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【邦画】永遠の0(2013)

監督:山崎貴
出演:岡田准一、三浦春馬、井上真央、濱田岳、新井浩文、吹石一恵、平幹二朗、橋爪功など
上映時間:2時間20分

名前こそ知っていましたが初鑑賞。ウーディネ極東映画祭グランプリ受賞作品とのこと。戦争に関する強いメッセージを伝えるべく、映像もキャストもかなり豪華です。

まずは主題である作品のメッセージから。男たちの大和もそうでしたが、こちらも日本人として知っておかなければならない素晴らしいメッセージでした。メッセージは各々受け取り方が違うかもしれませんが、僕は「命の大切さ」と「先代への感謝」というメッセージを受け取りました。

まず「命の大切さ」は作品中で宮部久蔵(岡田准一)がずっと説いていたものです。井崎(橋爪功)も述べていましたが、国のために死ぬことが正義とされていた世の中で生きて帰りたいという思いを持つことは、逆に勇気のいることです。しかし当日そのような考えは殆どの人には理解されず「臆病者」と呼ばれ、数々のシゴキにも遭います。

しかも彼が生きる意味というのは、自分のためではないのです。ここが非常に重要なポイントですね。愛する人のために生きる、これ以上にカッコいいことがあるでしょうか。宮部が最終的に特攻隊員として死ぬことを決意する理由も実はそこにあるのです。

そして「先代への感謝」。これは「命の大切さ」の続きのようなものです。僕らのために生きてきた先人たちがいるから、今の僕たちがあるのです。
ましてや太平洋戦争では日本中で計8000万人近くの人が亡くなっています。僕らの先代たちはそんな時代を生き延びて、僕らに命を与えてくれている。だからこそ僕たちは彼らへの感謝を忘れず、命を大切に生きていかなければならないのです。

制作が伝えたかったメッセージが上記であってるかどうかはわかりませんが、メッセージを伝えるための素晴らしい脚本と人物構図だったと思います。

特に佐伯健太郎(三浦春馬)の存在は大きかったかと。彼のようにあてもなくフラフラと生きている若者は多いのではないでしょうか。そうじゃなくても、困難に直面し生きる意味を見失ってしまう瞬間は誰にでも訪れると思います。彼がいたからこそ上記2つのメッセージがより響いたと思います。
実際に宮部久蔵が自分の祖父であると想像しながら見ると涙が止まらなくなります。

キャスティングも良かったですね~。圧巻の演技を見せていたのはやはり年長者組。戦争を知っている世代として、その歴史を伝えたいという熱量が違ったのかなと。
特に序盤で出てくる井崎(橋爪功)の語りは優しくも厚みがあり、心に響きました。もちろん大石(夏八木勲)、武田(山本學)、景浦(田中泯)らもそれぞれ違った視点からの素晴らしい語り口でした。

永遠の0は、男たちの大和に続きメッセージ性の強い素晴らしい映画でした!

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