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こんなかっこいい口裂け女見たことない!!新感覚アクションホラー「先生!口裂け女です!」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(581日目)

「先生!口裂け女です!」(2023)
中元雄監督

◆あらすじ
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高校生のタケシとF1は、盗んだ原付バイクを不良軍団に売ってお金を稼いでいた。ある日、彼らは転校生のアヤカも仲間に加え、寂れたアパートに停めてあるバイクを盗もうとする。そこへ持ち主らしきマスク姿の女が現れたため、3人は慌ててバイクで逃げ出すが、女は人間離れした身体能力で走って追いかけてくる。なんとその女の正体は、頬まで口が裂け、100メートルを6秒で走るという都市伝説の口裂け女だった。(映画.comより引用)
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昨日、一昨日と鑑賞した「いけにえマン」と「はらわたマン」があまりにも面白く、すっかり中元雄監督作品の虜になってしまいまして、本日も同監督作品を鑑賞させていただきました。

今作は『青春✕アクション✕都市伝説』

という、これまた興味深い組み合わせで最後の最後まで楽しませてくれますし、さらには『口裂け女=恐怖の対象』という概念を良い意味で完全にぶち壊しまったく新しいアプローチで口裂け女を描くことで新しい扉を開いた作品として後世に語り継がれるのではないでしょうか。

現在アマゾンプライムにて407円にてレンタルが可能で、その他にもU-NEXTやDMMTV、Lemino等のサブスクでもレンタル可能です。

映画.comより引用

『原チャリをパクった相手が口裂け女だった』

というバカ過ぎる設定が本当に面白く、少々強引な展開は多いものの、中元監督がどんなことを考えながら脚本を書いているのかをぜひともお伺いしたいです。

しかもその導入から「原チャリを取り返そうとする口裂け女を皆で撃退する」という安易なところに着地するのかと思いきや、「返したら全然許してくれたし、なんなら仲良くなっちゃう」という予想外の方面に舵を切る中元監督の手腕には脱帽せざるを得ません。

この後すぐに原チャリを返します。
(映画.comより引用)

主人公のタケシは口裂け女を先生と呼び、弟子入りするほどにその強さに惚れ込んでおり、F1やアヤカやタケシの姉•カオリも口裂け女と一緒に膝を突き合わせてお菓子を食べるほどに仲良くなります。

屋敷紘子さん演じる口裂け女
(映画.comより引用)

◇口裂け女の存在が不良たちにバレてしまい、画像はたちまち拡散され、悪い意味でバズってしまう。巷で起こっている女子高生行方不明事件の犯人だと疑いをかけられた口裂け女の冤罪を晴らすためにタケシたちは真犯人を見つけ出そうと奔走する

という後半の展開もすごく面白いですし、不良グループと担任教師のサイトウが明確な悪として描かれているのも分かりやすくて良かったです。

木戸大聖さん演じる主人公•タケシ(映画.comより引用)

今作の見所でもある口裂け女はとても個性があり、魅力的ですごく良かったです。

そもそも口裂け女が原チャリに乗っているというのがシュールで面白いですし、カオリから「そんなに足速いなら原チャリいらないじゃん」と突っ込まれた際には「疲れる」と答えたり、何十年も前から様々な格闘技を習っていたり、裂けた口は元カレのDVによって追った傷だったりと、今作オリジナルの設定をたくさん盛り込むことで、『口裂け女ってこんなに喋るし、親しみやすいんだ』と思わせてくれる新しい視点からのアプローチが非常に効果的に映ってました。

黒皮ジャンが似合うクールビューティーです。
(映画.comより引用)

さらには口裂け女によるアクションシーンは圧巻の一言で、特にクライマックスでの大勢の不良相手に大立ち回りを繰り広げるシーンは最高にもほどがあります。素手、鎌、バット、ナイフ、椅子を駆使する近接格闘はもちろんのこと、腸で拘束して絞め殺すというトリッキーな技まで披露してくれます。

下手なアクション映画よりもアクションしてますし、ブルース・リーやジャッキー・チェンが大好きな中元監督ならではのカンフー映画のオマージュも随所に感じられ、めちゃくちゃ見応えがあります。エンディングのNG集もジャッキー映画を彷彿とさせます。

身体能力がエグいです。(映画.comより引用)

口裂け女と比較すると、その他のキャラクターが少々薄味に感じられるかもしれませんが、メインの3人(タケシ、F1、アヤカ)やタケシの姉•カオリもしっかりキャラ立ちしてますし、タケシの父親役の大迫茂生さんはいるだけで面白いです。

「コワすぎ!」シリーズでは口裂け女を誰よりも率先して追い続けていた大迫さんが今作では「口裂け女なんかいないよ」と一蹴してしまうくだりも白石晃士監督作品ファンからするとニヤッとしてしまいます。

左からアヤカ、タケシ、F1(映画.comより引用)
タケシの姉•カオリ
元走り屋で喧嘩も最強です。(映画.comより引用)
大迫茂生さん演じるタケシの父親
喧嘩は弱いです。(映画.comより引用)

当初は原チャリを盗んだりと悪事を働いていたタケシも事件を乗り越えたことで成長し、最後は心を入れ替えて真面目にアルバイトをするという流れも青春映画っぽくて良かったです。

(映画.comより引用)

ですが、今作の黒幕•女子高生行方不明事件の真犯人だった担任教師のサイトウはその存在が少々中途半端というか、地味で冴えないサイトウが自宅に女子生徒を何度も連れ込めるとは思えませんし、どういう人なのかが最後まで分かりませんでした。でも口裂け女によるラストの制裁は素晴らしかったです。

普段から女子生徒にモテモテみたいな描写があればもう少しすんなり入ってくるのかもしれません。(映画.comより引用)

毎日ホラー映画を見ていると先の展開が読めてしまう事が多く、それ故に『斬新な発想』や『そうはならんだろ!みたいな展開』を欲してしまいます。なもんで、中元監督作品のようなオリジナリティや遊び心がふんだんに込められた作品に出会えた時は本当に嬉しいです。また近々同監督の作品を視聴したいと思います!

こんな青春送りたかったですね。(映画.comより引用)

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