ジョージ•A•ロメロ✖スティーヴン・キングの黄金タッグ「クリープショー」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(481日目)
「クリープショー」(1982)
ジョージ•A•ロメロ監督
20世紀中盤に人気を博した『ホラーや犯罪を題材としたアメリカンコミックス』の再現を作品全体のテーマにしており、監督は「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」や「ゾンビ」などでおなじみのジョージ•A•ロメロ御大が務め、脚本は「シャイニング」や「グリーンマイル」など数々の名作を生み出した小説家のスティーヴン・キング氏が務めています。
この黄金タッグに加え、特殊メイクを担当したのはトム・サヴィーニという最強の布陣でお送りする作品です。
◇漫画ばかり読んでいる息子のビリーにご立腹の父親はついに手を上げてしまい、漫画を捨ててしまう。ゴミ箱に投げ捨てられた漫画は風でペラペラとページがめくれていく…
という洒落たプロローグから始まり、その漫画に収録されている話を全五話のオムニバスでお送りしています。
また、プロローグとエピローグに登場する父親に漫画を捨てられる少年•ビリー役はスティーヴン・キングの息子であるジョー・ヒル↓
第二話の主人公ジョディはスティーヴン・キング↓
エピローグに登場するゴミ収集の男はトム・サヴィーニがそれぞれ演じています。↓
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第一話「父の日」
◇父の日に久々に会する親戚一同。彼らは皆、生前横暴で厄介者の家長だった父親を殺害した叔母の到着を待っていた。叔母は親戚たちの元へ向かう前に父親の墓に訪れるのだが…
登場人物の関係性が分かりづらく、1つ目の話としては少々地味かなとも思いましたが後半にかけての盛り上がりが凄かったです。特に生首ケーキのくだりは非常にインパクトがあってとても良かったです。でも全体通して内容はあまり入ってきませんでした。
第二話「ジュディ•ヴェレルの孤独な死」
◇貧しい農夫ジョディ•ヴェレルの自宅付近に隕石が落下した。それを学者たちに売って借金を返そうと考えたジョディはまだ熱いそれに触れてしまい、指先を火傷してしまう。そして時間が経つにつれて指先は異常を示し始める。
主人公をスティーヴン・キングが演じているというだけでもうすでに満点ですが、いかにも頭の悪そうな農夫を完璧に演じており、ただただ脱帽です。隕石に触ったせいで体中に、そして部屋中に苔がびっしり生えるというぶっ飛び設定をしれっとやっているのがめちゃくちゃ面白かったです。オチもタイトルに相応しく、バチッと決まっていてとても良かったです。個人的には一番好きでした。
第三話「迫りくる潮流」
◇ハリーは恋人であるベッキーの元夫リチャードから脅され、砂浜に埋められてしまう。別の場所にベッキーも埋められており、二人は満潮で溺れ死亡する。その晩、リチャードが自宅でシャワーを浴びていると恐ろしい何かが彼に襲いかかる。
関係性をがっつり説明することなくサラッと始まるのがとても良かったです。後半はわりと想像通りではありましたが亡霊となった二人の特殊メイクは完成度が高く、見応えがありました。
第四話「木箱」
◇大学の守衛が清掃中に怪しい木箱を発見。デクスター教授と共に確認すると、その中には恐ろしい怪物が潜んでいた。
これもすごく面白かったです。怪物のクオリティは少々チープですが無駄なシーンが一切なく、教授とその奥様たちが一同に会するパーティーのシーンや鬼嫁に尻に敷かれっぱなしのヘンリー教授の選択する行動のひとつひとつがとても滑稽で良かったです。
第五話「這い寄るやつら」
◇社員を虫ケラ扱いする傲慢な社長アプソン•プラットは極度の潔癖症で、ゴキブリを駆除するのが日課だった。しかしゴキブリの数は日に日に増えていくようになる。
ぶっちぎりで印象に残る話だと思います。本物のゴキブリが何万匹と登場しますし、アプソン社長の遺体の口や体内から湧き出たりもするので絵面はずっとエグいです。ラストシーンは虫ケラ扱いしていた人達からの恨みが具現化したかのような復讐描写で素晴らしかったです。
エピローグではゴミ収集の男がその漫画を開き、プレゼントコーナーのページで手を止めます。呪いのブードゥー人形の応募券だけが切り取られていたものの、ゴミ収集の男達は気にも止めず作業に戻ります。一方、ビリーの家では朝食中に父親が急に苦しみだし、ビリーは自室でブードゥー人形に恨みを込めながら針を刺していく。
というなんとも後味の悪い、スティーヴン・キングらしい終わり方でとても面白かったです。
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渋谷裕輝 公式HP↓