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イサム・ノグチの作品に包まれる@モエレ沼公園

秋の深まる中、冬の気配が来る前に急げとばかりに北海道・札幌に行ってきました。
3日間の滞在の中で、めいっぱいはしゃいだのが彫刻家イサム・ノグチが設計したモエレ沼公園。ここに「いる」ことの楽しさを再認識できる場でした。

モエレ沼公園は札幌の東側、JR札幌駅からは地下鉄とバスを乗り継いで約1時間の場所に位置します。
元はゴミ処理施設場でしたが、1982年ごろから公園に作り替える計画がスタートし、さらに1988年札幌を訪れたイサム・ノグチによって基本設計が行われることになりました。イサム・ノグチ自身は同年逝去してしまうのですが、遺されたマスタープランをもとに工事が進められ、2005年に無事オープンしたのがこの公園です。

園内にはイサム・ノグチがデザインしたもの、また遺されたスケッチをもとに構成されたものが10点ほどあり、園内をぐるりと歩きながら各施設を回っていきます。
噴水等の施設は春~夏のみ稼働しているものもあり、私が訪れた10月中旬も「モエレビーチ」や「アクアプラザ」は動いていなかったので、目いっぱい楽しみたい方は夏に訪れるのがいいかもしれません。

海の噴水
こちらも2022年は10/20までの稼働だったらしく、滑り込みセーフでした

園内では2時間200円(大人1名)でレンタサイクルを借りられます。自転車だと園内に点在する各施設を回りやすいのでおすすめ。
私が訪れた日は平日だったので人も少なく、舗装した道路をかっ飛ばせる解放感がすごく、サイクリングってこんなに楽しいんだ!?と再認識。普段、街で加害者か被害者にならないよう気を張りながら歩行者と自動車の間を縫って走っている緊張感とはえらい違いです。

モエレ山。不燃ゴミを積み上げて作られた山で、登ると息切れする結構な斜度。

また、公園内では、見渡す限り芝生ばかりでゆるやかな起伏の稜線が青い空を縁取っているため、遠近感覚が狂ってものすごく広大な土地を走っているようかに錯覚します。そのわりに、自転車だと園内一周30分くらいで回れるので、七里靴(一歩で約30km移動できるというおとぎ話の靴)を履いたような万能感があって走るだけで楽しい……!
こうした錯覚は、京都・岡崎にある庭園「無鄰菴」を訪れた時を想起させます。街中の庭園のはずなのに、大きなモミの木に囲まれたすり鉢状の盆地の底にいるような、一つの居心地のいい世界に閉じこもるような感触。


ミュージックシェル。野外コンサートのステージとして利用されるそうです


テトラマウンド
頂上までのぼって寝転がり、金属管から空を透かして見ると大変気持ちよいです

やることといえば、ひたすら自転車をこいで噴水を見つけては眺め、丘を発見しては登り……ということに尽きるのですが、単純に呼吸して芝を踏み歩き回ることがたまらなく楽しい空間です。

サクラの森エリア、プレイキューブ(左)とオクテトラ(右)
オクテトラは2018年地震の影響で使用禁止

園内にはイサム・ノグチがデザインした遊具も点在しています。平日で人がほとんどいないのをいいことに、小学生ぶりにシーソーで遊び倒し、ブランコで勢いをつけすぎて酔うなどしました。
ただ、写真でも赤コーンで囲まれている遊具がある通り、一部は改修中で使えなくなっているので、遊具でがっつり遊びたい場合には要注意です。

↓改修工事中遊具の情報

最後はモエレ沼公園のランドマークというべきガラスのピラミッド。

ガラスのピラミッド。展望台もあり、公園を一望できます。
正午ごろ撮影したのですが、日の傾きが夕方みたい。北海道の緯度の高さのなせる技?
ピラミッド内部

ピラミッド内からはモエレ沼公園の風景をガラスの反射を通して一望でき、ベンチやレストラン等もある憩いの場になっています。日光で暖まり、疲れた身体に嬉しいスポットでした。雪景色もこの中から見たらとても美しいでしょうね……そもそも公園に辿り着くのが大変そうですが……
また、3階にはギャラリーがあり、イサム・ノグチの来歴やモエレ沼公園の沿革を見ることもできます。

ギャラリーを堪能したらレンタサイクル返却へ。各施設けっこうじっくり回って2時間足らずでした。札幌の中心地からそこまで遠くもないので、札幌を訪れる方にはぜひおすすめしたいです。


モエレ沼公園で遊び倒した後は、同じく札幌東部にあるサッポロビール園へ。こちらは19世紀末の赤レンガ建築&ビール試飲&ジンギスカンが楽しめる最強スポット。

サッポロビール博物館。もとは1890年に工場として建設されました。
窓にはもちろん、破風のてっぺんにもトレードマークの星がちょこんといます。
ビール瓶シャンデリアがかわいい。
サッポロビール園試飲スペース天井

見学の最後に試飲もできるのですが、北海道限定のサッポロクラシック、飲み口のすっきりさと後味の香ばしさがたまらんかったです。最高!

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