見出し画像

【化学基礎】5時限目 物質の構成④

こんばんdDdD!
みんな元気~?
今日もカガクしていくよ!

新しい環境で新しい羊と出会ったら
その羊がどんな性格なのかを知る必要がある。
その人と上手くへいわてきに付き合っていくためには
群れ用の飾った性格おもてのかおではなく真の個性を知る必要がある。

毛刈り隊所属なのか、
古参めいとなのか、
白コメ道を極めしものなのか、
深く O・H・A・N・A・S・I してみないと解んない。

そして、深い付き合いっていうのは
相手の都合や好みを真剣に考えていかないと
簡単に問題トラブルになっちまう諸刃の剣もろはのつるぎ

物質も同じ。
【物質】に合った方法で分離しないと上手く取り出せないか
目的の物質ではない物質が生成されたり
下手したら危険物が出来てしまうかもしれない。

【混合物】から【純物質】を取り出す【分離操作】を学ぶという事は
単に【物質】の個性を詳しく学ぶこと以上のことが含まれている。

だから今学んでいる内容は実は結構マジですごいことなんだぜ?

【高校理科】で学ぶ基本的な【分離操作】6種類の内、
【ろ過】【蒸留】【再結晶】【昇華(法)】の4種類を学習した。
今日は最後の2種類、【抽出】【クロマトグラフィー】について学ぶ。

ではやって行こう。

※工房主からのお願い※
動画先は私のチャンネルではありません。

動画を作るのも無料ではありません。
時間と体力とある種の自己犠牲が必要な作業です。
貴重な情報を無料で公開して下さっている動画先に対する感謝として
各動画にgood評価ボタンを押して下さいますよう
どうぞよろしくお願いします。


分離操作⑤ 抽出

【純物質A】【純物質B】【混合物】
【純物質A】とだけ親和性が高い【媒体】に混ぜ込んで
【媒体】内に【純物質A】だけを溶かしだす分離操作のこと。
【蒸留】【再結晶】などのような大量に集め取る分離が苦手で、
どちらかと言えば少量を取り出して存在確認するのを得意とする。

【例】 緑茶って実は【抽出】なんだよね。

茶葉をお湯に浸けると茶の成分は湯に溶けだすが
茶葉そのものは湯には溶けない。
そして、茶の成分は湯に溶けだしたほんたいからぶんりしただけ
お湯の中に居る以上は厳密な意味で独立分離ではないまだこんごうぶつ
単に共存先を移動しただけ【純物質】ではないのだ。

もし、茶の成分だけ●●大量に集めたいなら
【抽出】後に、茶の成分の好むところに従って
【蒸留】なり【再結晶】なり【乾燥】なりの別の分離操作てまひまが必要。

そうそう、香水とか化粧品とかも【抽出】が深く関わっている。
化粧品が高価なのは、
単に素材の希少性とか値段だけでなく
こういう手間暇かけても少量しか生成できないところが由来だな。

将来化粧品関連の会社に就職したい羊にとっては
趣味けしょうとしても実益スキルとしても興味深い話かと思う。


実験動画の前に予備知識をもう少しだけ追加しておく。

ラーメンの汁に浮かんだ油とかサラダドレッシングの油滴とか、
そんなのを思い浮かべてほしい。

水と油は分離するのは既知の事実だ。
無機物みずけいとう有機物あぶらけいとうはとても相性が悪い。
「嫌いじゃないんだけどね、長く一緒には居られないかな」
という奴である。

逆に無機物みずけいとう】同士ならば非常に仲が良く
有機物あぶらけいとう】同士でも非常に仲が良い。

余談だが、マヨネーズとかそれこそ化粧品のクリームは特殊なケースな。
マヨネーズは極論で言えば
ゆうきぶつ + 食用油ゆうきぶつ + 食酢ゆうきぶつ
をミキサーレベルで物凄~く混ぜたもののこと。

この時、食酢は化学で言う酢酸のように【純物質】ではなく
水を多く含む水溶液むきぶつにとても近い状態なので
同じ【有機物】同士であっても水のせいで食用油とは相性がとても悪い。
そこに卵黄に含まれるレシチンという成分が仲介役ちょうていしゃをする。

レシチンには水界と油界の境界を橋渡しうやむやにする能力がある。
これを【乳化】という。

注意が必要なのは【乳化】はあくまでも国境を有耶無耶にして
いわば物凄い数の国々を合衆国化してるだけであって、
時間がたてば分離してしまうということだ。

これもやはり混合物きょうぞん化しているだけで核融合どういつではないのである。

片付けられない羊達の冷蔵庫に年単位で眠っていたマヨネーズはどう?
・・・つまりそういう事だ。

あと、化粧品の乳液ってあるだろ?
乳液という名前の由来は【乳化】から来ているという説が一番強い。
乳化作用が得意な成分で構成されている液体だ。

人間の体はおよそ60%が水分であると同時に、
にくは基本的に有機物あぶらである。

そういう訳でクリーム等の有機物あぶら系の化粧品は肌によく馴染む。
一方で、
無機物みず系の薬効成分や水分そのものは、
肌の有機物あぶらのせいで無機物みずまで沁み込みにくい。
・・・保湿とか大事なのにな。

なので両方の世界のニーズを満たす有効な化粧とうちとは、
まず洗顔して余計な【有機物】を洗浄あおきせいじょうなるせかいのためにした後、
後々のちのちの水と油の紛争はだあれをなくすために乳液ちょうていしゃに立ち上がってもらうことだ。

うむ、脱線がすぎたな。


【動画①】クロロホルムと着色水溶液

動画内で言及が無いので説明しておく。

クロロホルム = 有機溶媒ゆうきぶつ
着色水溶液こんごうぶつ = 色素ゆうきぶつ + むきぶつ

である。
【抽出】の原理原則通り、
有機物あぶらけい無機物みずけいが相性が悪く、
有機物あぶらけい同士が仲が良いという性質を利用して
着色水溶液から色素だけを【抽出】する実験を行っている。

使用する実験器具に【分液漏斗】というものが登場するが、
「シャカシャカ混ぜたり排出したりするのに便利な形をした器具やね」
という程度の認識で十分だ。

こうしたら危険、こうしたら精度が上がる、等にも注目して見てみよう。

【抽出】の動画は全部で3本紹介するのだが、
初心者への優しさというか説明の丁寧さはこの動画が一番かもしれない。

たださ、文句ではないのだけど、
活舌かつぜつとか金属製のジャラジャラした腕時計とか可燃性のセーターとか、
実験的にはどうなのというのがちょっとあってA型の羊は絶滅しそう。
文句では全く無いのよ?
本当だょ?

・・・次の動画は、
使ってる試薬とか説明とかちょっとハードルが高いというか
中級者向けという感じなのでメインとしては紹介しないが
なかなか興味深いので良ければこちらも視聴してみてほしい。
っぱ京都大学なんだワ、ってなると思う。

【動画②】ヘキサンとヨウ素ヨウ化カリウム溶液

これもまた動画内で言及が無いので説明しておく。

ヘキサン = 有機溶媒ゆうきぶつ
ヨウ素ヨウ化カリウム溶液こんごうぶつ = ヨウ素むきぶつ + ヨウ化カリウム水溶液むきぶつ

「ん?」となった羊はここまでの流れを良く理解できている優秀羊だ。

有機物あぶらけい無機物みずけいは相性が悪いと散々言及してきたのに
ヨウ素むきぶつヘキサンゆうきぶつに移動してしまっている。
何故なのか。

ここで【極性分子】【無極性分子】の知識が必要になるのだが、
詳しくは【イオン】の範囲で学ぶので簡単に。

【有機物】【無機物】という派閥があるのと同じように
分子には構造上のある理由で
【極性分子】【無極性分子】という派閥に分類することが出来る。

【極性分子】【無極性分子】は相性が悪く混ざり合わないが、
【極性分子】同士はとても仲が良く
【無極性分子】同士もとても仲が良い。

ほとん有機物あぶらけいとう無機物みずけいとうの関係と同じじゃん!」

その通りである。
単に仲が良い悪いの種類の違いだけである。
繰り返すがこの理由の説明は【イオン】の範囲でするので割愛する。

因みに前回の【昇華】の実験動画にて
冷却後のお父さんの無精ヒゲみたいになったヨウ素むきょくせいの結晶に
きょくせいをかけるとはじかれるが
シクロヘキサンむきょくせいをかけるとべちゃっと馴染んでいた。
そんな様子を観察できるので後でもう一度見てみると良いよ。

【復習】
前回の記事内 【昇華(法)】の1本目の動画(1:55から)

・・・話を戻す。
ヨウ素むきぶつの特殊な性質、つまりヨウ素分子は【無極性分子】なので、
同じく【無極性分子】ヘキサンゆうきぶつとは相性が良いのである。

よって、【分液漏斗】でシャカシャカすると
ヨウ素だけがヘキサンに移るのだ。

高校の化学の教科書で記載されている【抽出】実験ほとんどが
このヘキサンヨウ素ヨウ化カリウム溶液のペアである。
つまり超有名どころってこと。
【抽出】実験と言えばコレ!みたいな。
それを1分43秒という簡潔さで比較的解り易くまとめてあったので
この記事でも紹介しておくことにした。

【動画③】ヘキサンと胡麻

最後は【発展】として紹介する。
【発展】と言ってもそんなに難しい事ではない。
事前知識を説明しておく。

ヘキサン = 有機溶媒ゆうきぶつ
胡麻ごま = ごま油ゆうきぶつ + 残りカス

残りカスも結局は植物由来なので厳密には【有機物】なのだが、
ヘキサンに長時間漬け込むわけではないので
実際に【抽出】されるのはごま油だけである。

使っている装置も面白い。
【分液漏斗】のような単純なものではなく
【ソックスレー抽出器】といって温度も利用したものだ。
溶媒えきたいの温度が高い程溶解度げんかいちも高くなるからね。
残りカスが出るような溶媒えきたいに明らかに溶けにくい物ゴマそのものからでも
特定の【純物質】【抽出】できる優れもの。

但し、ヘキサンは溶媒ちゅうしゅつさきとして有能ではあるが
【液体】でも可燃性【気体】ではもっと可燃性でとなかなか危険な物質。

温めて使いたいけど温めると危険
そんな難点を解消してくれる優れた【抽出】装置である。

そして何よりも注目してほしいのは【抽出】後の操作だ。

本来【抽出】そのものは暴論で言えば移動したら完了●●●●●●●なのだ。
残念なことに教科書でもその後の世界が描かれないことが非常に多い。

だからこの記事の冒頭でも言及したが、
【抽出】には本来は【蒸留】【再結晶】【乾燥】が伴う、と。

きっちり事後処理までして初めて True End なのだ。
A型の羊もニッコリである。

【抽出】した後の世界までちゃんと実験・解説してくれるので
現状はこの動画が一番解り易くて詳しいと思う。
是非最後まで視聴してほしい。

分離操作⑥ クロマトグラフィー

【混合物】を含んだ溶液が濾紙ろし吸着剤を通った時の展開比によって
分離を確認するための【分離操作】のこと。

【分離操作】と言っても、
【蒸留】【再結晶】のように大量分離・大量取得が得意なものと、
先の【抽出】のように少量取得による存在確認の方が得意なものとがある。

この【クロマトグラフィー】はモロに後者であり、
というか最早もはや少量取得すらもない、
単純な存在確認のための【分離操作】であると言っても過言ではない。

原理を簡単に説明する。

複数の【純物質】が混ざった【混合溶液】がある。
この溶液に濾紙の端を浸ける。
それぞれの【純物質】の重さとか浸透度しみやすさなどは個性である。
つまり、濾紙に溶液が浸透していくが【純物質】展開度のびやすさがそれぞれ違う。
それぞれの展開度のびやすさに応じて濾紙にグラデーションが出来る。
出来たグラデーションを見て
「ああ、アレがあったね」
「コレが一番多いね」
という風に存在確認をするのである。

以上だ。

「・・・え?マ?暴論過ぎひん?」

全くその通り。
だが事実を端的に述べるとそうなる。

・・・【抽出】で記事を書ききった感が出てしまって
なんか面倒くさくなったとか別にそういうのでは決してない。

【動画①】 色素の展開比はそれぞれ違う。

先述した通り【クロマトグラフィー】というのは
【分離操作】であることは間違いないのだが、
どちらかというと【化学】的な生産系の実験ではなく
【生物学】における分析実験の性質により近いのである。

特に色素というのは重要な情報源になる。
色素の持つ展開比こせいというのは
温度とか濾紙の種類とか展開液の種類とか
そういう諸々の条件が同じならいつだって同じ展開比になるからだ。

【動画②】 Rf値から色素の正体を特定する。

溶液の浸透度の違いのことを展開比てんかいひまたは Rf値 という。
Rf値 の求め方については次の動画の3分45秒のところを参照してくれ、

大事な事なのでもう一度言及しておく。

色素の持つ展開比こせいというのは
温度とか濾紙の種類とか展開液の種類とか
そういう諸々の条件が同じならいつだって同じ展開比である。

膨大な研究結果データの中には
色素の展開比(Rf値)もしっかりある訳で、
例えばクロロフィルとかカロテンとかそういった色素の展開比
既に判明しているのである。

だから、目の前で実験した濾紙の展開比を計算して
値が幾つだからこれはクロロフィルだねといった風に断定が出来るのだ。

凄いことではある。
犯罪捜査とか凄い役に立ちそう。
電気泳動実験によるDNA検出とかも
原理はともかく展開度という意味では基本的には同じような概念だし。

ま、何事も無駄なことはないってことだな。
実験として成立するからには簡単そうに見えても
今でも採用されている相応の理由があるってこった。


蛇足だが、濾紙を使った【ペーパークロマトグラフィー】なら
早いところで【小5理科】、遅くとも【中3理科】実施済み●●●●
ていうね。

時の流れって奴は残酷だよ、ほんと。

どのくらいビビるかって
教師生活の寝坊で主任からモーニングコール受けて起床とかいう
今でも震えが止まらない出来事と同じくらいビビる。

クロノトリガーの【風の憧憬】を聞いて
ああ、あの時は確かに少年だった・・・。
思えば随分遠くへ来てしまったな・・・。
とか涙が出るくらいには残酷。

どちらもいい時代だったなぁ。

未来をしっかり見据えている自信があるから
戻りたいとは全く思わないけどね!


さて、3時間に渡って【分離操作】について学んで来た。
楽しかった?
楽しめたのなら私も嬉しい。

次回は
【クロマトグラフィー】みたいなある意味では【分離操作】
でも実際は【検出反応】に近い簡単な実験3つについて触れていくよ!

続きが気になってオラ/アタシ、ワクワクすっぞな羊は
良かったらチャンネル登録や good ボタン、
スキボタンやブックマークをよろしくお願いします。

オレこそが羊界の「ずの~!」だから実験なんか余裕だぜという羊は
「オレ的懐かしくて涙が出るエピソードNo.1」を
コメント欄に是非コメントしていって下さい。

では、おつのまk~!

いいなと思ったら応援しよう!