【読書】『筋の良い仮説を生む問題解決の地図と武器』
「10分考えた結果、少し思考が進んだ。1時間考えてみたけれど、最初の10分とあまり変化がない。1日考えてみたけれど、何度も同じことを考えてしまい、思考が全然進んでいないことに焦りを感じてくる。(中略)こうなってしまうと、いくら時間をかけても前に進むことはできません。迷子にならないようにするには、自分の位置を確認するための『地図』が必要です。そして、その地図を頼りに前に進むためには思考の『武器』が必要になるのです。」本書 はじめに より引用
B2Bビジネスでマーケティングや提案型営業に
携わっていると、日々様々な問題に直面しますよね。
新規ターゲットへの戦略策定、商品開発に関する
プレゼン、そしてクレーム処理など。。
私しばぴょん自身も、少なくともシューイチ以上で
プレゼンを行いますし、後輩へのティーチングも
発生します。
そんな中で良書!と感じた本がありますので
ご紹介させて頂きます。
タイトルは、筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」
と「武器」です📗
1.問題とは何か
・あるべき姿と現状との差である
・まずは、仕事の目的や前提条件を確認した上で、
しっかりと問題を定義するところから、問題解決は
始まる
正しいという字は一つ止まると書きますが、いきなり
問題解決に向けて走り出さないことが肝要ですね。
2.問題設定の正しさとは
本書では、設定した問題の適切さを図る変数として、三つ紹介されています。
①あるべき姿と現状の差が大きいか
・これは基本ですね。会社のリソースは有限であると
いう原則に基づくと解決してもインパクトの小さい
問題には、対処する必要性が低いということです。
②解決可能と思えるか
・デジタル化が進んでいるとはいえ、問題解決を実行
していくのはヒト。
・かの世界的に有名な大前研一氏も、企業のこれからの
リソースはヒトモノカネではなく、ヒトヒトヒトと
仰っています。
・この考えにはしばぴょんも強く共感するところです。
ヒトだけが唯一変化/進化することが可能なリソース
であり、デジタルツールという「道具」を活用して
価値を最大化していけるのは人間の知恵に他ならない
と私は考えます。
アクションする人間が「どうせできないよ」と思って
いたら、ダメですね。当事者意識が大事です。
③目的が明確か
・「なんのために解決するのか」。
・企業や組織にどんな効果を与えるのか、自分自身が
腹落ちできているか。
ブレない軸を持つことが必要です。
これら三つの尺度から、それは本当に問題か?という
ことを再確認していくこととなります。
3.思考のプロセスは、HOW思考の前にWHERE思考
「とにかく打ち手を考えてしまう。」
これは、意識的か無意識的かを問わず、ついつい
問題解決のシーンでやりがちではないでしょうか。
生産性の上がらない会議は概ねこれに陥っている
と思われます。
え?お前んとこの会社のことじゃないかって?
それは禁句です🤬
HOW思考やWHERE思考について補足させて頂きますと。
例えば、「会社の残業時間が二倍に増えている状況を
解決したい場合」
◆HOW思考
毎週金曜日をノー残業デイにして残業時間を減らそう!
→反論;もう水曜日がノー残業デイなんだけど・・
本当に効果があるの・・?
◆WHY思考
デジタル化が進む中で社員のスキルが追いついていないのでは?
→反論;本当にそうなの?
◆WHERE思考
どの部署で、いつ頃から残業が増えているのだろうか?
→問題の絞り込みができる!
勿論、絞り込んでいくための感度の良い切り口を
備えていく必要がありますね。
上記がWHERE思考の事例というわけです。
効率的な知的生産のために、まずは動き出す前に
問題発生の場所を特定するように心掛けないと
いけません。
まとめ
ここまでが「問題解決の地図」の前半になります。
本書の後半では、特定した問題を解決していくための「問題解決の武器」が示されます。
本書は思考レベル水準で言えば初級〜中級+αレベル
までをカバーし、テーマとしては担当者レベル〜事業
レベルまでをカバーしていると言えます。
正しい問題解決の手順を知ることは、無用な地雷を踏む
ことを避けることにも繋がります。
上手に問題解決をできるようになりたい若手〜中堅のビジネスパーソン、
あるいは今一度問題解決についておさらいしたい
新任マネージャーや事業部長クラスにも適した本だと言えそうです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました😊
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