第13話「BVEATS入社1日でバックレようとしたお話」
BVEATSの面接の翌日の朝。
合格の通知メールが来た。
満員電車に揺られながら、
そのメールを漠然と開封したのを覚えている。
その時の感情は、
正直そこまで「嬉しい!」というものでもなかったし、
「ついに人生が変わる!」っていう感じでもなく、
ただ、漠然とした感じだった。
特に実感もわかなかった。
これから人生が180度変わることなど、
知る由もなかった。
その日も、
ただ普通に出社して、
ただ普通に仕事を適当にこなした。
最初のBVEATSのMTGは次の日曜日。
未だに忘れない2019年9月1日。
僕は、この日を一生忘れないだろう。
絶望して、
悔しくて、
それでもあきらめなかったあの日。
BVEATSというサービス、
MTGの雰囲気、
そして、みんなの気迫に、
ただただ圧倒された2時間だった。
僕は、なにもできなかった。
そして、
ただ漠然と過ごした社会人3年半を後悔した。
大人になって、
ここまで本気で、
ここまでエネルギーがあって、
人を喜ばせることに命を懸ける組織があるなんて、
思いもしなかった。
決意もなく、
覚悟もなく、
ただ己の欲望のままに、
自分を喜ばせることだけに満足し、
会社に文句を言い、
上司の不満を語り、
頑張ることを嫌ってきた自分。
「僕がいられる場所じゃない。
やっぱりやめよう。」
僕は最初のMTGで、
そう思い、
バックレようと思った。
僕はそういう人間じゃない。
たぶん世の中には、
成功する人間と、そうじゃない人間がいて、
僕は後者だ。
挑戦なんて馬鹿げたこと、
考えた自分がバカだった。
論理的に考えればわかるじゃないか。
頑張らなくてもある程度給料がもらえて、
大企業の看板を使えて、
40とか50になれば、
たぶん年収もそれなりにもらえる。
そうだ、僕は、
こっちの人間だっただろう。
でも
僕は逃げなかった。
ここで逃げたら、
たぶん一生逃げ続ける人生だ。
こんなことが何度もあった。
自分でビジネスを始めようとして、
挫折したこと。
資格を取ろうとして、
勉強せず試験会場に行かなかったこと。
自己啓発セミナーに参加するだけで、
何も行動に移さなかったこと。
もう、
逃げたくなかった。
その日僕は、
売れているメンバー5人に、
アポイントをとった。
僕を突き動かしたのは、
論理ではなく、感情だった。