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あまりの低クオリティに虚をつかれる!彼はなぜ壮大な話を繰り広げようとするのか…「エイリアンVSジョーズ」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(586日目)

「エイリアンVSジョーズ」(2020)
マーク•ポロニア監督

◆あらすじ
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アメリカのとあるビーチで人間の死体が発見される。当初はサメに襲われたと思われていたが、検死の結果、死因は焼死である事が判明する。実は被害者は宇宙人に殺害されていたのだ。本格的な地球侵略を開始した宇宙人はマインドコントロールでサメを操り、町の人々は次々と犠牲になっていく。

前門の宇宙人、後門のサメ! 史上最大の危機を人類は乗り越えられるのか?(landshark.crayonsite.comより引用)
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数々の低予算映画を今もなお生み出し続け、我々の心を掴んで離さない悪名高き偉大なるマーク•ポロニア監督作品です。

この【ホラー映画を毎日見るナレーター】の企画でも度々お世話になっており、どの作品も一度ハマると抜け出せなくなる独自の世界観と、それに見合わないにも程があるチープさがクセになります。

このポロニア監督作品でしか得られない成分は定期的に摂取したくなるのでまた近々お世話になると思います。

現在アマゾンプライム、U-NEXT、DMMTV、WOWOWで配信中です。

マーク•ポロニア監督(landshark.crayonsite.comより引用)

双子の兄弟であるジョン氏と1980年代にポロニア•ブラザーズエンターテインメントを立ち上げ、低予算のホラー、SF、サメ映画などを数多く生み出しました。2008年にジョン氏が亡くなってからも、精力的に活動を続け、年間2〜5作というハイペースで作品を撮り続けています。

その独特な撮影技法は日本の怪獣映画、いわゆる特撮にインスパイアを受けているようで、CGやVFXが主流となっている今だからこそあえて多少のチープさを残すことがポロニア監督作品の味であり、世界中で愛される要因となっています。

ちなみに最近では自身の地元であるペンシルベニア州のマンスフィールド大学で教壇に立ち、映像論を教えるなど後進の育成にも抜かりはないようです。

これまでに見たポロニア監督作品はこちらから↓

「もう結果だけ教えろ!」良いキャチコピーですね。
(amazonより引用)
スター・ウォーズのOPみたいですね。
(amazonより引用)

「エイリアンVSジョーズ」と言っておきながら、実際は「エイリアンと(エイリアンに操られた)サメVS人間」という構図であり、タイトル詐欺も甚だしいです笑

そもそも原題は「Shark Encounters Of The Third Kind」であり、直訳すると「未知と遭遇するサメ」とかになると思います。この原題はおそらく「未知との遭遇」(’77)の原題「Close Encounters Of The Third Kind」を模倣したものでしょう。

原題そのままだと長いですし、かと言って「未知と遭遇するサメ」という直訳邦題もピンときません。そんな中での「エイリアンVSジョーズ」というタイトルはシンプルかつキャッチャーですし、思わず手に取ってしまうよなインパクトがあるのでマーケティング的には勝ちかもですが、内容には合ってないように思います。

でも正直なところ、個人的には内容どうこうというよりはそのチープさを楽しむために見ているので、タイトルが相応しいかどうかはどちらでもいいです。

小さいことを気にするのは辞めましょう。
(landshark.crayonsite.comより引用)

◇アメリカのとあるビーチで人間の生首が発見される。当初はサメの仕業かと思われていたが、検死の結果、焼死と断定される。この怪現象の調査に乗り出したケイ博士と警官はこの一連の事件にエイリアンが関わっていることを突き止める。さらにエイリアンはサメにマインドコントロールを施し、被害を拡大させていた。果たして、人類はこの危機を乗り越えられるのか?そしてエイリアンたちの目的は?

という感じの内容ですが、ストーリーも支離滅裂な部分が多いため、真剣に話を理解しようとしなくても大丈夫です!
この作品の見所は兎にも角にもあらゆる面でチープさを感じざるを得ない低クオリティさですので。

サメは大体こんな感じです。
(landshark.crayonsite.comより引用)

サメは資料映像やポロニア監督の別のサメ映画の映像の使い回しもありますが、そもそものクオリティが低いので使い回しであろうとなかろうとなんとも思いません。

エイリアンはただマスクを被っているだけですし、UFO、衛星、ビーム、宇宙、パソコン画面、爆発なども当然の如く安っぽい合成です。サメが人間を襲うシーンも画面が赤くなるだけという安上がりっぷりです。

ただマスクを被っているだけのエイリアン(landshark.crayonsite.comより引用)

さらにはトレジャーハンターが海に潜るシーンももちろん合成ですし、普通に『Tシャツ短パン姿に酸素ボンベを背負う』という奇妙な出で立ちなので違和感が限界値を越えますが、「せめてウェットスーツくらい用意しろよ」と言うのは野暮というものです。

トレジャーハンターたち
(landshark.crayonsite.comより引用)

生首はあきらかに作り物というかもう布みたいな素材が見えてしまっているし、海中の様子やビーチで皆が遊んでいるシーンはどこかから借りてきた映像素材でしょう。BGMや効果音も一昔前にYouTubeでよく耳にしていたフリー音源ばかりです。

あらすじを見る限り、やろうとしていることは壮大なんですが、映像自体がことごとくチープで低クオリティなため、「低予算なりにもっとやりようがあるだろ!」と言いたくなるところではあります。ですが我々ファンはこの歪さ、おバカさを求めているので是非ともこのままやり続けて欲しいです。

主人公ポジションのケイ博士と警官
(amazonより引用)

「島に行かなければならないが船のガソリンがない」

「給油して島に向かえばいいわ」

という思わず虚をつかれるような不毛な会話や随所に光る映像の使い回しも堪りませんね。

でも一点だけそれなりに良かったところがありまして、エイリアンがサメを小型化させてカプセル(のようなもの)に入れてマインドコントロールをするシーンはそれなりにレベルが高かったです。

エイリアンに脅され、運転させられています。
(ktv-smart.jpより引用)

一応、最後は『エイリアンと人間が和解はしないまでも、これ以上の争いは無意味だからお互い近づかないように生きていこう』みたいなある意味共存に近い感じに着地する終わり方はメッセージ性があってとても良かったと思います。もちろんその後全部台無しになりますが笑

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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