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構成が神懸ってる!家族の絆と闇に葬り去られた真実「ウィジャビギニング~呪い襲い殺す~」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(554日目)

「ウィジャビギニング~呪い襲い殺す~」(2016)
マイク・フラナガン監督

◆あらすじ
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娘2人にトリックを手伝わせ、客をだまして霊媒師の仕事をしているアリスは、ウィジャボードをトリックに使用しはじめたことですべてが変わり始める。末娘に異変が起き、何者かによる殺人が発生し、さらにはアリスの家にまつわるおぞましい真実が明らかになっていく。(映画.comより引用)
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先日視聴した「呪い襲い殺す」(2014)の前日譚にあたる作品です。というかこの邦題やっぱりヤバいですよね。

前作に登場した“悪霊に取り憑かれた少女•ドリス”

彼女はどのようにして悪霊に取り憑かれたのか?
そして姉•ポーリーナや母•アリスとの関係性や隠された真実が明らかになります。

前作を視聴していたほうが理解度は深まると思いますが、時系列的にはこちらが先なので、今作を先に見て面白かったら前作を見るというのも全然ありだと思います。

『この満足感とボリュームで本当に90分?』となるくらいに見応えたっぷりの濃厚なストーリーです。私は視聴中に「まだ半分以上あるの?」ともちろん良い意味でですが驚いてしまいました。

やっぱり白目は怖いです。
(natalie.muより引用)

かといって、“詰め込みすぎ”や“情報過多”と思うところなどは一切なく、シンプルに構成が神懸っています。

それもそのはず!

前作は批評家から酷評の嵐を受けており、そのせいか監督はスタイルズ•ホワイト氏から、3年後に「ドクター•スリープ」(2019)で大ヒットを記録することになるマイク・フラナガン氏へとバトンタッチしております。

日本では未公開ながらも、製作費900万ドルに対して興行収入は8000万ドル超えと前作程ではないにしろ、かなりの大ヒットを飛ばしています。

今作は批評家からも高い評価を受けており

「『ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜』には驚くほどの怖さがあり、予想外にもシリーズの出来を向上させた。同作は魅力に欠ける前作とは異なり、観客を満足させ得る続編となっている。」(ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜Wikipediaより抜粋)

とまで言われています。前作は本当にディスられっぱなしですね。私は前作も大好きなので複雑です…

ちなみに今作の公開翌年に『Ouija 3: The Charlie Charlie Challenge』というホラー映画のDVDが発売されましたが今シリーズとは一切関係がないそうです。

現在Netflix、U-NEXTで配信中の他、アマゾンプライムやLeminoでレンタルが可能です。

小田和正さんの「ラブ・ストーリーは突然に」のシングルCDのジャケットを思い出します。あの長方形のCDケース懐かしいですよね。(amazonより引用)

◇霊媒師として生計を立てるアリス。しかし、その実はトリックや娘二人に手伝わせた完全なるヤラセだった。ある日、アリスはウィジャボードによる降霊術を始めようと計画し、さっそく試してみる。

という感じで始まりますが、冒頭のヤラセ交霊術のシーンからさっそく心を掴まれます。客が帰った後、机がパカッと開きロウソクを消す用の風を送るチューブが出てきたり、後ろの棚からドリスがひょっこり顔を出したり、黒い布を被ったポーリーナが「もうこんなのやりたくないよ」と言わんばかりの表情で登場したりと、この時点でアリス、ドリス、ポーリーナのキャラクターや関係性がある程度分かります。

※ちなみにウィジャボードとは日本で言うところのコックリさんみたいなものです。

アリス
(amazonより引用)
ドリス(右)とポーリーナ(左)
(U-NEXTより引用)

その後はほんの少しテンポを落として、ドリスが学校で魔女と呼ばれイジメられていること、ポーリーナがちょいワルな同級生らとつるんでお酒を飲んでいたり、過干渉気味なアリスがそんなポーリーナを無理やり連れて帰ったりと少し深掘りしてそれぞれのキャラクターの説明、借金に悩む現状、そして優しいトム•ホーガン神父やポーリーナの思い人•マイキーら脇を固めるキャラを見せることも忘れません。

家を訪ねてきたマイキーの手相を見ながら「娘に指一本でもふれたら生命線がなくなるわよ」と手のひらに爪を立てて釘を刺すアリスとビビり倒すマイキーのシーンが個人的にめっちゃ好きです。

マイキーは良い奴でしたが最後の最後まで可哀そうなキャラでした。(natalie.muより引用)

交霊術がマンネリ化していることをポーリーナに指摘されたアリスがウィジャボードを手に入れてからが本題なので、この作品の構成やテンポがいかに上手いかが分かる導入部となっています。

その後、ウィジャボードで死んだ夫•ロジャーと会話をしたことでこのボードに依存し始めるアリスと、何かに取り憑かれたかのように言動がおかしくなるアリス、一抹の不安を感じるポーリーナと三者三様の構図が完成します。

この中盤もいきなり怖がらせるのではなく、じわりじわりと違和感程度から始まり、『悪霊がドリスに入り込むシーン』という最高の見せ場へと持っていきます。成人男性サイズの真っ黒な悪霊がドリスの口からズボズボと入っていく様や、大きく仰け反りながら白目になるドリスの画が本当に凄まじいです。

Netflixより引用

アリスはウィジャボードを用い、更にはドリスを霊魂の器にすることで降霊術を行うようになり、日に日に様子がおかしくなるドリスを心配したポーリーナはトム神父に助けを求めます。

そして、ドリスが無意識に高速筆記して書き上げたポーランド語の文章を解読すると、この家に隠されたおぞましい真実が明らかとなります。

この後半からの怒涛の展開もスピーディーながら怖いところをしっかり見せつつ、ラストのこれ以外の正解はないだろうという完璧過ぎるオチに繋がっていきます。

壁だって登っちゃいます。
(natalie.muより引用)

改めていいますが構成が神懸っています。本当に凄すぎます。

「私たちは一つ。私は一人じゃない。」
というポーリーナの最後のセリフには鳥肌が立ちました。悪霊に取り憑かれたドリスに囁かれた時点でポーリーナも器になってしまったのでしょう。

そしてエンディング後には「そしてここに繋がるのか!」という前作に激ハマリした私には堪らないシーンがあり、最後の最後まで楽しませていただきました。めちゃくちゃ面白いです!オススメです!

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


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