カルト鮫教団の恐ろしい陰謀!暗黒邪神鮫の復活を阻止せよ!「シャーコーン!呪いのモロコシ鮫」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(625日目)
「シャーコーン!呪いのモロコシ鮫」(2021)
ティム•リッター監督
◆あらすじ
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とある田舎町のトウモロコシ畑で殺人事件が発生し、殺害現場の畑ではホホジロザメの目撃情報が相次いでいた。時を同じくして、サメの顎を凶器に使う連続殺人鬼が逮捕される。これら全ての事件の背後にはサメを神と崇める邪教集団の陰謀が渦巻いていた…。(Filmarksより引用)
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私の大好きなB級サメ映画でございます。
昨日見た「チルドレン•オブ・ザ・コーン」(’84)がとても面白かったので、トウモロコシつながりのタイトルに惹かれて、あらすじ等も読まずに視聴させてもらいました。
今回のサメは「シャーコーン」というタイトルからも分かるように“トウモロコシ畑に現れるサメ”ということで中々に期待が上がっておりました。
しかしいざ蓋を開けてみると、トウモロコシ畑のサメ以外に“サメの顎で人々を襲う連続殺人鬼”やら“カルト鮫教団”やら色々と詰め込み過ぎて話がややこしいうえに、尺が106分とB級サメ映画にしては長いです。
個人的にはB級サメ映画は90分以内に収めて欲しいです。
映像も音楽もキャストも脚本も全てにおいてチープさ全開で、そこに関してはものすごく愛おしくて好きだったんですけども、話のややこしさと尺の長さが少々足を引っ張っている印象の作品でした。
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◇アメリカのとある田舎町の広大なトウモロコシ畑で殺人事件が発生。目撃者は皆一様に巨大なホホジロザメがいたと証言する。さらには鮫の顎を用いて人々を襲う覆面サメ男•ルーカスは逮捕後に自身がホホジロザメの女神•チチマトゥル様を信仰するカルト鮫教団の人間であること、そして殺した人々は暗黒邪神鮫復活のための生贄にしていたと告白する。彼の行動に感化された警察署長は邪神復活のためにあろうことかルーカスと結託し、また地元記者のジョナサンとCIAのベンチュリーは復活を阻止するために奔走する。
という風に、ざっと細かめのあらすじを書いだけでもややこしさ全開です。さらにはここに本筋とは全然関係ないマフィアやらビッグフットを登場させたり、ホホジロザメの女神•チチマトゥル様の御子やストーンヘンジと交信する宇宙人の話が入ってきて余計わけが分からなくなります。
いっそのことストーリーを追うのを止めて、そのカオス具合を楽しむのがこの作品の正しい見方なのかもしれません。ちなみに「TENET テネット」(’20)も2回見たのにほとんど内容が分かりませんでしたが、今作はそれとはまた違うベクトルの分からなさというか、ただ脚本と構成が雑なだけだと思います笑
ざっくり話をまとめると
『トウモロコシ畑に出現するサメに人々は手を焼いていた。そしてその一方、ルーカスはトウモロコシ畑に生贄を捧げ、暗黒邪神鮫復活を目論んでいた』
というところだけ押さえておけば大丈夫だと思います。
CIAエージェントのベンチュリーとマフィア(なぜかスーツを着た幼女もいる)のやりとりやルーカスの能書きや講釈を省けばもっと見やすくなりますが、こういう無駄なシーンが個人的には面白かったりするので、映画の構成って難しいですね。
サメのクオリティは言わずもがなで、冒頭の低クオリティなCG合成以外は基本的には大きめの模型です。隠す気もないバラバラのマネキンを死体に見立て、血糊をぶっかけているだけなので迫力もクソもありませんが、潔さだけは評価できると思います。
シンプルに『トウモロコシ畑に現れるサメとカルト鮫教団』だけに話を絞ればもう少しまとまるんでしょうけど、やったところで面白さには大差ないでしょうし、好きなだけややこしくして雑過ぎるパワープレイなオチで終わらせるのが正解なのかもしれません。
クライマックスで何の脈絡もなく突然現れたビッグフットが暗黒邪神鮫を秒殺する様子は是非とも御自身の目で見届けてください。
あと“コーン繋がり”の余談なんですけど
皆様は「コーンヘッズ」(’93)という作品をご存知でしょうか?
アメリカNBCで1975年に始まったバラエティ番組「サタデー・ナイト•ライブ」の人気キャラクター•コーンヘッズを主人公にしたSFコメディ映画で、「頭がトウモロコシのような形をしたレミュラク星人の夫婦が地球に不時着し、救助が来るまで人間のフリをして町に潜伏する」という内容で、私は数年前にアマゾンプライムの配信で鑑賞して中々に面白かった印象です。
実は個人的にこの作品にはかなり思い入れがあり、小学校低学年の時に近所のレンタルビデオ屋さんにこの作品が置いてありまして、小さい頃の私はこの作品のジャケ写がなぜかすごく怖くて、このVHSが置いてある棚の前を通るのも嫌なくらいでした。シンプルに不安を煽ってくるというか、あんな頭のヤツが実在したら不気味なので嫌だったんだと思います。
なもんで私の中では因縁のある作品だったので、20数年越しにアマゾンプライムの配信で見つけた時にはあの頃の記憶が色々と蘇り、“エモい”とはこういう時に使う言葉なんだなと実感しました。
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