トウモロコシ神、再び降臨!!スティーヴン・キングも激おこなカルトムービー第2弾「チルドレン•オブ・ザ•コーン2/最後のいけにえ」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(643日目)
「チルドレン•オブ・ザ・コーン2/最後のいけにえ」(1992)
デヴィッド•F•プライス監督
◆あらすじ
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ネブラスカ州の人里離れた田舎町ガトリンで起きた壮絶な事件後、生き残った子供たちは近隣の街ヘミングフォードで養子として新しい生活を始めていた。ガトリンの子供教祖アイザックは死に、トウモロコシ畑の呪いは終わったと思われていた。NYから事件を取材に来たタブロイド紙の記者ジョン・ギャレットとその息子ダニー。二人は、残された子供たちに不審な影を感じ、トウモロコシ畑に関する謎の存在に気付く。 そしてガトリンで知り合った少年マイカはあらたな子供教祖へと覚醒し、大人たちが一人、また一人と惨殺されていく。(childrenofthecorn.jpより引用)
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公式サイト↓
『トウモロコシの神が舞い降りた少年が教祖となり、子供たちを扇動して大人たちを次々と惨殺していく』
といういかにもなカルトホラー映画で、先月視聴した「チルドレン•オブ•ザ•コーン」(’84)の正式な続編にあたります。
原作は言わずとしれたホラーの帝王スティーヴン・キング氏の短編小説「トウモロコシ畑の子供たち」で、1作目の映画化の際はキング氏自らが当初は脚本を担当したものの、何度もリライトされたことに痺れを切らし、最終的には原作のみとしてクレジットされました。その件もあってかキング氏はこの映画にはかなり否定的で、相当お冠のご様子だったそうです。
にも関わらず、1作目がカルト映画として一部のマニアから絶賛されたことでここぞとばかりにシリーズ化、そしてリブート化し、現在までに11作も製作されております。ちなみに今作もスティーヴン・キング氏は原作としてクレジットされています。
そんな因縁深いシリーズの2作目にあたる今作は日本では1作目同様VHSの販売•レンタルのみに留まり、その時の邦題は「スティーヴン・キング/死の収穫」という、思いっきりスティーヴン・キング押しのタイトルをつけています。
キング氏が気づいていないことを願うばかりの邦題ですが、なぜシンプルに「チルドレン•オブ•ザ•コーン2」にしなかったのでしょうか。
これは私の個人的な見解なんですけども
時系列的には一応前作の騒動後からになります。ですが、見た方ならお分かりいただけると思うんですけど、ほぼ1作目と同じ展開というか続編っぽさがあまり感じられず、どちらかというとアナザーストーリーに近いように思いました。そのため変に続編を思わせる『2』を付けるよりかは別物として販売した方が手に取られやすいからなのかと推測しました。
まったくの見当違いだとあれなので、これに関して何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらば教えていただけると幸いです。
ちなみに監督を務めたデヴィッド•F•プライス氏はコロンビア・ピクチャーズやユニバーサル•ピクチャーズの社長を務めていたフランク•プライス氏と主に60年代に活躍された俳優キャサリン•クロフォード氏の御子息であり、家族揃って根っからの映画人です。
現在、東京のシネマート新宿、大阪のシネマート心斎橋、京都のアップリンク京都では1〜3作全て上映中です。以降は兵庫のcinemaKOBEでは明日9月14日から、栃木の小山シネマロブレでは11月1日から、宇都宮ヒカリ座では12月6日より順次公開予定です。
サブスク等での公開は今のところ無さそうですし、大きなスクリーンであんなイカれたカルト映画を見られる機会も中々無いと思いますので、もしお近くの映画館で上映されているのであれば足を運んでみてはいかがでしょうか。相当見応えがあるので個人的にはかなりオススメです!
劇場や日程など詳しくは公式ホームページからご確認ください!
◇田舎町ガトリンで起きた壮絶な事件は教祖アイザックの死をもって終息したと思われていた。生き残った子どもたちは近隣のヘミングフォードの住民たちにそれぞれ引き取られていき、トウモロコシ畑の呪いは終わったはずだった。ニューヨークからこの事件を取材に来た雑誌記者•ギャレットは息子のダニーと共にガトリンを訪れ、どこか様子がおかしい子供たちを不審に思いながらも取材を続け、そしてトウモロコシ畑に隠された恐ろしい真実にたどり着く。その一方、アイザックに代わり新たに教祖となったマイカは子供たちを扇動し、再び大人たちを次々と惨殺していく…
という内容になっています。
先述したように時系列は前作の続きからなんですけども、大筋自体は『トウモロコシ神が舞い降りた少年が教祖となり、子供たちを扇動して大人たちを襲う』という風に前作とほぼほぼ同じです。
ですが今作では『なぜ子供たちの様子がおかしくなったのか』や『トウモロコシ畑の呪いとは』という、前作では謎のままだった部分が明らかになっているため、純粋なリメイクやリブート版というよりかは解答編にあたるアナザーストーリーのように思いました。
新たに教祖となったマイカ少年が今作のホラーアイコンになるんですけども、前作のアイザックくんと比べると少々カリスマ性みたいなものが薄まっており、どちらかというと人間味が強く、力で周囲を引っ張っていくタイプに見えました。
その他の子供たちは前作のように反発したり謀反を起こすような個々のキャラの濃さはなく、『盲目的に指示に従い、大人たちを次々と惨殺していく』いわばマイカ少年の手駒のような存在に過ぎませんが、その理由が今作では明らかになります。
ギャレットの取材や調査に協力する大学教授のレッドベアが今作のキーパーソンの一人だと思います。この二人が色々調べていくことでトウモロコシ畑の呪いについて様々なことが明らかになります。
まず前作でも今作でも『子供たちはなぜ様子がおかしくなったのか、そしてなぜ教祖の指示に盲目的に従うのか』という部分が気になってくるんですけども、これに関しては
『町には昨年収穫したトウモロコシが腐って黴びた状態で大量に放置されていた。そのカビにはアフラトキシンという神経系に異常を来して幻覚や幻聴の症状が見られる成分が含まれており、町の子供たちは風に流されたそのカビを気づかない内に吸引していた』
ということが今作で明らかになります。神経系に異常を来して正常な判断がつかないところに、マジもんのトウモロコシ畑の呪いが作用し、そこへ教祖のマイカがもっともらしいことを言って指示を出していたというわけです。ちなみにトウモロコシの呪いについても先住民がどうたらこうたらとレッドベアが説明していましたが、これに関してはいまいちよく分かりませんでした。
“怖さ”という部分でいうと、前作では『子供たちによる凶行は果たして本当にトウモロコシ畑の呪いなのか、それとも集団ヒステリーのようなものなのか』という部分が分からないからこそ、作品内で巻き起る一つ一つの出来事に恐怖を感じました。ですが、今作ではその部分が明らかになってしまい『呪いは本当にあったし、カビも原因だったよ』と提示されてしまったので、視覚的な怖さはあるんですけども、想像する恐怖というものはあまり感じませんでした。
子供たちによる殺戮シーンは前作よりも被害者となる登場人物が増えたことでさらに派手になっており、そのどれもがエンタメ的にも豪快で非常に見応えがありました。もはや怖さよりもおもしろが勝っているシーンも多々あり、もし自宅で鑑賞していたら声に出して笑っていたと思います。
特に、『電動車椅子に乗った老婆をマイカが後ろからリモコンのようなもので操作して散々弄んだ末、車道に飛び出させたところでダンプカーに弾き飛ばされ、ビンゴ大会の会場に車椅子ごと突っ込む』というシーンは流石におふざけが過ぎていて最高でした。
脚本家が3人いたからなのか話にまとまりがあまり感じられませんでした。面白いは面白いんですけどぶつ切り感というか、シーンが続いているのではなく、なんとか繋げている感じがしました。あと、初日にピンクのシャツを着ていたアイザックが次の日は青シャツを着て行動していたはずが途中でワンシーンだけピンクシャツを着ており、たぶんなんですけど編集ミスなのかなと思うところが見受けられました。
映画の完成度としては前作、エンタメ的なおもしろで言うと今作だと思います。先述した通りそこまでがっつり続編という感じではないので今作から見ても全然楽しめると思います。
近いうちに3作目となる「チルドレン•オブ・ザ・コーン3/都会の収穫」(’94)も見に行きたいと思います。
☆この度ホームページを開設しました!
もしよかったら覗いてやってください。
渋谷裕輝 公式HP↓