Capability)=組織能力=どうやるか
が、
強力なストーリーで結びついて機能すること
により、
強固な競争優位につながる

という内容です。

目標設定を手伝った経験はとても貴重でした

話は飛びますが、これらの読書と並行して、新卒新入社員の方のOJTとして、目標設定を一緒に行っていました。

具体的にはここでその目標は言えませんが、一年後に「◯◯になる」というゴールを決め、そのための目標を5つほど定めていきました。

当初、ご本人と面談していて思ったことは、「◯◯になる」も明確だし、個々の目標も非常に妥当なものでしたが、なんとなくスッキリしていない印象でした。

そこで、「◯◯になる」という目的と、そのための個々の目標を、それぞれのつながりという意味でストーリーを意識して、「こことここがこうつながって、こうなるから、その目的が達成できるよね」的に、解釈して本人に伝えたところ、本人もスッキリした表情でした。年長者の役割をすこしは果たせたかなと思いました。

改めて考えたこととして、個人の目標設定をSP/OCでざっくり分類すると、

「◯◯になる」=SP
そのための個々の目標=OC(一部、SP的なものも含む)

かなと思います。

おそらく、新卒の方は経験値がまだないので、個々のつながりを見出すことは難しいのだと思います。

なので、年長者の役割としては、自身の経験から、相手の目標やタスクの個々のつながりを見出し、目的が達成されるまでの道筋を引いてあげることで、相手に鮮明に、目的を達成した自分のイメージを持ってもらう手助けをすることなのかなと思います。

ここで気づきがありました。

「やりたいものがない」人へ

「やりたいものがない」という人、結構多いのではないかと思います。そういう人のために、少しは役に立つことを話ます。

結論から言います。

まず、どのポジションを取るか決めましょう。

なぜかというと、ポジションを取らない限り、スキルを伸ばす方向性が「優越性」になる可能性が高いからです。

上記で述べたとおり、スキルを伸ばす方向性が優越性になるということは、効果的な競争優位性の構築につながらない、ということです。

究極的に競争優位性は「違い」「独自性」にあるので。

なので、「やりたいものがない」んだったら先に「ポジション」を取っちゃいましょう。(もしくはポジションを作る)

このアクティビティが大事なのは、ポジションを取ろうと真剣になると、「これは嫌だ」「あれは嫌だ」が絶対でてくるんです。

あと、「これは絶対にやりたい」も。

この「嫌」「やりたい」が「独自性」の源泉になります。

「これは絶対にやりたい」がポジションを取ることによって叶うならそのポジションを取りに行きましょう。「これは絶対にやりたい」がオペレーショナルなことであれば、それが差別要因になるようなポジションを取りましょう。

また、「取りたいポジションが取られている」もしくは「そこが仮に空いていても取れるはずがないと思い込んでいる」人もいるかもしれません。

競争戦略の原則から考えると、「取りたいポジションが取られている」も「そこが取れるはずがないと思い込んでいる」も、ポジションにおける「独自性」がないんですよね。なので、ある意味「勝てる」確率は低い。

この場合、「決死の覚悟さえあれば、実はそのポジションを取れると思っているのに踏み出せない」ということを心の中で思っているのであれば、そのポジションに目をつけている時点で戦いに行かないと後悔しかないでしょう。

なので、戦いを挑むのがいいと思います。

その覚悟がなければ、どこでもいいからポジションを取りに行くのがいいと思います。

クリティカル・コア

人の競争戦略において大事なのが「美学」です。

「美学」こそが、クリティカル・コアになります。(言い切る)

美学は往々にして「一見して非合理」です。

ただ、美学には「共感」と「発見」があり、つまるところ、人間の知的欲求はこの2つに集約されると思っているので、その美学のまとわりついたストーリーに、人は惹かれます。美学がないという美学にさえも。

ぼく自身がこれまで「優越性」と、「美学」という傘のもと、ストーリーのない「独自性」に拘泥して生きてきたので、ここらでポジションを取り、競争優位につながるストーリーをおっ立てねばならんと思っているところでちろう。

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