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B級ホラー界の巨匠が最後に贈る“これぞエンタメ”な渾身の遺作!夢のサメ大集合パニックムービー「シャーク・ナイト」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(773日目)

「シャーク・ナイト」(2011)
デヴィッド•R•エリス監督

◆あらすじ
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友人たちと森をのぞむ湖でのバカンスを楽しもうとする、女子大学生のサラ。だが、そのうちのひとりがサメに腕を食いちぎられる事故が起きる。地元ダイバーのデニスに助けを求めるが、そのサメは彼と仲間たちが殺人ゲームを楽しむために湖に放ったものだった。(Filmarksより引用)
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『森に囲まれた湖にバカンスで訪れた学生たち。しかし楽しい時間も束の間、突如出現したサメによって彼女らは恐怖のどん底に叩き落されてしまう…』という“これぞB級!”と思わず叫びたくなるほどのちょうど良いサメ映画です。

「ジョーズ」(’75)や「ディープブルー」(’99)程の名作でもないですし、かといっていわゆるZ級サメ映画のような酷さもありません。

ですが中途半端な感じもしませんし、パニックアクション映画の基本を押さえつつ、様々な種類のサメを登場させて観客を楽しませるなどの工夫も施されているため、物凄い破壊力のある作品とまではいかないまでも、しっかりと楽しめる娯楽映画になっています。

サメの迫力も中々のものです。(https://m.crank-in.net/gallery/movietitle/186994/12より引用)

今作は2011年公開の作品で、当時流行りの3D映画として上映されました。縦横無尽に襲いかかるサメたち、そして爆発によって飛んでくる船や建物の破片、波や水しぶき等が3Dで飛び出してくると思われますが、それらを映画館の大きなスクリーンで拝めたら相当楽しいでしょうね。

また今作は“登場するサメの種類の多さ”も売りにしていたようです。

基本的にサメ映画のサメといえば1種類で、“そのサメにどんな設定を付け加えるか”、または“どんなシチュエーションにするか”というところに注目が行きがちです。

なもんで私はサメを幽霊にしたり、人形にしたり、タコと合体させたりする、いわゆる〇〇サメのように定義しやすいおバカなサメ映画も好きですし、またはトルネードで地上にサメを降らせたり、家の中に出現させたり、雪の中を泳がせるなどのシチュエーションで魅せるサメ映画も大好きです。

皆様の推しサメ映画を見つけてください↓

しかし今作は王道中の王道のストーリーでシチュエーションに遊びを入れることはなく、かといって奇天烈なサメを登場させることもありません。今作は純粋に“種類”で勝負しています。これはかなり斬新というかありそうでない方向性だったので勉強になりました。

今作に登場するサメは

•オオメジロザメ

個体数が減少傾向にあるようで、また気性が荒く、人間を襲ったケースも多く確認されています。(オオメジロザメWikipediaより引用)

•シュモクザメ

群れを成して行動するサメはかなり珍しいそうです。(シュモクザメWikipediaより引用)

•ダルマザメ

人を襲う事例は極稀だそうです。(ダルマザメWikipediaより引用)

•イタチザメ

フカヒレや肝油は主にこのイタチザメから取っています。(イタチザメWikipediaより引用)

•ホホジロザメ

ホホジロザメでもホオジロザメでもどっちでもいいらしいです。(ホホジロザメWikipediaより引用)

なんと5種類も登場します!

正直なところシュモクザメとダルマザメ以外はあまり区別がつかないため、どのシーンにどのサメが出ていたかまでは分かりませんが今作のWikipediaによると上記の5種類のサメが登場しているようです。ちなみにジャケ写などには46種類と記されていますがそんなには出てないです。

そして今作は“B級ホラーの巨匠”デヴィッド•R•エリス氏が監督を務めた最後の作品としても知られております。

https://www.cinematoday.jp/news/N0049162より引用

俳優からキャリアをスタートした同氏はその後スタントマン、スタントコーディネーターとして活躍し、80年代の後半からは助監督なども務め、さらには「ハリー・ポッターと賢者の石」(’01)や「マトリックス•レボリューションズ」(’03)等の人気作では主にアクションシーンの製作にも携わりました。

監督としては1996年に主人公のアメリカンブルドッグの声をマイケル•J•フォックス氏が担当したことでもお馴染みの人気アニマル映画の続編「奇跡の旅2/サンフランシスコの大冒険」でデビュー。

その後、死という運命が若者たちに襲いかかる人気ホラー映画「ファイナルディスティネーション」(’00)の続編となる「デッドコースター/ファイナルディスティネーション2」(’03)が興行的にも成功を収め、人気監督の仲間入りを果たしました。

その後はサミュエル•L•ジャクソンが飛行機内で大量の毒蛇と死闘を繰り広げるパニック映画「スネーク・フライト」(’06)、先述の「ファイナルディスティネーション」シリーズの4作目「ファイナルデッドサーキット3D」(’09)等を手掛け、ホラー映画ファンを楽しませてくれました。

「スネーク・フライト」(’06)より(https://cinemore.jp/jp/erudition/1418/article_1419_p4.htmlより引用)

しかし2013年、監督を務める予定だった「カイト/KITE」(日本の有名アダルトアニメが原作)の撮影で訪れていた南アフリカ共和国のヨハネスブルクにて急死したことが報じられました。死因などは明らかにされておらず、この一報によって世界中の映画ファンからは多くの悲しみの声が寄せられました。

翌年には同氏の意志を継いだラルフ•ジマン氏が監督を務めあげ、戦友サミュエル•L•ジャクソン氏も引き続き出演して完成にこぎつけました。

よって2011年に発表された今作「シャーク・ナイト」はデヴィッド•R•エリス監督の遺作となっております。最後に撮ったのがサメのオールスター映画で、しかも3Dというのがなんとも同氏らしいですが、お客さんに楽しんでもらいたいという気持ちがこれでもかと詰まっている渾身の一作に仕上がっております!

水着美女もサメ映画には欠かせませんね。(https://m.crank-in.net/gallery/movietitle/186994/12より引用)

ちなみに今作はエンディング後に出演者たちがラップを歌う謎のMV(約5分)が収録されています。これがDVDのみのオマケなのか、それとも映画館でもこれが流れたのかは定かではありませんが、超絶蛇足です笑

それぞれのソロパートなどもありますので、本編中に推しキャラがいる方は楽しめると思います。

そんな今作は現在U-NEXTでのみ配信中で、Amazonプライムでは440円でレンタルが可能です。3Dありきの作品な感じもするので2Dだと少々迫力不足かもしれませんが十分楽しめますし、サメ映画好きならば押さえておいて損はないかと思います。

46種類とは記されてますが、別にそれが登場するとは言ってませんね。(Amazon.co.jpより引用)

◇女子大生のサラは友人のマヤとベス、そして仲の良い男子グループのニック、デニス、ゴードン、ブレイクの計7人で深い森に囲まれたクロスビー湖へとバカンスに訪れる。ウォータースポーツを思う存分楽しむ彼女たちだったが、突如デニスが獰猛なサメに腕を食いちぎられてしまう。携帯も圏外でパニックになる一同は懸命にデニスに応急処置を施し、助けを呼びに向かうが次々とサメの餌食となってしまう。そこへたまたま訪れたダイバーのデニスとレッドに助けを求めるも、この一連のサメ騒動は全て彼らによって仕組まれたものだった!

というのが今作の細かめのあらすじです。

主人公のサラ(https://m.crank-in.net/gallery/movietitle/186994/12より引用)

冒頭20分くらいはサラやニックたち若者グループが大学や舞台となる湖周辺でわちゃわちゃしているシーンがメインなので少々たるいですがテンポが良いので全然見れます。

あと全然どうでもいいんですけど個人的に気になったのが、湖に行く際に皆で1台のバンにぎゅうぎゅうに詰めて乗り込むシーンにおいて、

サラに好意を持っているニックとゴードンが荷台の狭いスペースで出発を待っていると、そこへ遅れてやって来るサラ。「そこ、もう1人乗れるかしら?」と言うサラの発言に舞い上がるニックが慌てて「大丈夫!もう1人行けるよ!」と返すと、サラはその二人のいる荷台にそこそこでかい愛犬を乗せて、自分はちゃっかり前の座席に座る

というこのシーンで私は「サラってあんまりいいヤツじゃねぇな」と思ってしまいました。ただのコミカルシーンなのでツッコむ必要はないんですけど、思わせぶりなことを言って、ただでさえ狭いスペースに犬も乗せて、自分は前の座席を広々使うって、なんだか主人公っぽくないなと思ってしまいました。

うがった見方すぎますかね(https://m.crank-in.net/gallery/movietitle/186994/12より引用)

道中で立ち寄った商店にてトイレを盗撮している変態店主や何やらサラとただならぬ関係がありそうな地元のダイバー•デニスと下品な酔っ払いレッド等も登場して今後の展開を期待させてくれる構成はとても良かったです。

湖到着後はしばらくウォータースポーツに興じる一行でしたが、皆で小型船に乗った際にハンドルを握ったサラが周囲の制止を振り切り、物凄いスピードで走り出します。水上警察に見つかるも止まる気配はなく、そのまま激しいチェイスを繰り広げるなど、いよいよサラのキャラが良くわからなくなってきます。その後、この警察とサラは顔なじみで、なんと彼女は三年前までこの辺りに住んでいたことが明らかになります。

なんだかんだでイイ感じになるサラとニック(https://m.crank-in.net/gallery/movietitle/186994/12より引用)

その後、再びウォータースポーツを満喫していた一行でしたが突如出現したサメにデニスが腕を食いちぎられパニックに陥る。携帯は圏外、医師を志すニックが応急処置を施すことくらいしかできない。仕方なく小型船で町まで行こうとするもデニスの腕から滴る血を辿ってサメが急襲。デニスの恋人•マヤが餌食となってしまい、仕方なく先程のコテージに引き返す。

どうすることも出来ずにいるサラたちの元へ先程の荒くれダイバー•デニスとレッドがやって来ます。必死に助けを求めるも何やらきな臭い。なんとこの湖にサメを解き放ったのはこの二人だったのです。

これは怖いですね。(https://www.thecinema.jp/program/05131より引用)

実はサラとデニスは過去に交際していたものの、サラが進学のために別れることに。最後の思い出にと行ったダイビング中のトラブルでサラはデニスの顔に大きな傷を残してしまい、気まずいまま二人は疎遠になりました。

その後、やさぐれてしまったデニスはレッドたちとつるむようになり、人間がサメに襲われている映像が儲かることに目をつけた彼らは捕らえたサメにカメラを仕込み、そのサメを湖に解き放ってサラたちを襲っていたのです。なんとも回りくどい金儲けですね。

最後に登場する超巨大サメ(https://m.crank-in.net/gallery/movietitle/186994/12より引用)

デニスたち曰く、これまでに集めたサメは45種類で、今朝方46種類目となるダルマザメを捕まえたとのことです。なもんでジャケ写の46種類は彼らがこれまでに揃えたサメのことで、作中にはその内の精鋭中の精鋭である5種類を出したんだと思われます。

ちなみに46種類目である小型のダルマザメが大群でベスを食い漁るシーンはかなりインパクトがあります。

本性を表したデニスはサラたちを脅し、次から次へとサメの餌食にしていく。さらにはデニスを救おうと水上バイクに彼を乗せて疾走するブレイクはサメに追われるも、途中で自らの死を悟ったデニスが自ら湖に身を投げ、ブレイクを逃がそうとします。しかしそのブレイクも別の巨大サメに丸呑みにされてしまいます。

冒頭で襲われる水着美女(https://m.crank-in.net/gallery/movietitle/186994/12より引用)

さらには商店の変態店主やサラと知り合いの警察もグルだったことが明らかになります。彼らがデニスたちと手を組む理由みたいなものは作中で語られませんが、サメの映像で分け前を貰うとかそういうことなんでしょうか。

終盤には檻に入れられたサラが巨大ホホジロザメの餌食になりそうになるもニックが駆け付けてこれを阻止。さらにはサラの愛犬シャーマンのMVP級の活躍もあり、デニスはサメに食べられ、突き刺すと爆発するよくわからない武器でニックがサメを撃退します。

このシーンなんかは相当迫力がありました。それにしてもあの刺したら爆発する棒はなんだったんでしょうか。(映画.comより引用)

◇生き残ったのはサラとニック、そしてシャーマン。これで一安心と思ったのも束の間。湖から超巨大なサメが飛びかかってきて…

というところで物語は幕を閉じます。そしてエンディングのあとに例のラップがあります。ここまででワンセットなのでお見逃し無く。

助かったかと思いきや…というのもサメ映画のお決まりです。(https://m.crank-in.net/gallery/movietitle/186994/12より引用)

ネタになるほどの突飛な設定もないですし、手に汗握るほどのアクションシーンがあるわけでもないですがしっかり楽しめると思います。ちょうど良かったです。

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