意味不明すぎる冒頭に心を掴まれる!可愛いサメ人形が大暴れする低予算サメ映画「トイ•シャーク」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(609日目)
「トイ•シャーク」(2022)
マーク•ポロニア監督
アンソニー•ポロニア監督
◆あらすじ
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噂の人食いザメを仕留めたカービーの父は、その歯を流行りのサメのぬいぐるみに埋め込み、離れて暮らすカービーへと送る。母と暮らすカービーはプレゼントに大喜び。しかしすぐに相性が合わないベビーシッターのライラとの生活がスタート。やがてカービーにいじわるをするライラに悪魔のサメぐるみは突如牙を剥きはじめ…。
(landshark.crayonsite.comより引用)
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いつもお世話になっているマーク•ポロニア監督が手掛けた低予算B級サメ映画で、今回は実子であるアンソニー氏も監督として参加しています。
数日前にこの企画でも視聴した「パペットシャーク」に次ぐ“ぬいぐるみ”シャークホラー第二弾と言われています。
どちらの作品も『サメを人形にすることで大幅に予算を抑えることに成功している』という点に関しては両監督のクレバーな側面が垣間見えます。
ポロニア監督作品にしては珍しく、最初から最後までしっかりとストーリーがあり「どうした!?ポロニア監督!」と驚きが隠せませんでした。しかし安心安定の低クオリティ映像の数々で帳尻を合わせており、夜のはずなのに外がめっちゃ明るかったり、血飛沫を後から合成で足していたりするのがもう堪りません。
ポロニア監督作品は基本的にストーリーすら皆無であることがほとんどなので、内容があるだけで驚いてしまう自分がいます。
現在、DMMTVで配信中です。一応、アマゾンプライムでも440円でレンタルが可能ですが無料になるまで待ったほうが良いと思います。お金と時間は大切にしてください。
◇雑なCGの雨が降りしきる中、雑なCGの桟橋の上で凶暴な人食いザメを仕留めたシャークハンター。彼は息子が欲しがっていたシー•シャーク•スイムの人形にそのサメの歯をこっそり埋め込み、それをプレゼントとして送った。
という冒頭がもう本当に意味分からなすぎて心を掴まれました。
無料のスマホアプリでももっとましな映像が撮れるんじゃないかと言わても仕方がないほどの低クオリティな合成の雨や桟橋の映像に加え、唯一出てくる本物のサメは当然どこかから借りてきた資料映像です。そして『仕留めたサメの歯を人形に埋め込んで息子に送る』という意味が分からなすぎる父親の行動が本当に最高です。
『凶暴なサメの魂が宿った人形が人々を襲う』
という流れにしたいとはいえ、まぁ本当に雑です笑
それ以降は
◇父親からのプレゼントに大喜びのカービー。しかし遠方でシャークハンターとして働く父親との関係が冷え切っていたカービーの母親は彼氏を作っており、カービーをシッターに預けて旅行に行ってしまう。シッターのライラはカービーを毛嫌いしており、まともに仕事をしない。寂しい思いをするカービーをよそにサメの人形は近所の住人、ライラ、ライラの友人などを次々と襲い始める。一連の事件を追う刑事、そして嫌な予感がして急いで自宅に向かう父親はサメの人形からカービーを守ることが出来るのか!?
という風に展開していきます。
ストーリーはあるものの、基本的には『サメの人形がターゲットをガブガブと襲う』の繰り返しなので今さら言うことではありませんが、内容に深みや奥行きなどは当然ありません。
正直なところ
『殺人鬼(今作ではサメ)の魂が宿った人形が子供の手に渡り、周囲の人々を一人また一人と襲い始める』
というほぼほぼ「チャイルド・プレイ」(’88)のフォーマットなので見やすい説はありますが、あまり深くは追求しないでおきます。
普段は可愛らしいサメの人形ですが、凶暴化すると見た目もモンスターのようになります。低予算にも関わらず人形を2パターン用意するなんてポロニア監督らしくないじゃん!と思ってしまいますが、そもそも普通のホラー映画で怪物の見た目が2パターンしか無いってもう終わってますよね笑
ラストシーンでは
『間一髪のところで父親が駆けつけ、サメ人形を銛で一突き。「ジョーズに仕留めたぜ!」の決め台詞、そしてカービーをしっかりと抱き寄せる』
という、親子の愛が感じられる素晴らしいシーンとなっています。しかし!このシーンに妙な違和感を覚えた私はもう一度巻き戻して確認し、その違和感の正体に気づきました。
父親がカービーを抱き寄せているカットでは父親の胸から下しか映っておらず、逆に父親のバストショットの時はカービーが一切映っておりません。
おそらくですがこのシーン、別撮りです。
そこそこ筋肉質の父親ですが、胸から下のカットでは妙に腹が出ており、別人なのが明らかです。もしかしたらポロニア監督かもしれません。
無名の役者しかいないのにスケジュールが合わないのも意味分からないですし、「じゃあ別撮りにしよう」と判断を下す現場もヤバくて大好きです。
サメ映画に関しては私の中でハードルが異常なまでに低くなっており、その低クオリティっぷりを楽しみたいという側面で毎回視聴しているので結局ポロニア監督作品を見てしまいます。これはもう末期かもしれません。
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