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トウモロコシ神爆誕!!スティーブン•キングも激おこなカルトムービー第1弾「チルドレン•オブ・ザ・コーン」現在上映中【ホラー映画を毎日観るナレーター】(624日目)

「チルドレン•オブ・ザ・コーン」(1984)
フリッツ•カーシュ監督

◆あらすじ
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青年医師・バートは、恋人と共に新たな赴任地に向かっていた。その道中、大人の姿を全く見ない奇妙な町に入り込む。わずかな子供たちがいるだけの町を不審に思うバート。やがて子供たちは彼の恋人を捕らえ、トウモロコシ畑の真ん中で儀式を始める…。(Filmarksより引用)
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公式サイト↓

『トウモロコシの神が舞い降りて教祖となった少年が子供たちを率いて大人狩りを始める』

というぶっ飛んだ設定ながら、「カルト集団と化した子供たちが住む田舎町に、そうとは知らずに迷い込んだ青年医師とその恋人が彼らと攻防を繰り広げる」という見応えたっぷりのチャイルドホラーとなっています。

原作はホラー小説の帝王スティーヴン・キング氏の短編小説「トウモロコシ畑の子供たち」で、同氏の短編作品を長編映画化したのは今作が初めてとなります。当初は同作も収録されている短編集「深夜勤務」のTVシリーズの一作として製作する予定でしたが、頓挫してしまい、映画化の権利があちこちに転売されていき、最終的にニューワールド•ピクチャーズがその権利を保有しました。

思わず息が詰まりそうなトウモロコシ畑の閉塞感が素晴らしかったです。(映画.comより引用)

原作が短編であるがゆえに映画は元々の原作とかけ離れたものとなってしまったようです。当初はキング氏自らが脚本を書いたものの、リライトされ過ぎたことで原作のみのクレジットに留まりました。それもあってかキング氏は相当お冠で、今作については否定的なスタンスだそうです。にも関わらず、その後シリーズ化&リブート版とやりたい放題で現在までに11作が製作されています。

ヴィッキー役のリンダ・ハミルトン
「ターミネーター」シリーズのサラ・コナー役でもおなじみです。(映画.comより引用)

当時日本では劇場公開が見送られ、VHSのレンタルや販売のみにとどまりました。しかし、製作から40周年となる今年に入り、未だに公開されていないことが発覚。満を持してと言わんばかりに4K版で日本初公開が決まったとのことです。

さらに8月30日からは続編となる「チルドレン•オブ・ザ・コーン2/最後のいけにえ」が、9月6日より「チルドレン•オブ・ザ・コーン3/都会の収穫」が順次公開予定です。

現在関東圏では東京のシネマート新宿、関西方面では大阪のシネマート心斎橋、京都のアップリンク京都にて上映中で、先述した続編も同映画館にて公開されます。

さらには今後、栃木の小山シネマロブレと宇都宮ヒカリ座、兵庫のCinemaKOBEでも公開が決まっております。

映画.comより引用

◇トウモロコシ畑が広がるネブラスカ州の田舎町•ガトリン。ある日、トウモロコシの神が舞い降りた少年アイザックは子供たちを率いて大人狩りを始め、町の大人たちを皆殺しにしてしまう。今や子供たちとトウモロコシ畑だけになったガトリンに、そうとは知らずに青年医師バートとその恋人のヴィッキーが迷い込み、子供たちと命懸けの攻防を繰り広げる。

という内容なんですけども、『トウモロコシの神が舞い降りた』という設定があまりにも唐突だし、意味分からな過ぎて個人的には相当ハマりました。

こんな儀式に巻き込まれたくないですね。
(映画.comより引用)

本作のホラー•アイコンでもあるアイザックくんは物語冒頭からもう既にトウモロコシの神が降りてる状態なので、彼が元々どういう少年だったかは一切不明です。教祖である彼は子供たちを率いて大人狩りをしていくわけなんですけども、これに関してもなぜそんなことをするのかという明確な答えがありませんし、最終的にどうしたいのかもよくわかりません。大人狩りに関してはおそらく自分が教祖となる中で大人たちが邪魔だったからだと思います。

坊ちゃん刈りに黒スーツの出で立ちのアイザックくん
(映画.comより引用)

そして、そんなアイザックくんの指示に盲目的に従う子供たちが揃いも揃ってまぁ恐ろしいです。10代後半の子たちから、まだ善悪の分別すらもつかないであろう幼い子らまでが鎌やナタを手に、何一つ迷いも躊躇いもなく襲いかかって来ます。この無邪気ゆえの暴力性が本当に怖いですし、これこそがカルト映画なんだと思います。

ただ佇んでいるだけでも不気味さを醸し出します。
(映画.comより引用)
内輪揉めや謀反が起こるのも相当面白かったです。
(映画.comより引用)

なぜ子供たちはこんなにもアイザックを崇拝し、狂信的なカルト集団と化したのでしょうか。

ここからは完全に私の考えなんですけども、超常的な何か(トウモロコシの神)は本当に実在し、アイザック少年の自我を残しつつも上手いこと操って、町を思い通りにしようとしていたのかもしれません。結局のところ『なぜそんなことをするのか』という明確な理由が分からないのでなんとも言えませんが、物語後半で謀反を起こされて生贄としてアイザックくんが処刑されたあと、超常的な何かが暴走して町を飲み込んでいきます。

CGなどの特殊効果をふんだんに用いたこのクライマックスのシーンは今見ると少々チープかもしれませんが、かなり迫力がありますし相当レベルが高いと思います。

作戦会議はいつもトウモロコシ畑です。
(映画.comより引用)

ちなみにあくまで噂ですが、キング氏は自身の脚本をリライトされ過ぎたことに腹を立て、原作のみのクレジットにして、さらには高額のギャラを要求したそうです。それによって予算が逼迫し、製作陣は少ない中でやりくりをしたそうです。

町で唯一まともな兄妹の妹の“描いた絵が現実になる”みたいな展開も未回収のまま終わってしまったのが気になりました。(映画.comより引用)

そして、このトウモロコシ神の暴走を止めるためにバートやヴィッキーも奮闘しますし、なんだったらこの作品はバートたちを軸に展開していきます。ですが先述した通り、アイザックくんと子供たちのインパクトが強すぎて、バートたちはあくまで狂言回しのようなポジションに感じました。

個人的には冒頭のダイナーでの殺戮シーンのインパクトが強すぎて若干出オチ感がありましたし、「一連の出来事は神による仕業なのか、それとも彼のカリスマ性によるものなのか」の境界線を曖昧に見せるアイザック役のジョン・フランクリン氏ありきの作品のようにも思いましたが、要所要所で同等の強烈なシーンが入るので最後まで楽しく見ることができました。

謀反を起こすマラカイの後先考えてない感じが個人的に面白かったです。(映画.comより引用)

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渋谷裕輝 公式HP↓


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