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ソアヌツシツィアオクとは一体!?クラファン募って何やってんだ!!究極低予算サメ映画爆誕「サメデター」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(576日目)

「サメデター」(2021)
ダスティン•ファーガソン監督

◆あらすじ
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カリフォルニア州のビーチで連続して人がサメに襲われる事件が発生。サメの研究者であるウェストウィン博士が調査に乗り出す。しかしそのビーチでは巨大リゾート施設「レガッタ」のオープンを祝した盛大なパーティが予定されていた。絶大な権力を持つオーナー・ロバートは周囲の警告を聞き入れずパーティーを強行しようとするが、サメのDNAにとある異常が見つかり…。(landshark.crayonsite.comより引用)
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『今度のサメは海に出る!』

という、おバカ過ぎるキャッチコピーが個人的に刺さりまして鑑賞しましたが、だいぶアレでした…

私は基本的にどんな酷い作品であろうが「つまらない!」や「クソ映画」のような作り手に敬意を払わないような言葉を使うのが嫌いですし、極力そういった安易な言葉で括りたくありません。
なので、なんとか一つでも良いところを絞り出してその部分をフィーチャーするように心掛けているつもりです。

ですが!

今作に関してはどう頑張って探しても良いところが無さ過ぎて困りました…

というのも

『海の様子や色とりどりの魚が泳ぐ映像』『家や船のアップ、行き交う人々や町並みの様子』

という、どこかから借りてきたであろう映像素材をこれでもかと切り貼りし、しんじられないくらいに尺を伸ばしています。これが何の素材かまでは分かりませんが、少なくともこの映画のためにわざわざ撮ったものはごく一部、もしくは無いのかもしれません。

海の映像はカットが変わるごとに微妙に色が異なるため、明らかに海系の素材をただかき集めたことが明白ですし、町の様子の映像は何の変哲もない一軒家のアップや行き交う人々の足元を映しただけの素材の寄せ集めで、本編には何ら関係がありません。

この手の映像が異常なまでに多く、私は退屈を通り越して虚無感に包まれてしまいました。

見所であるサメもどこかからお借りしてきた『サメの資料映像』をただ映しているだけなので、クオリティ云々以前のところで躓いてます。ラストのワンカット(詳しくは後述します)を除き、同じ画面に人とサメが同時に映ることもありません。

こういう映像ばかりです。
(landshark.crayonsite.comより引用)

なので基本的にサメが人を襲うシーンは

『誰かが悲鳴をあげる』→『サメの資料映像』→『倒れている人』

のような感じで構成されており、臨場感や迫力は当然皆無です。

さらには登場人物たちも一切印象に残りません。色々とわちゃわちゃ喋りますがあまりにも脚本がスカスカなのでよっぽど集中して鑑賞しない限り、誰一人として『何がしたいのか、何をしてるのか』という当たり前の情報さえ頭に入ってきません。

悪徳オーナーのロバート
なぜかは分かりませんが終盤に服毒自殺します。
(landshark.crayonsite.comより引用)
女性陣もゴリゴリの整形&豊胸をしたセクシーな方ばかりですが、美しさよりも人工的な何かを感じます。
(landshark.crayonsite.comより引用)

映像素材の切り貼りや無駄な会話を省いたらせいぜい15〜20分くらいに収まる作品だと思います。

監督を務めたダスティン•ファーガソン氏は「Aliens in LA」(’19)や「シン•感染恐竜」(’21)など低予算&低評価のおバカ映画を生み出しており、カルト映画の超新星と呼ばれているとかいないとか。

現在アマゾンプライム、U-NEXT、DMMTV、WOWOWで配信中です。

原題は「Jaws of Los Angeles」です。
ちなみに翻訳はサメ映画ルーキーさんが担当されています。(Filmarksより引用)
「今度のサメは海に出る!」という、この世に存在するキャッチコピーの中で一番偏差値低そうな感じは大好きです。(amazonより引用)

今作はいわゆるクラウドファンディングで出資を募って製作されたようで、日本からも出資が行われたそうです。予定よりも出資が少なく、予算が無かったからこそあのような仕上がりになったのかもしれません。

サメはただの資料映像なのでクオリティ云々は何も言えませんが、人々を襲うサメのDNAには“悪党遺伝子”という『他の細胞を変異させる遺伝子』が含まれており、これにより知能が高くなったり、大きくなったりしたのだと考えられます。一応このDNAに関しては、海洋汚染によって怒ったサメの突然変異かもしれないという風に説明されています。

本当にただのサメの映像です。
(landshark.crayonsite.comより引用)

ラストシーンでは毒入りマグロで見事サメを打ち倒した主人公が自宅で目を覚まして外に出ると、優に数千メートルはあるであろう巨大なサメから人々が逃げ惑っていた…

というもので、おそらくは悪党遺伝子の増殖により超絶巨大化したのだと考えられます。このラストシーンはチープなものの、おバカなサメ映画としては良い終わり方だったと思います。

そして!

ジャケ写にもデカデカと書かれている謎の文言

『ソアヌツシツィアオク』

Filmarksより引用

これについてですが、これはそもそもアメリカ版のポスター(製作中の段階のもの) に添えられていた文言のようです。

そして日本で今作をリリースする際には、この謎の文言が「字面のインパクトの強さ」や「予想外の語感の良さ」、さらには「作品の世界観にも合っている」というところから意味も分からないまま採用したそうです。

後にダスティン•ファーガソン監督はこの謎の文言について、「JAWS IS BACK」を無理矢理カタカナに当てはめたものだという風に証言しており、『ソアヌツ/シツ/ィアオク』(JAWS/IS/BACK)と区切るのが正解だそうです。

そしてもう一つ

Filmarksより引用

この黄色太字のサメデターの下にある

「ムアモメ アヤ、モワムナロヤ、S」

というこれまた謎の文言。ですが、これについてはよく見ると分かりますが「APEX PREDATOR」という副題をカタカタっぽく書いてあるだけでした。

こんなにも活きの良い低予算&低評価映画は久しぶりに見ました。ここまでくると逆に良い体験だったのかもしれません。

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