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スティーブン・キング自ら監督を務めた幻の珍作!感情むき出し暴走トラックの群れが田舎町で大暴れ!「地獄のデビル•トラック」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(803日目)
「地獄のデビル•トラック」(1986)
スティーヴン・キング監督
◆あらすじ
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地球付近を通過した彗星の影響で、地球上にある全ての機械が暴走を始める。自動車やコンピューターが制御不能により、それによって犠牲者が次々と現れる。一方、ノースカロライナ州の片田舎。ビルが働くドライブインでも、その異変が起きつつあった。(Filmarksより引用)
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『謎の彗星の影響によって世界中の機械機器がまるで意思を持ったかのように大暴走!田舎町のドライブインにはトラックの大群が押し寄せ、従業員たちは決死の攻防を繰り広げる!』
というかなり変化球のパニックアクションホラーです。
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原作は皆様ご存知“ホラーの帝王”スティーヴン・キング氏の短編小説で、なんと監督•脚本もキング氏自らが手がけています。ちなみに監督として携わるのは今作が初めてにして最後です。
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ちなみに冒頭では通行人としてしっかり出演しています。
(https://m.imdb.com/title/tt0091499/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
こんなの面白くないわけないじゃんとなるところですし、実際のところ興行収入は740万ドル程と上々でした。しかし肝心の評判はすこぶる悪かったようで、キング氏に映画監督としての才能は皆無と評価されてしまいます。
キング氏自身もあれは失敗作だと言っていますが、そこまで酷くないと思います。B級ホラー好きとしてはこれ以上ないくらいに出色の出来でした。
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まずこの“あらゆる機械が暴走する”というSFチックな設定をリアルに落とし込んでいるのが素晴らしかったです。
しかもそれだけ壮大な世界観にも関わらず、舞台を田舎町のドライブイン周りに限定してしまっているのが何ともキング氏らしいと言いますか、定番のエンタメパニックホラーに舵を切らなかったのが流石です。
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「地獄のデビル•トラック」という邦題だけあって、基本的に暴れ回るのはトラック等の大型車なんですけども、それ以外にも巨大な桟橋が勝手に上がってしまったり、電光掲示板やらスクリーンが「クソ喰らえ!」等のFワードでびっしりと埋め尽くされたりするのは害があるにしろ無いにしろ、ビジュアル的にも展開的にも面白かったです。
また、自動販売機や芝刈り機、はては玩具のパトカーなど流石にそれは機械に分類しなくてもよくない?と思う微妙なものまで人間に襲いかかるのは賛否両論分かれるところかもですが個人的にはツボだったのでアリだと思います笑
そもそもトラックとかも機械に分類するのちょっと微妙ですし、そこはあくまで電子機器的なものが少しでも含まれるものは全て動くとみなしちゃっていいんじゃないでしょうか。フィクションなのでおおらかな心で視聴しましょう。
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ただ一つ気になったのが中盤から大型トラックの群れがクラクションでモールス信号を打って給油を要求したり、ガソリンスタンドの軽油が底を尽きたことを知るとランプをビカビカ光らせながら主人公たちに迫ったりと、明らかに意思というか感情があるように描かれています。
それはそれでもちろん面白いから大好きなんですけど、もし感情があるならあるで冒頭からそれをもっと出してもいいように思いました。そもそも人間を襲うのも意味分からないので、だったらパワープレイでもっと強引にやっちゃった方が個人的には好みでした。
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そして今作はなんと!
作中の音楽を誰もが知るあの世界的人気ロックバンド•AC/DCが担当しています。
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キング氏が大ファンとのことで実現したらしく、メタルやロックなBGMはバイオレンスな今作のテイストにバチッとハマっており、兎にも角にもかっこいいです。見終わった後はこの映画をBGMとしてずっとリピート再生しておきたいくらいです。
私は音楽に関してまったくの無知なんですけども、この作中で使用されている楽曲が凄いことだけは分かりました。逆にいうと私のようなズブの素人でも何かを感じ取れるということは、通の方々ならば唸らずにはいられないかもしれません。
それくらい良かったです。やはり音楽の力って偉大ですね!
そんな今作は現在U-NEXTでのみ配信中です。
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(https://natalie.mu/eiga/gallery/film/138705/14515より引用)
◇1月14日、アメリカの上空を通過した未知の彗星。それはアメリカ中のありとあらゆる機械を狂わせ、意思を持ったかのように暴走を見せる。大きな桟橋はひとりでに作動し、何台もの車を巻き込む大惨事を巻き起こし、信号も遮断器も反応しない。自動販売機からは缶ジュースがマシンガンのように発射されて人間を殺害。血みどろの芝刈り機は通りがかった少年を追い回す。
そんな状況の中、ノースカロライナ州の田舎町にあるドライブイン•ディキシーボーイも当然例外ではなく、大型トレーラーを筆頭に無数のトラックが群れを為す。従業員のビルたち生存者は生き残りをかけて、機械たちと死闘を繰り広げる!
というのが今作の細かめのあらすじです。
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突如地球の上空に現れたレア-M彗星はありとあらゆる機械に影響を与え、電光掲示板やモニターはFワードを連発し、誤作動によってあらゆる場所で大きな事故が起こり始める。
そんなことにはまだ誰も気づいていない平和なノースカロライナの田舎町のドライブイン•ディキシーボーイは今日も常連客で賑わっている。
そこに巨大なグリーンゴブリンの派手な装飾を施した大型トレーラーでやって来たベテランドライバーのハンディは給油中にいつも通りダイナーでコーヒーを嗜む。
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(https://m.imdb.com/title/tt0091499/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
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(https://m.imdb.com/title/tt0091499/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
店内のラジオはずっと調子が悪く、ウェイトレスのジェーンはイライラ。さらにゲームコーナーではゲームが勝手に作動したり、商品やらお金が飛び出す始末。さらには給油中のスタッフ•ダンカンはホースから急に放たれた軽油が目に入り大怪我を負う。
そんなこととは露知らず、クズにも程があるオーナーのヘンダーショットはキッチン担当のビルが仮釈放中で立場が弱いのをいいことに時間外労働を強要。
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演じるエミリオ・エステベス氏はチャーリー・シーン氏の実兄です。(https://m.imdb.com/title/tt0091499/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
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ダイナーでは突如として動いた電動包丁によってジェーンが大怪我。ビルが破壊するまでその包丁は動き続けていた。さらにゲームコーナーの火事場泥棒も機械に触れたことで感電死。従業員や利用者もいよいよただならぬ事態になっていることを察する。
野球場では自動販売機から缶ジュースがマシンガンのように飛び出し、少年野球のコーチを殺害。さらにはローラー車が襲いかかり、子どもたちを下敷きにしてしまう。また別の場所では新婚旅行中のコニーとカートがスクラップ車に追われて大パニック。
どうやらこの騒動は世界各地で起こっているらしい。
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野球場から逃げてきた少年ディークは住宅街へと差し掛かるも、そこには機械によって殺されたと思われる死体があちこちに転がっており、今や人間は一人もいない。人を撥ねた痕跡のあるアイスクリーム車は生存者を探して街を徘徊。思わず身を隠したディークだったが、血みどろの芝刈り機に見つかり、追われる羽目に…
一方、ディキシーボーイでは先ほど軽油で目を負傷したダンカンが息子であるディークの身を案じて外に出てしまい、無惨にもゴブリントラックに撥ねられてしまう。
無線も繋がらず、籠城するしかないビルたち。外では無数のトラックがそんな人間たちを挑発するかのようにクラクションの雄叫びを上げている。
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先ほどの新婚旅行中のコニーとカートも命からがらディキシーボーイに逃げ込んで来て、ついにこの状況に痺れを切らしたオーナーのヘンダーショットは隠し持っていたバズーカを持ち出してトラックを破壊。怒ったトラックはさらにその数を増していく。
実はヘンダーショットは裏で銃火器の売買をしており、地下にはありとあらゆる武器が隠されていたのだった。
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停電した店内で思い思いに過ごすビルたち。現実逃避のために酒を飲む者、トランプに興じる者、語らう者。しかしそこへ、昼間にトラックに撥ね飛ばされたセールスマンの助けを求める声が!
ビルとカートが店の下水溝から地下を辿り、ドブ川で身動きが取れなくなったセールスマンの救助に向かう。しかし到着した頃にはセールスマンは息絶え、たまたま近くにいたディークと共にまた下水溝から店に戻る。
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翌朝、機関銃を搭載した小型車とブルドーザーが突然現れ、店を破壊。またしてもヘンダーショットのバズーカが炸裂するも、機関銃によって蜂の巣にされてしまう。
すると今度はゴブリントラックがクラクションでモールス信号を打ち始め、なんと車全員分の燃料を要求してくる。もはや人格を持ち始めたかのようなトラックたちに対してビルは何やら策があるようで、素直に要求に応じる。
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みんなで手分けして給油作業を続けるも、行列を成すトラックを捌き切ることは出来ず、ついには軽油が尽きてしまう。
激怒したトラックがビルに詰め寄る中、隙をついて機関銃を載せた小型車を手榴弾で爆破。トラックたちが怒り狂う中、全員で下水溝から脱出を図る。
なぜそれまでに脱出しようとならなかったのでしょうか…
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怒りのトラックが店を破壊する中、逃走するビルたち。どうやらガスに引火したらしく地上では大爆発が起こり、トラックの大半も大破してしまう。
地下にあった武器で武装したビルたちは道中でも襲いかかる車を次々と破壊。安全だと思われる海に出るために港へと向かう。
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(https://m.imdb.com/title/tt0091499/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
港でゴブリントラックが襲いかかるも、いよいよ変なテンションになっているビルたちにもう怖いものは無く、恐れること無く爆弾を仕掛けて大破させる。
こうして船で海へと逃げ果せた彼らは無事生還を果たすのだった。
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(https://m.imdb.com/title/tt0091499/mediaindex/?ref_=tt_mv_closeより引用)
『そして2日後、宇宙では巨大なUFOがロシアの気象衛星によって破壊されたと報じられる。また6日後、地球はレア-M彗星の尾から脱し、機械の異常行動は見られなくなった…』
という旨の字幕が出て、宇宙人の仕業もほのめかすとんでもない形で物語は幕を閉じます。
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ラストのオチを全てテロップで説明してしまうのが衝撃でしたね。この一連の騒動にはどうやら宇宙人も関与していたようです笑
宇宙人が彗星を操って世界中の機械を狂わせたといいことなんでしょうか。いずれにせよこのオチは斬新すぎて面白かったです。ということはトラックたちに意思が見え隠れしたのもあれは全て宇宙人の意思だったのかもしれませんね。
ストーリー自体は前半で息切れしてしまい、中盤以降はかなり平板というか、盛り上がりきらずに終わってしまいましたが、哀愁たっぷりで良かったです。個人的にはオススメです!
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