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サメ+タコ=最狂!!おバカでベタな設定だけど迫力満点な凶暴サメタコ大暴れ!これは新年一発目に相応しい「シャークトパス」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(752日目)
「シャークトパス」(2010)
デクラン•オブライエン監督
◆あらすじ
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ビキニ美女たちが海を楽しむサンタモニカビーチに巨大なホオジロザメが出現した。だがそこに半分サメ、半分タコの体をした奇怪な巨大生物が現れ、ホオジロザメを飲み込んでしまう。同じ頃、離れた場所からその騒動の全てを観察する者たちがいた…。(Filmarksより引用)
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『とある研究施設で極秘裏に開発された生物兵器が事故によって脱走。職員たちは騒ぎが大きくなる前に事態の収拾を図るも、怪物は各地で次から次へと人々を襲い始める!』という、新年一発目に相応しい定番のB級パニックサメ映画です。
2010年製作のテレビ映画なのでおそらく予算も限られていたと思われます。なもんで作品の肝となるサメとタコの合体生物•シャークトパスのクオリティは御世辞にも高いとは言えません。今見るとCGは粗めですし、実写と馴染んでおらず多少違和感を覚えるかもしれません。
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しかし!
先日視聴したB級サメ映画「サマー•シャーク•アタック」(’16)もそうなんですけど、サメのクオリティが少々低めでも逆に冒頭からバンバン登場させると、中盤あたりから不思議なことに見慣れてしまい、雑なCGをなんとも思わなくなります。
これは相当な発見ではないでしょう。多くの低予算サメ映画は低クオリティなサメを登場させれば視聴者をがっかりさせてしまうとばかりに終盤まで見所でもあるサメをあまり映さず、いざクライマックスでその姿を現したと思いきや結局ガッカリしてしまうビジュアルだった…ということが往々にしてあります。
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この遠慮と勿体ぶりを捨てて開き直る攻めの姿勢も低予算映画には必要なのかもしれません。今作がそこまで考えていたかどうかは定かではありませんが、その攻めの姿勢が良い方に出たと思います。
あと今作は脚本がシンプルではあるもののそれなりにまとまっていますし、キャストも悪くないです。なもんで年始特有の頭を留守にしているダラダラ時間にちょうど良いかもしれません。逆に頭が冴えている時だともっと見応えのある良作が見たい!となるかもです。
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先述しましたが今作はアメリカのケーブルTV局“SyFyチャンネル”で放送されたいわゆるテレビ映画だったものの、当時の史上最高視聴者数を獲得するなど反響を呼び、その後は現在までに2作の続編が製作されています。
2014年には翼竜+魚のクリーチャーと戦う
「シャークトパスvsプテラクーダ」
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その翌年の2015年には「シャークトパスvs狼鯨」
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と、どちらもマニアには堪らないマッチメイクとなっております。アマゾンプライムでも視聴できるようなので年始の間に見たいと思います。
ちなみに1作目となる今作は1984年にイタリアで製作された「死神ジョーズ•戦慄の血しぶき」のリメイクとなっております。
この作品に登場するサメは明確にサメとタコの合体生物というわけではないようですが、1984年でもうすでにサメに触手を生やすという斬新すぎる設定でマニアの間ではかなり人気があるようです。しかもこちらはなんと名作パニックホラー「デモンズ」(’85)等で監督を務めたランベルト•バーヴァ氏がメガホンを取っていることでも有名です。
あとめちゃくちゃ余談ですが、遊戯王に登場するモンスターのシャクトパスはシャークトパスのパロディらしいです。
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またバハマ諸島にはルスカと呼ばれる半分サメで半分タコの巨大怪物の伝説があるそうです。
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そして今作の監督を務めたデクラン•オブライエン氏は私の企画でも何度かお世話になっている「クライモリ」シリーズにおいて3〜5作で監督(4.5は脚本も)を務めているなどキャリアも豊富で、個人的には長編映画監督デビュー作でもある「サイクロプス」(’08)も気になっております。
このベタな感じやシンプルなビジュアルがB級映画好きの心をくすぐりますね。
今作は現在アマゾンプライム、U-NEXTにて配信中です。これは普通に完成度が高かったので続編も追っていこうと思います。
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◇アメリカ海軍とブルー•ウォーター社が極秘裏に開発した半分サメで半分タコの生物兵器が実験中の事故によって海に解き放たれてしまう。コックス中佐の命により事態の収拾に乗り出した責任者のネイサンは娘のニコールたちと共に現地に向かい、自らがクビにしたアンディもチームに参加。しかしあらゆる場所で人々を襲うその生物兵器はレポーターのステイシーによってシャークトパスと名付けられ、テレビでも大々的に報じられてしまう。情報が交錯し全てが後手後手に回る中、アンディたちはシャークトパスの凶行を食い止めるために奔走する。
というのが今作の細かめのあらすじです。
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兎にも角にもサメ+タコのクリーチャーであるシャークトパスのビジュアルはインパクト大で非常に良かったです。上半身はサメで下半身がタコ足なので陸上で歩行することも可能ですし、触手で船ごと海に引きずり込むこともできます。
またこの触手が槍のように鋭いので、人間を貫いて攻撃するなど襲い方のバリエーションも豊富です。制御装置が壊れたことで元々の凶暴性が解放され、本能赴くままに人間や船を襲います。特にエサを求めているとかそういったわけではないため、人間を殺しても食べたり食べなかったりです。その時の空腹具合次第っぽいです。
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このビジュアルに関しては申し分ないんですけども、欲を言えば誕生までの流れをもう少し丁寧に描いてほしかったです。遺伝子工学で生まれたクリーチャーとのことですが、完成までにどれくらいの苦労があったのかや失敗作の数々など研究者たちのバックボーンなんかが見えるともう少し感情移入できると思いました。
ブルー•ウォーター社の責任者•ネイサン、その娘で研究者のニコール、元職員で現在はプータローのアンディがメインキャラで、レポーターのステイシーや海軍のコックス中佐あたりが良い感じにストーリーを盛り立ててくれます。なんですけどもやはりメインの三人であるアンディたちの背景がほぼ描かれていないのが勿体なかったです。
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ネイサンとニコールの父娘の絆みたいなものが少々薄っぺらく、ネイサンがどれくらいニコールのことを思っているのかが伝わらなかったです。なもんで終盤で娘を守るためにネイサンがシャークトパスに殺されてしまうシーンやクライマックスの爆破機動装置のパスコードのくだりもいまいち入り込めませんでした。
また、アンディもめちゃくちゃ良いヤツだし、ストーリーを頼もしく引っ張っていくThe主人公なんですけども、ネイサンたちと同様にどんな人なのかが分からないままでした。このあたりのキャラの掘り下げがあればもう一段階面白くなった気がします。
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基本的にシャークトパスが脱走してからは
シャークトパスが暴れる
↓
アンディたち到着
↓
取り逃がす
↓
また別の場所でシャークトパスが暴れる
が繰り返されるため、場所や襲い方は違えど、ストーリー展開自体は少々単調でした。
そこにレポーターのステイシーのシーンやコックス中佐とネイサンのやりとりが中途半端に何度も差し込まれるためシーンのぶつ切り感が否めず、そこへまた尺伸ばしのためにラジオDJや釣りをするカップルのシーンが入るため、大分気持ちよくなかったです。
ですが、イベント会場にシャークトパスが乗り込んでくる前に長々と色んなダンスシーンが差し込まれるのはあまりにも露骨な尺稼ぎすぎて面白かったです。特にファイヤーダンスのクオリティが異常に高かったです。
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実はネイサンがプログラムを勝手に書き換えており、シャークトパスの凶暴性が増していたことが終盤で明らかになります。さらには頭に爆破装置が埋め込まれているというめちゃくちゃ後付け設定すぎる事実が判明。
『制御装置は壊れているため、特殊な矢を刺した状態で近くからパソコンでアクセスすれば爆破装置を起動できる』
というよくわからない展開になりますが、ようはシャークトパスに矢を刺してパソコンで専用のパスコードを入力すれば爆破装置を起動できるということっぽいです。
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なもんで最後はアンディがシャークトパスに矢をぶっ刺し、かつ囮になって引きつけて、その間にニコールが起動装置を作動させるわけなんですけども、このパスコードは父親であるネイサンが設定したため、何なのか分からずもたついてしまいます。色々入力していく中で彼女はネイサンが自分をからかう時にパンプキンと呼ぶことを思い出し、もしかしてと思い入力してみると見事に作動。シャークトパスは爆発して木っ端微塵になります。
定番の爆発エンドは非常に良かったんですけども、このパンプキンのくだりが作中で何度も行われるため、どう考えてもパスコードはパンプキンなんだろうなということが明白なので胸熱な展開とまではなりませんでした。
パンプキンはたぶんお嬢ちゃんみたいな感覚なんでしょうけど、日本だとそういうノリはあんまり馴染みがないですし、良い伏線ではなかったです。個人的には嫌いじゃないんですけど正直今ひとつだったかもです。
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情報が交錯するうえにわかに信じがたいため、人々が自分たちが置かれている状況やこれから来る脅威を中々信じない状況作りは上手かったものの、ところどころで面白ポイントを落としている印象でした。でも普通にビジュアル諸々好きだったので結構オススメです!
そして!
なんとありがたいことに先日サメ映画のオリジナルアイデアを寸評する企画でお世話になったNNさんがこんなありがたい記事を書いてくださいました!
note以外でもB級ホラーの魅力を伝えられたら最高なのでもしよければこちらの記事へのスキや拡散などをしていただけるととても嬉しいです!!NNさん、ありがとうございます😁
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