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サメ映画の醍醐味が詰まってる!ワンシチュエーションサバイバルムービー「ロスト•バケーション」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(570日目)

「ロスト•バケーション」(2016)
ジャウム・コレット=セラ監督

◆あらすじ
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医学生のナンシーは休暇を利用し、ついにそのビーチを訪れる。地形、波、風。すべてが完璧だった。母に先立たれた父と幼い妹の世話、医師となるための勉強漬けの日々から解放されるナンシー。そんな彼女の最高の休暇が一転、恐怖に支配される。一匹の巨大な人喰いサメが彼女に襲いかかった―。足を負傷し、大量に出血しながらも、無我夢中で近くの岩場に泳ぎ着いたナンシーは、自分が絶望的状況に追い込まれたことを知る。極限の恐怖にさらされながらも、ナンシーは冷静に生き残るためのプランを練り始める。医学の知識を生かし、着用していたラッシュガードを使い止血。サメの動きのパターンを解読。生存へのリミットが刻一刻と迫る中、彼女が選んだ究極の決断とは―?(Filmarksより引用)
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いわゆるサメ映画は霊やオバケの類が出ることは基本的にはありませんが、ホラー映画に分類されることが多いです。

大枠で考えればモンスター系のパニック映画ですし、作品にもよりますが結構な人数の命が失われることが多いのでそう考えるとホラー映画の系統なのかもしれません。

個人的にはサメ映画もホラー映画と同じくらい好きなんですけども、サメ映画の何が良いかって『何が起きるか、何が恐怖の対象なのか』が明確なところだと思います。

『いつ何が起こるか分からない』『恐怖の正体』という部分が非常に重要なホラー映画とは違い、ある程度予測がつくからこそ、その分作り手側の腕が問われるのがサメ映画だと思います。

がっぷり四つで王道を行くのか

それともおバカに振り切るのか

どちらのテイストも名作があれば、その分迷作や珍作もあるので、当たりハズレがホラー映画よりも多い気がします。

サメ映画を調理で例えるならば味付けが“塩のみ”みたいな感じだと思ってます。(映画.comより引用)

そして今作はまさに王道中の王道を行くような作品で、『これぞサメ映画!』と思わず唸るようなサメ映画の醍醐味が詰まっており非常に面白かったです。

監督を務めたのは、「エスター」(’09)や先日視聴した「蝋人形の館」(’05)でもお馴染みのジャウム・コレット=セラ氏です。

この方の手掛けた作品はホラー以外も中々に面白そうです。

現在Netflix、U-NEXT、TELASAで配信中の他、アマゾンプライムでも407円でレンタルが可能です。

映画.comより引用

◇サーフィン中、サメに襲われた医学生のナンシー。彼女は小さな岩礁に避難し、たった一人でサメと対峙する。

という非常にシンプルかつ、ほぼほぼワンシチュエーションの作りとなっています。

冒頭のナンシーがサーフィンをするシーンから並々ならぬこだわりを感じました。サメから逃げたり襲われたりする部分が見せ場の作品において、そこまで本編において重要じゃないこういうシーンは手を抜きがちなんですけども、このサーフィンのシーンも異常なまでにクオリティが高いです。

主人公•ナンシー(sonypictures.jpより引用)

主人公ナンシー役のブレイク・ライブリーがサーフィン経験者と同じかそれ以上に波を乗りこなしてるのはもちろんのこと、その映像も水中から撮ったり、上空から撮ったり、スローモーションにしたりとどれだけ時間とお金を掛けているんだろうと思ってしまう圧巻の出来で、開始10分ほどでこの作品が絶対に面白いことを確信しました。

設定や状況も上手く活かしており

ナンシーは医学生のため、太腿の大きな裂傷をイヤリングとペンダントを用いて傷が開かないように固定したり、着用していたラッシュガードや身につけていたヘアゴム等で圧迫止血を試みたり、あえてその圧迫止血を一時的に緩めて血流を促して壊死を防ごうとしたりと完璧な応急処置を施します。

さらにはサメの行動パターンやスピードを時計で確認し、近くに流れ着いた防水カメラを手に入れたり、数十メートル先のブイまで移動する等、冷静さと頭の回転の速さで次々とピンチを切り抜けていきます。

これがサメの予想外の行動だったり、怪我のせいで毎回ギリギリのところで最悪の事態を回避するのがまた面白くて、我々視聴者も常にハラハラドキドキです。

映画.comより引用

ナンシーが避難した場所が『ビーチからそこまで離れていない小さな岩礁』というのがまた憎らしいです。

「ちょっと頑張ったらビーチまで泳いで行けそうじゃん」と思ってしまう絶妙な距離ですが、物取りのおっさんや助けに来たサーファーたちがもれなくサメに食われてしまうため、『泳いでビーチまで辿り着く』という選択肢は自然と潰されてしまいます。

こうやって選択肢を一つ一つ潰して、上手いことワンシチュエーションの状況に持ち込んでいるのが見事ですし、時間の経過とともにナンシーが失血や低体温症もあり顔色が悪くなっていったり、痣や傷が増えていくのも非常にリアルでした。

撮影はとても過酷で自然とリアルな痣が増えていったそうです。(映画.comより引用)

いつも私が変なサメ映画ばかり見ているせいか、突然変異種でもなく、雪の中を泳ぐこともなく、正常位でおばちゃんとセックスすることもない、ただただクオリティが高い普通の凶暴なサメしか登場しないことに物足りなさをほんの少し感じましたが、これは私が悪いです笑

サメ映画は千差万別です。(sonypictures.jpより引用)

あとスルーされがちかもですが、LINEやテレビ通話の演出がすごく良くて、やり取りしているスマホの画面や、通話中の自分の顔と相手の顔がワイプのように映し出されるのがとても見やすく、違和感も無くて個人的にかなり良い演出だなと思いました。

クライマックスにかけての盛り上がりも非常に見応えがあります。(sonypictures.jpより引用)

本当に文句の付けようがない完璧な作品で、誰にオススメしても恥ずかしくない良作だと思います。お時間ありましたらぜひ見ていただきたいです。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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