こっちに来ちゃいけないよ
暗い路進んで行くと声がして
進む先さえ誰かいるのか
駄目だよ
こっちに来ちゃいけないよ
聞き覚えある声がして振り返る
誰もいないとわかりながらも
まだ大丈夫
自分の選んだ道でしょ
もう無理だ 前を向けると思えない
気持ちの上で負けた気がする
そんなことないよ
まだ試していない事あるんじゃない?
ハッとして 頭の中を駆け巡る
可能性なら確かにあると
ほら 大丈夫
そっとあたたかい手が触れて
ふわっと身体が軽くなった
次の瞬間 後頭部の痛みで目が覚めた
どうやらベッドから落ちたらしい
在りがちな夢の中であなたの声はまだ耳に残っている
木霊するほど強く儚く
もう二度と聴こえるはずの無い
ずっと聴いていたい声が。