家族の絆が試される!スピルバーグ節炸裂の不朽の名作!「ポルターガイスト」【ホラー映画を毎日観るナレーター】(594日目)
「ポルターガイスト」(1982)
トビー・フーパー監督
◆あらすじ
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新興住宅地クエスタベルデに越してきたフリーリング一家。だが家の中の物がひとりでに動く怪現象が起こり、やがて嵐の晩に末娘キャロル・アンが行方不明に。彼女を助けるために霊媒師タンジーナが呼ばれる一方、土地一帯が元は墓地だったことが判明し…。(Filmarksより引用)
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『ある平凡な一家を襲う怪奇現象の数々』を描いており、一切先が読めないストーリーに縦横無尽のカメラワークや特殊効果の数々、最後の最後まで気の抜けない緊張感があって非常に面白かったです。
製作•脚本はスティーヴン・スピルバーグ氏で、当初は自身が監督を務める予定でした。しかし製作期間が「E.T.」と被り多忙を極めており、さらには監督の重複契約の禁止もあり、監督は「悪魔のいけにえ」シリーズや「スペースインベーダー」(’86)等でおなじみのトビー・フーパー氏に任せました。
ちなみに今作の製作費は「E.T.」の倍以上かかったそうです。
今作は特殊効果、SFXを多く用いており、当時としてはかなり斬新な作品だったのではないでしょうか。今見てもそのクオリティはかなり高く、ポルターガイスト現象の数々を表現するにおいてかなり相性が良かったように思います。
ちなみにそのSFX映像は「スター・ウォーズ」などを手掛け、アカデミー賞を4度も獲得しているR・エドランド氏と彼が率いるILMが担当しており、それもあってか本編には「スター・ウォーズ」のフィギュアやグッズが度々登場します。
今年「ザ•ウォッチャーズ」で長編映画監督デビューを果たしたイシャナ•ナイト・シャマラン監督も今作が大のお気に入りだそうです。
現在U-NEXTで配信中のほか、アマゾンプライムでは407円でレンタルが可能です。
ポルターガイスト現象の数々は物が落ちるとかそんな可愛らしいものではなく、部屋中の家具がぶっ飛んだり、椅子が積み重なったり、家がぶっ壊れたりととにかく豪快です。
もちろんその現象の一つ一つは先述したような特殊効果やSFXとの相性がよくて面白いですし、本作の見どころであることは間違いないです。
ですが、本作の一番の見どころというかテーマはおそらく『家族愛』だと思います。
『嵐の晩に家の中で姿を消した末娘キャロル•アンを救うべく家族が奮闘する』
という、家族の愛や絆を描いているのがいかにもスピルバーグ氏らしいですが、個人的にはそれがめちゃくちゃ良かったです。離婚もありえた主人公夫婦が一連の怪現象や愛する娘の行方不明事件を経て、関係が修復されるというのが王道なんですけどやっぱり好きです。
ただただ平凡な家族が自分たちのできうる限りの範囲で考えて行動し、超常現象研究家に相談したり、霊能力者に依頼することで、この土地一帯に隠されていた恐ろしい事実が明らかになっていきます。
『死者を敬い、決して冒涜してはいけない』
という当たり前のことを再認識させられます。お墓参りとかもっと行かないとだめですね。
あと、本作において霊能力者のおばちゃん•タンジーナ以外は本当にただの一般人なので、タンジーナがいかに凄いのかが際立ちます。
ちなみに本作はかなりいわく付きの作品と言われています。
主人公一家の長女•ダナ役のドミニク•ダン氏は本作の公開直後、自宅にて復縁を迫る元交際相手に絞殺され22歳の若さで死去。
レストランで家族と食事をしていた時、ちょうど6歳くらいの女の子のキャストを探していたスピルバーグ氏の目に留まり、そのままスカウトされて今作への出演を果たした末娘•キャロル•アン役のヘザー・オルーク氏はシリーズ3作目「ポルターガイスト3」の撮影直後に12歳の若さでこの世を去りました。
彼女の場合は、半年前から原因不明の腸疾患であるクローン病と診断されており、3作目の撮影時は薬物療法による治療中だったそうです。しかし撮影中は何一つ不満を言うことなく、現場のスタッフも共演者も彼女が病気だとは思わなかったといいます。
その他にも2作目の監督を務めたブライアン・ギブソン氏やスタッフ、キャストが大病を患い早逝したそうですが、本作と関係があるかは定かではありません。
実は撮影時に使用した骸骨が『作り物ではなく本物の人骨』で、一連の不可解な死はその呪いが原因なのではと囁かれております。
出どころは不明ですが、一家の母•ダイアン役のジョベス•ウィリアムズ氏はプールに浮いていた骸骨が本物であるとは知らされていなかったそうで、本作が公開された数年後にばったり出くわした特殊効果のスタッフさんにその事実を聞かされたというエピソードもあるようです。
どこまでが真実なのかはわかりませんが果たしてどうなんでしょうか。
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