「グエムル-漢江の怪物-」を10倍希釈した感じ「グアイウ 地下鉄の怪物」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(441日目)
「グアイウ 地下鉄の怪物」(2023)
J•D•チュア監督
◆あらすじ
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多数の乗客を乗せた地下鉄が突如として制御不能に陥り、暴走を始めた。使用されておらず廃墟となっているトンネルの中でどうにか停車したものの、そこには恐ろしい巨大生物が潜んでいた。車内に侵入してきた怪物に幼い息子ルーカスを連れ去られてしまった女性イー・リンは、息子を救い地下空間から脱出するべく奔走する。(公式より引用)
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中々に珍しいシンガポール発のモンスターパニック系の作品です。
日本でも大ヒットした「グエムル-漢江の怪物-」を完全に意識したタイトルになっていますが、原題はシンプルな「Circle Line」です。
現在、アマゾンプライムの100円レンタル対象となっております。
“突如現れる怪物”、“親子の絆”
という要素だけで「グエムル-漢江の怪物-」が頭にチラつきます。しかもあのタイトルなのでどうしても比べて見てしまいます。
「グエムル」は怪物のクオリティや脅威も然ることながら、娘を救うために奮闘する父親や兄弟の姿に非常に胸を打たれました。
もちろんそれと比較するわけでは決してないのですが今作はどうしても内容が薄く、説明不足が否めなかったです。
•冒頭の病気の少年の存在
•その少年に飼われていた時は普通サイズだったトカゲがなぜ巨大化したのか
•ルーカスを攫ったのは年齢が近かった飼い主と重ね合わせたからなのか
等など主に怪物の重要な情報に関してはほとんど描かれていません。
遺伝子操作にしろ、突然変異にしろ巨大化や人を襲う理由は知りたいですし、地下鉄に住み着くようになるまでの経緯が一切ないのは寂しかったです。
あと作中通してカットが異常なまでに多く、「そんな切り替わる?」と気になってしまいました。
あと、今作はOPとEDを除くと正味70分少々と短めの作品なんですがやたら長く感じてしまいました。
“地下鉄に怪物が現れる”という設定はめちゃくちゃ面白いんですけど、電車が止まってからその怪物が現れるまでがもっちゃりしていて集中力が切れてしまいました。
そして、それだけ引っ張った割には中盤であっさりと怪物の全体像を見せてしまうし、その見た目も大きいトカゲという感じであまりインパクトがありませんでした。
母と子の絆がこの作品のテーマのひとつだと思うんですが、それとはまた別に“電車で乗り合わせたバスケ少女とその父親の関係修復”や“そこまで重要じゃない駅員さんたちのやり取り”などに時間を割いており、それが無理やり尺を引き伸ばしているようにも見えました。
結局何を見せたい作品なのかがよく分からなかったです。
シンプルに“この怪物はどのようにして生まれたのか”や“怪物に攫われた子供を助けに行く母親”に焦点を当てたり、掘り下げたりしたものを見たかったです。
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渋谷裕輝 公式HP↓