ロックでヘビーな友情パワーで最強悪魔をぶっ飛ばせ！！怒涛のグロゴア時々エロい！青春デスメタルスプラッター「デビルズ・メタル」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(812日目)
「デビルズ・メタル」(2015)
ジェイソン・レイ・ハウデン監督
◆あらすじ
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田舎町に引っ越してきた冴えない少年ブロディは新しい環境になじめずにいたが、大好きなヘビーメタルを通じて同年代の少年ザックと親しくなり、バンドを結成することに。ある日、敬愛するメタルスターの隠れ家を偶然にも発見したブロディたちは、不思議な力を持つという楽譜を譲り受けるが、その楽譜は、古代の邪悪な悪魔を呼び出すものだった。(映画.comより引用)
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『冴えない高校生たちが組んだメタルバンド•デスガズム。ある日、彼らが手に入れた楽譜はなんと悪魔を呼び出す恐ろしい代物だった！知らずに演奏したことで町では悪魔に取り憑かれた人々が殺し合いを始め、取り返しのつかない事態に発展する！』
という、いわく付きの楽譜によって悪魔が復活し騒動が撒き起こるグロゴアコメディホラーですが、これは相当面白かったです！直すところないんじゃないですかね。
冴えない主人公がメタルのおかげで親友や恋人と出会い、またそれによって悪魔を呼び起こしてしまうわけなんですけども、“なぜメタルなのか”、“なぜメタルにハマったのか”等を明確に描いているため、ストーリーに嘘がないんです。
また主人公の生い立ちや心情がしっかり伝わるので感情移入出来ますし、苛められっ子やオタク、札付きのワルなどいわゆるクラスの鼻つまみ者たちがバンドを結成し、そして“てめぇのケツはてめぇで拭く”とばかりに悪魔を倒そうと奮闘する姿には胸を打たれます。
そして何よりもグロ描写や殺し方にも並々ならぬこだわりを感じます。
生首や四肢はこれでもかと吹き飛びますし、悪魔に取り憑かれた町の人達を倒すために研磨機で顔面を削ったり、斧やチェーンソーで真っ二つにしたり、アダルトグッズで串刺しにしたりと王道からトリッキー、そしておバカな倒し方までしっかり押さえているところも非常にポイントが高いです。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
そんなメタルとグロゴア、血飛沫盛りだくさんの今作で監督•脚本を務めたのはジェイソン・レイ・ハウデン氏です。同氏は「アベンジャーズ」シリーズや「ホビット」シリーズ等、数々の名作で特殊効果を務めてきた御方で、今作が長編映画監督•脚本デビューとなります。
そんなハウデン監督が次に発表したのは『両手に拳銃を固定された冴えない男が元カノを救うために最強の殺し屋と対峙する羽目になる』というぶっ飛んだ内容のアクション映画「ガンズ・アキンボ」(’19)です。
特殊効果を努めていた頃は王道アクションやファンタジー映画に関わっていましたが、いざ自分が監督•脚本をやるとなるとデスメタル、エログロ、スプラッター等など、ご自身の趣味が全開なところにかなり好感が持てます。3作目も楽しみですね。
現在U-NEXTで配信中です。メタルや洋楽が好きな方、グロゴアやらコメディ系の映画が好きな方でも楽しめる良作です。これはかなり推していきたいです！
◇伯父夫婦に引き取られ、田舎町で暮らすことになった冴えない高校生のブロディ。誰とも馴染めず、オタクグループに属することになった彼だがメタル好きが高じて悪友ザックと親交を深め、オタク友達も巻き込んでバンドを結成。そんなある日、世界的に有名なバンドマン•ダガーズの隠れ家を発見したブロディたちは彼が抱いて眠っていた何やら怪しげな楽譜をひょんなことから譲り受ける。しかしそれは悪魔の王を呼び起こすとてつもなく恐ろしい代物だった！そうとは知らずにブロディたちはその曲を演奏してしまい、町中の人に悪魔が憑依。長閑な田舎町は至る所で無差別の殺戮が繰り広げられる。果たしてブロディたちは悪魔の王の復活を止めることが出来るのか！？
というのが今作の細かめのあらすじです。
母親が薬物に溺れ、精神病院に収容されたことで伯父夫婦に引き取られることになった高校生のブロディ。
唯一の肉親である母親と離れ離れとなり退屈な日々を過ごすブロディだったが、そんな彼の唯一の救いがメタルだった。
クリスチャンな伯父から嫌われ、従兄弟のデヴィッドから悪魔崇拝者と罵られていじめられようが、オタクグループに属して周囲から小馬鹿にされても、メタルさえ聴いていれば嫌な事など忘れられる。
そんな彼はある日、行きつけのレコードショップで札付きのワルのザックと音楽の趣味が合ったことで意気投合。勢いそのままにディオンとジャイルズも巻き込んでバンドを結成。
ここにメタルバンド•デスガズムが誕生した。
そんなある日、ブロディはザックと町外れの一軒家に侵入。なんとそこはステージでウサギを殺すなど派手なパフォーマンスで名を馳せたメタルスターであるリッキー•ダガーズの隠れ家だった。
晩年は薬物や窃盗、悪魔崇拝で身を滅ぼし、ニュージランドの田舎町に移り住んだと噂されていたが、まさかここだったとは！
すっかり舞い上がっているブロディを横目に、ザックは目の前で眠っているダガーズが大事そうに抱いているレコードを失敬しようとするが気づかれてしまい、二人は金属バットで襲われる羽目に。
ザックはちょいちょい犯罪を犯します。(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
「イーオンの手下だな？」とわけの分からないことを言われた二人はテンパって「違うって！メタルのファン雑誌(同人誌)に住所が載ってたから来ただけだよ！」と弁明します。
そこへ何やらまた別のヤツがやって来ます。何かを悟ったダガーズは「命がけで守ってくれ！」とブロディたちにレコードを託して逃がします。
家に押し入ってきたスーツ姿の男はダガーズが隠し持っている何かを探しているらしく、最後まで在り処を教えなかったダガーズは首を掻っ切られて殺されてしまいます。
託されたレコードには不気味な楽譜が挟まっており、何も知らないブロディたちはこれをデスガズムの曲にしようとさっそくラテン語の歌詞の翻訳も始めます。
一方、ダガーズを殺害したスーツの男•ヴァディンはとある組織のボスであろうイーオンにリッキー抹殺の報告をしますが、やはり彼らのお目当てだった楽譜は手に入れられず、責任を取らされてヴァディンもその場で首チョンパされてしまいます。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
もちろんそんな事態になっているとは知らないデスガズムの面々はメイクもバッチリとキメて、PV撮影に精を出しています。
そんな折、クラスのマドンナにしてデヴィッドの彼女であるメディナと遭遇。彼女はデヴィッドのいじめ自慢に辟易していたこともあり、ブロディと何やら話がしたいようです。
ブロディの絵を褒めてくれたり、いつかタトゥーを入れるときはデザインお願いしようかな等など、二人は公園でアイスを食べながら、色々な話をします。
そしてブロディはなぜこんなにもメタルが好きなのかをメディナに打ち明けます。
「メタルを聴くと救われる…苦しみや怒りを誰かと分かち合えるから…」
これまでブロディがどんなに寂しい思いをしてきたか、いじめられて惨めな思いをしてきたか。その胸の内が明らかになります。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
メディナとの距離も縮まりウキウキのブロディ。そしていよいよデスガズムはガレージであの楽譜の曲を弾いてしまいます。
するとたちまち揺れに襲われ、メンバーは全員トリップ状態。照明は明転暗転を繰り返し、近くに居合わせた伯父は一瞬悪魔のような見た目となり、その後血の涙を流します。これはなにやらヤバそうな曲っぽいです。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
必死にラテン語の歌詞を訳していたブロディはその黒い賛美歌という曲が相当ヤバいことに気づきますが、メディナと仲良くなったことを快く思わないデヴィッドたちから袋叩きに遭い、さらには部屋も荒らされてしまい、彼の中で何かドス黒いものが湧き始めず、歌詞がヤバい件はザックたちには言いませんでした。
一方、ザックはザックでメディナとブロディの仲を引き裂いてちゃっかり寝取っており、これは後で尾を引きそうです。
その後、デスガズムがまたあの曲を演奏すると今度は伯父の大吐血に始まり、町の至る所で人々がこれでもかと血を吐き、ブロディたちも痙攣して気絶。
この日から町の人々の様子がおかしくなっていきます。
そしてついにはザックの父親が凶暴化。ザックとブロディは研磨機で顔面を削ったりしてどうにかこうにか倒しますが、あの曲はやはり黒魔術の一種で、悪魔を呼び出して人間に取り憑いているのではと推察。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
何か助言を貰おうと二人で占い師のアビゲイルの元へ向かう道中も町中で人々が暴れまくっています。
そしてどうにかアビゲイルの元にたどり着くも彼女もまた誰かに襲われたのか瀕死状態。しかし彼女は超凄い占い師なので
エイロスという悪魔が目覚め、このままでは王位についてしまう。あんたらがその曲を演奏したせいでこうなった。エイロスの即位は次の赤い月の夜、悪魔の時刻。一番邪悪な人間の魂と融合する。
といった感じのことを教えてくれます。凄いですね。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
赤い月の夜は今日だし、悪魔の時刻である午前3時まではあと3時間くらいしかありません。
それまでにその黒い賛美歌の楽譜をどうにかせねばならないようですがあと少しのところでアビゲイルも殺されてしまいます。
その一方、悪魔に殺されそうになっていたディオンたちはメディナに助けられ、とりあえず学校に向かい、ブロディたちと合流しようとします。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
時を同じくして楽譜を狙っているイーオン一行も町に到着。その場にいた悪魔曰く、『その楽譜を終わりから演奏するとエイロスは即位できない』らしい。
「じゃあエイロスを俺に憑依させろ」等とイーオンが言っていると、突如部下の美女が裏切り、イーオンを殺害。彼女もまた強大な力を欲していたようです。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
楽譜とギターを取りに行ったブロディとザックは悪魔に取り憑かれた伯父夫婦と死闘を繰り広げます。
チェーンソーや伯父夫婦が隠し持っていたアダルトグッズを駆使してどうにか倒し、ついでに悪魔になってないデヴィッドもむかつくのでとりあえずチェーンソーで首を切断して殺しておきます。日頃の恨みが蓄積するとこうなるわけですね。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
楽譜をかき集めたブロディたちも学校に到着。しかしここでザックがメディナを寝取った件が発覚し、大喧嘩に発展。ザックはどこかへ行ってしまいます。
アビゲイルから貰ったヒントから推測し、もしかしたら楽譜を逆から演奏すればエイロスの復活を阻止出来るのではと思いついた一行でしたが、イーオンを裏切った美女たちに取り押さえられ、楽譜も破られ、さらには生贄として殺されそうに！
そこへバッチリメイクを施したザックが助けに来てくれ、しっかりと仲直り。儀式を中断させ、楽譜はないけどとりあえずやれるだけやってみようとデスガズムは演奏に入ります。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
ブロディが一人で演奏し、その間にザックはチェーンソー二刀流で次々と悪魔をなぎ倒し、メディナも斧で迎え撃ちます。しかしディオンは首を引っこ抜かれ、ジャイルズも両腕をもぎ取られ死んでしまいます。
そしていよいよ午前3時。イーオンを裏切った美女はさっそくエイロスを受け入れようとしますが、なんとエイロスはもっとワルのザックの中に入ってしまいます。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
エイロスに憑依され、ブロディやメディナに襲いかかるザック。しかしブロディはザックと仲良くなるきっかけとなった思い出の曲を演奏し、一時的に正気を取り戻させます。
「俺が正気のうちに俺ごと地獄に送れ！」
そう懇願されたブロディは泣く泣くザックの首を掻っ切り、ザックごとエイロスを地獄へ送ります。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
2ヶ月後、町には平和が訪れ、恋人同士となったブロディとメディナ。彼女の腕にはブロディデザインのイカしたタトゥーが入っています。
しかし何やら不穏な空気が漂う。レコードからは「ブロディ！死ね！」と流れるも、続いて「冗談だよ！」とザックが地獄から通話していたのだと分かります。
エンディングの後、ブロディから死ぬとどんな感じなのかと聞かれたザックは「地獄は最高だぜ！レジェンドに会える！カート・コバーン、ジョン・ボーナム、ポール・マッカートニー、本物のメイヘムが再結成してるぞ！」等とあちらで元気にやっている様子が伺える。
そしてメンバー全員を失ったブロディに対して「バンド続けろよ」と優しく声をかけ、二人はいつまでもくだらない話で盛り上がるのだった。
というところで物語は幕を閉じます。
(https://m.imdb.com/title/tt3705412/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
最初から最後まで一本筋が通っており、何を見せたいのか、何がやりたいのかが明確ですごく面白かったです。また、作り手側が楽しんで作っているのが分かるのでやっぱりそういう熱量が伝わってくる作品は好感が持てます。
『逆から演奏をするというくだり』が少々雑に処理されている気もしましたがそこまで気にもなりませんでした。
グロ描写がかなりエグいのでそういうのが苦手な方以外は相当楽しめると思います。個人的にはかなりオススメです！
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