仲良し親子の手作りパペットサメ映画!ここまでくると低予算とかそういう次元を越えている「パペットシャーク」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(595日目)
「パペットシャーク」(2022)
ブレット•ケリー監督
グレイソン•ケリー監督
チャンス•ケリー監督
◆あらすじ
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超常的な能力をもつ巨大人食いザメの伝説がある湖畔の森を訪れた二人の少年、グレイソンとチャンス。二人はキャンプをしながら人食いザメの伝説を語り合うが、背後には怪しげな影が迫っていた……。(DMMTVより引用)
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低予算にも関わらず、ありえないくらいに壮大なストーリーを展開したことで他のサメ映画と一線を画してSNSでも話題になった「ウィジャ•シャーク 霊界サメ大戦」(’20)を手掛けたブレット•ケリー監督の最新作です。
今作ではなんと息子のグレイソンくんとチャンスくんも作品に携わっており、監督と主人公の声優を務めるという大役を仰せつかっています。
監督はおそらく名ばかりでしょうか、声優に関しては一切棒読み感がなく、異常に上手いです。流石は父•ブレットの意志を継ぐだけあります。
詳しくは後述しますが、低予算サメ映画お決まりの『無駄な会話で尺伸ばし』をこれでもかと多様しており、当然のことながら今作を見ることで何かを得ることはないと思います。
ですが、全登場人物、そして見所であるサメもパペットですし、背景もチープなものばかりなので、かなりのコストカットに成功しているのではないでしょうか。低予算作品における何か一つの正解を導き出しているように感じました。
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◇ある日、グレイソンとチャンスは不思議な力を持っているとされる人食いザメの伝説がある湖畔の森を訪れ、仲良くキャンプに興じる。その晩2人はお互いに、サメにまつわる伝説や噂話を語り合うが、そんな2人のもとに怪しい男が忍び寄っていた。
というシンプルな内容で、グレイソンとチャンスの2人が語るサメの話の一つ一つが独立しているため、どことなくオムニバスに近い感じもあります。
『マシュマロ好きなマシュマロシャークの話』や『魚好きの歯医者がサメの歯に挟まったチーズを取ってあげる話』、『サメ映画の撮影のためにこの湖畔を訪れたスタッフたちが襲われる話』、『サメがオーナーを務めるクラブで歌う人魚のお話』と展開していきます。
ですが、どの話でも「いつかカナダで大麻は合法化すると思う?」という危ない会話や、本編にはまったく関係のないやりとりがびっくりするくらいに多く、典型的な『尺伸ばし』が随所に見受けられます。
これを普通に人間がやっていたらとても見れたもんじゃないんですけども、今作ではそれら不要な会話ややりとりをするのが今作最大のウリでもあるパペットなので、なぜか不思議と見れてしまいます。
パペットがみんなでわちゃわちゃするのを見るなんて、小学生の頃の「セサミストリート」や「ハッチポッチステーション」以来かもしれません。私はその懐かしさも相まって、無駄な会話とは思いつつも全然苦も無く最後まで見ることができました。
サメ映画の撮影をする話の時に
「これはサメ映画だ。それっぽくやればいい。誰も気にしない」、「大きさも気にしない。低予算だから誰もちゃんと見ない」などのメタ発言が連発するのは個人的にはめちゃくちゃ面白かったです。お前が言うなと思いますが笑
ラストは『知り合いの漁師•フレッドが実は人間の姿に扮した人喰いサメで、グレイソンとチャンスに襲い掛かる』というもので、これはこれで良い着地だなと思いました。
特にメッセージ性のない作品ではありますが、話が一つ終わるたびに『暗闇には恐ろしいものがたくさん待ち構えているぞ』みたいなそれっぽい教訓を言ってきます。ですが先述した通り、この作品から何かを学ぶことはありません。ただの楽しい低予算サメ映画です。ご家族揃ってご覧ください。
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