見出し画像

主演がドナルド・トランプってどういうこと?サイモン・ペッグLOVEな監督が作った低予算B級ゾンビ映画「デッド•アゲイン」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(606日目)

「デッド•アゲイン」(2020)
スティーヴン•M•スミス監督

◆あらすじ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イギリスの田舎町リトル・ピッチフィールド警察署に赴任してきたプロディ。警察学校を出たばかりの彼はやる気満々だったが、村は平和そのもの。犯罪と言っても、立ちションをしている村人を注意するぐらいしかなかった。しかもベテランのクーパー巡査部長は映画オタクで、仕事のことよりも映画のギャグを口走るばかり。だが、彼らの知らないところで異変が起きていた。村に遊びに来ていた男女のカップルが、森でゾンビのような男に出くわし、とある建物に逃げ込んだ。それを見ていた建物の所有者は、ライフルを持ってカップルを追いかけ、不穏な空気に。そこにブロディとクーパーが駆けつけるのだが、やがてゾンビのようになった奴らが建物に押し寄せてきて...。(Filmarksより引用)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『平和な田舎町に突如としてゾンビが出現!迎え撃つは新入り熱血おまわりさんと映画オタクの先輩。そしてゾンビ騒動の裏にはなんとエイリアンの存在が…』という定番の低予算B級ゾンビ映画です。

現在アマゾンプライム、DMMTV、U-NEXTにて配信中です。

まずは今作のジャケ写を見ていただきたいんですけども

Filmarksより引用

このジャケ写を見て、多くのホラー映画ファンはこちらの作品のジャケ写を思い出すのではないでしょうか。

Filmarksより引用

そうです。

「ショーン・オブ・ザ・デッド」(’04)です。

ダメダメなおじさんたちがゾンビから家族や恋人を守るために奮闘する姿を描いた名作ホラーコメディで、もちろん私も大好きです。

さらに!

『もう何年も事件が起きていない田舎町にやってきた真面目な警察官と不真面目な先輩警察官がとんでもない事件にぶち当たる』という大筋はこれまたサイモン・ペッグ主演の名作アクション映画
「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(’07)を意識していると思われます。

スティーヴン•M•スミス監督はどんだけサイモン・ペッグ好きなんですかね。

こちらの作品も一級品のアクションコメディ映画で相当面白いです。サイモン・ペッグ出演作にハズレなしです。

そんなこんなでおそらくかなりのサイモン・ペッグLOVEの監督が手掛けた今作ですが、冒頭からいきなりきな臭いです。

物語の冒頭で女性キャスターが全国各地で起きている被害について報道をしている背景の画面でドナルド・トランプ氏をはじめ、各国の大統領や政治家の演説動画がそのまま使用されていますが、おそらくは何の許可も取っていないでしょう。

Filmarksだと誰かのイタズラなのか主演部分にトランプ氏の名前があります。(Filmarksより引用)

本題に入りますが、本作は特筆すべきところがあまりない、よくあるタイプのB級ゾンビ映画です。

◇何年も事件の起きていない田舎町に赴任してきた真面目な警官•ブロディと映画オタクの先輩警官•クーパー(ちなみにフルネームはショーン•クーパーです)のもとに、とある屋敷に侵入した若いカップルと家主であるボブが揉めているという通報が入る。仲裁に入るブロディたちだったが、カップル曰くゾンビに襲われたから逃げ込んだとのこと。半信半疑だった面々だったが森から続々とゾンビが現れるのを見て、ブロディたちは迎え撃つ覚悟を決める。

という流れになっており、大筋だけ見ると先述した名作をパクってリスペクトしているだけあって面白いんですけど、中身はスカスカです。どうでもいい登場人物を出したり、無駄な会話をすることで尺を伸ばしており、正味67分ほどの作品にも関わらず、『ゾンビの出現に伴いブロディたちが屋敷に籠城する』という本題に入るのは30分過ぎとテンポが悪いです。

ブロディ(右)とクーパー(左)
「警察特有のハンドサインを出すも全然意思疎通できない」みたいなくだりは面白かったです。
(Amazon.co.jpより引用)

それ以降も『助けを呼びに行く』、『様子を見に行く』、『武器を取りに行く』など理由をつけては少人数で外に出て、ゾンビに襲われるというパターンの繰り返しで最終的にはブロディとクーパーの二人だけになってしまいます。

◇実はこのゾンビ騒動は全てエイリアンが仕組んでいたことで、イギリスだけではなく、全国で同様の被害が発生していた。そんなことは露知らず屋敷の外に出たブロディとクーパーは上空に浮かぶ巨大な宇宙船に向かって突撃する。

という、バディものとしてはかなりかっこいい終わり方ではありますが、キャラクター一人一人の掘り下げなどがないので特に「胸熱だなぁ」とはならなかったです。

ゾンビも血糊を付けだだけで、クオリティはお世辞にも高いとは言えません。しかし、本編の62分あたりに登場する少女ゾンビは画面外にいるスタッフさんの方を見て飛び出すタイミングをうかがっているのが丸わかりで面白かったです。

そんな今作の8割以上は屋敷内でのシーンだったのですが、この屋敷内に私は見覚えがありました。それが何か中々思い出せなかったのですが、Filmarksで監督の名前から別作品を調べた結果、ようやく思い出しました。

それは私がこの企画の初期の頃に鑑賞していた同監督の作品「スケアリー•アトラクション」(’19)です。

このジャケ写に写っているキャラクターは1人も登場しません。(Filmarksより引用)

「SAW/ソウ」(’04)をパクってリスペクトしたであろうこちらの作品はどれだけ頑張っても良いところが見つけられないという非常に稀有な作品で、知人などから「企画で見た作品の中で一番アレだった作品ってなに?」と尋ねられたら、私はいつもこの作品の名前を出していました。もちろん私個人の感想なのでこの作品を面白いと思う人だっていると思います。

この作品の舞台がオバケ屋敷風のアトラクション施設なんですけども、その撮影で使用した場所とまったく同じでした。

こちらの「スケアリー•アトラクション」に関しましては現在アマゾンプライム、U-NEXT、Leminoで視聴可能なので、「ホントだ!同じだ!」と思いたい方や、非常にアレな作品を見たい方はぜひご利用ください。

☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。

渋谷裕輝 公式HP↓


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集