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実際にあった猟奇殺人事件を基にしたサイコホラー「ウルフクリーク/猟奇殺人谷」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(436日目)

「ウルフクリーク/猟奇殺人谷」(2005)
グレッグ・マクリーン監督

◆あらすじ
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バックパッカーのリズとクリスティはオーストラリア人のベンと共にオーストラリア旅行を満喫していた。その後、目当てのウルフクリーク国立公園に着いたは良いものの車の故障で足止めを喰らってしまう。夜もふけた頃、たまたま通りがかったミックという親切な中年男性が故障した車を牽引してくれ3人は一安心、そのまま眠ってしまう。しかしリズが目を覚ますと縄で拘束されており、遠くからクリスティの悲鳴が聞こえてくる。
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冒頭の「実際の出来事に基づく」、「オーストラリアでは毎年三万人が行方不明になっている」、「その内90%は一ヶ月以内に見つかるが残りは見つからず終い」という文言の通り、オーストラリアで実際に起きたいくつかの猟奇殺人事件をベースにした作品です。

Wikipediaによると下記の事件が参考にされているそうです。

•フリマントルのバーニー夫妻連続強姦殺人事件(1986〜87年 )
•ベラングロ州立公園内のバックパッカー連続殺人事件(1989〜92年)
•スノー・タウンの男女12人猟奇殺人事件(1995〜99年 )

サイコホラー作品の中でも生々しい直接的な表現や映像がかなり多い部類で、苦手な人は苦手だと思います。油断しているとメンタルが抉られます。

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最初の30〜40分は男女のたわいない色恋沙汰を見せつけられるだけなので大分退屈です。メインの3人にバックボーンがあれば良いんですけどその辺りがまったく描かれていないのでリズとベンがイイ感じになろうが、クリスティがリズの恋を応援しようがあまり感情移入はできませんでした。

おそらくですけど

“彼ら犠牲者は氷山の一角に過ぎない”
“今もどこかで同じような事件が起こっている”

という演出の意図なのではないでしょうか。
そのため犠牲者3人には敢えてあまり個性を持たせなかったんだと思います。彼らの色恋沙汰を省いてしまうと70分くらいのB級スリラー映画になってしまうので差別化を図る“フリ”として必要だったのかもしれません。

リズ役のカサンドラ•マグラス
とにかくべっぴんでした。

猟奇殺人鬼のミックは所々会話が噛み合わなかったり、変な所でスイッチが入るなど、本性を表す前から少しずつその狂気が滲み出ており非常に素晴らしかったです。

ミック役のジョン•ジャラット

ターミネーター2のT-1000のようにどこまでも追ってくる執念と躊躇なくとどめを刺す残忍さを兼ね備えており、遠くからライフルでヘッドショットをキメる冷静さもありすこぶる恐ろしかったです。

思わず目を背けたくなるような生々しいグロ描写や拷問シーンにも並々ならぬこだわりを感じ、余りにも救いのないラスト含め非常に見応えがありました。

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