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ガバガバ設定カードバトルで負けたら即死のデスゲーム!!アイドルたちの下剋上が今始まる!「シンデレラゲーム」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(626日目)

「シンデレラゲーム」(2016)
加納隼監督

◆あらすじ
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所属するアイドルユニットの解散公演を終え、悲しみに暮れる沙奈が目覚めるとそこは孤島だった。周りには同様に拉致されたアイドルたちの姿が。そこにタキモトと名乗る男が現れる。「アイドル業界から捨てられたクソゴミアイドルのみなさん、おめでとうございます!あなたたちにはこれからシンデレラゲームに参加して頂きます!」ルールは簡単。トーナメント制のカードバトルを勝ち抜けば、トップアイドルになれるという。ざわめく少女たち。亡き姉の夢を継ぎ、再びトップアイドルを目指すため、沙奈もゲームへの参加を決意する。しかし、彼女たちはまだ知らない。敗者には「死」が待っていることを・・・。(Filmarksより引用)
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『業界から捨てられたアイドルたちがトップアイドルとしての地位を手に入れるためにデスゲームを繰り広げる』

という、いわゆるデスゲーム系の作品でございます。

原作は新井淳平先生による同タイトルの小説で、あらすじやレビューを読む限り、オチなどがだいぶ異なるようです。

気になったのでさっそく購入しました。私が買ったせいで単行本の在庫が残り1点になってしまいましたがKindle版もございますのでもし御興味ある方はぜひ!

読了次第、映画版とどう違うのかなどを別個で記事にしようかと思います。

詳しくは後述しますが、80分弱という短めの尺であることから察するに、おそらくは原作の内容をかなり端折っているのかもしれません。見所の一つでもあるカードゲームはボリューム不足感が否めず、登場人物の関係性やバックボーンも描ききれていないため、物足りなかったです。キャストもすごく良いですし設定も面白いので、2時間くらいの大作で見てみたかったです。

ちなみに主人公の紗奈役を務めた山谷花純さんは「手裏剣戦隊ニンニンジャー」の百地霞(モモニンジャー)役で注目を集め、今作が初主演作となります。

主人公•紗奈(映画.comより引用)

最近では「とんかつDJアゲ太郎」(’20)や「N号棟」(’21)など多くの話題作にも出演している注目の俳優さんの一人です。

現在アマゾンプライム、DMMTV、hulu、FOD、ABEMATVで配信中です。

Filmarksより引用

◇業界から捨てられたアイドルたちが目を覚ますとそこは絶海の孤島。トーナメント制のカードバトルを勝ち上がり、最後の一人になったものはトップアイドルの地位が確約される。しかし、脱落者は首輪に仕込まれた毒針によって命を落とすことになる。

という王道中の王道のデスゲームです。

参加者20人でスタートします。(映画.comより引用)

それぞれの事務所から“もはや用済み”とばかりに売られたアイドルたちが何も知らずに受けていたオーディションがこのデスゲームの参加者を募るものだった、というちょいとガバガバな設定の導入です。事務所に売られたというのが理不尽極まりないですし、昨年の優勝者(後に明かされることですが)も参加しており、『優勝したらトップアイドルの地位が確約される』という部分に大きく矛盾が生じています。

『最後の一人になるまで理不尽な殺し合い』、『眠らされて無人島に連れて来られる』、『昨年の優勝者の参加』、『脱落者は死亡』等など「バトル•ロワイアル」みたいな要素が多いです。

川田役の山本太郎さんがかっこよかったですよね。どう見ても中学生ではないですけど。(Filmarksより引用)

紗奈はトップアイドルだった亡き姉のために自身もトップを目指す心優しい主人公、同じグループだったエリナは面倒見が良い関西弁キャラ、その他にもお色気担当、妹キャラ、ボーイッシュ、ヤンデレとメインの登場人物はそれぞれ個性があってとても良かったです。

紗奈(左)とエリナ(右)(映画.comより引用)
お色気担当の菖蒲(映画.comより引用)
妹キャラのももりん(映画.comより引用)
ボーイッシュなボクっ娘•ルイ(映画.comより引用)
ヤンデレ眼帯っ娘•雪乃(映画.comより引用)

あまり演技経験が無いように見えるキャストもちらほらおりましたが、タキモト役の駿河太郎さんや菖蒲役の清水あいりさんは流石の安定感がありました。

ゲームマスター•タキモト(映画.comより引用)

参加者はそれぞれ支給された端末(明らかにスマホ)を用いて、島のマップの標示を頼りにカードを集めていき、今作の見所でもあるカードバトルに臨みます。

カードバトルのルールについてまとめておくと

•カードは『王子』、『継母』、『魔女』の3種類。王子は継母に勝ち、魔女に負ける。継母は魔女に勝ち、王子に負ける。魔女は王子に勝ち、継母に負ける。

•島の至る所に落ちているこれらのカードを集め、対戦では手持ちのどれか1枚をセットし、同時にめくり勝敗を決める。

•勝敗が決まるまで続け、負けた方は脱落となり死亡。引き分けが続き、出すカードが無くなった場合も脱落。

•『十二時の鐘』、『かぼちゃの馬車』、『ガラスの靴』という3種類のオプションカードがある。それぞれの効果は、かぼちゃの馬車は強制あいこ、十二時の鐘はかぼちゃの馬車の無効化、ガラスの靴に関しては終盤まで明かされません。

•オプションカードはそれぞれポイントで購入することができる。ポイントに関しては「このデスゲームをリアルタイムで見ている視聴者が自分の応援したいと思うアイドルに投げ銭のような形で与えることができる」ということが後半で明らかになります。

•端末に自身が保有しているポイントが標示され、対戦が始まるまでにオプションカードを購入しておけば自分の手札として加えることができる。

•『ガラスの靴』は「無敵のカードであり、どんな手札相手でも勝つことができる。しかし3万ポイントと高額なため、いまだかつて対戦で出した者はいない」ということが終盤で明かされます。

ネズミのような被り物をしている奴らがカイジで言うところの黒服です。(映画.comより引用)

といった感じでしょうか。

「王子を出す」とあらかじめ言ったりと、心理戦を仕掛けてくる娘もいるので、早い話がカイジの限定ジャンケンみたいなものです。

暴力行為は即失格とみなされ死んでしまうので、他の参加者のカードを無理矢理奪い取る行為はもちろん駄目なんですけど、隙をついて盗んだり、カードを共有することは認められています。

なもんでカードを盗んだり、海に捨てたりと「遊戯王」のインセクター羽蛾みたいなことをするやつもいます。この例えがピンとこない方は「インセクター羽蛾 エグゾディア」で検索してみてください。

血を流してる方がカードを海に捨てた張本人、つまり羽蛾です。(映画.comより引用)

このカードバトルはそれなりに見応えがあり、ももりんに対戦前にカードを全て盗まれた紗奈がポイントで購入した大量の『かぼちゃの馬車』で強制あいこに持ち込んでももりんの手札をゼロにして勝利を収めたり、先述したように心理戦を仕掛けてくる娘がいたりとそれなりに楽しめるんですけど、決着がすぐついてしまううえ、オプションカードがチート過ぎて、あまり戦略性が感じられませんでした。

デスゲーム系の作品なのでそれぞれのキャラの死に様にも注目していましたが、尺の都合であまり一人ひとりのバックボーンが描かれていないため、『暴力行為やカードバトルの敗退で首輪の毒針が刺さり吐血して死亡』というパターンになることがほとんどであまり見応えがありませんでした。死亡したあとに「志望動機や熱い思いなどを語るオーディション時のインタビュー映像」が差し込まれる演出はかなり良かったと思います。

脱落するとこうなります。(映画.comより引用)

「このデスゲームを視聴している人々がおり、お気に入りの子にポイントを与えることができる」というのもアイドルならではの設定で中々に面白かったんですけど、こちらも尺の都合であまり上手く活かせていないように感じました。

実は生きてた紗奈の姉(映画.comより引用)

終盤もかなり駆け足で

◇エリナは前回大会の優勝者だったので今回も優勝されたら面白くないという理由で強制的に脱落させられ死亡。そして、前回大会の決勝でエリナに負けて脱落した紗奈の姉は実は生きており、決勝は紗奈と姉の戦いとなる。これまでの活躍を見ていた視聴者たちから山程ポイントを貰っていた紗奈は『ガラスの靴』カードを購入しており、効果は知らないものの、初手で『ガラスの靴』を出して見事勝利。姉は死亡、紗奈は悲しみに暮れる。

という急展開の連続で余韻を感じる間もありませんでした。最初の方でも言いましたが、もう少し尺を伸ばして丁寧に描くことが可能だったらより面白くなったようにも思いました。

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もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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