🔶考察🔶 娘に贈る回顧録 9/7300 空を見上げて
🔶体調が良くない日は…
学校を休むことが多かった。
アレルギーで肌の調子が悪いと、
気持ちも落ち込む。
かゆみと痛みで夜も眠れない。
やっと寝付いた頃には、
空が明るくなっていた。
今から起こして学校へ行かせるのは、
身体が辛いだろう。
まだ1年生だし、今日はお休みさせよう。
寝ている間に、
部屋の掃除。
昼前に目覚めて、またグズリ出す。
食事、そして薬。
お風呂、そしてステロイド。
おとなしくしてくれている間に、
寝具の交換と洗濯。
食器の片付け。
やっと落ち着くのは夕方になってから。
夕飯はどうしよう。
買い物には行けなかった。
洗濯物取り込んで。
片付けて。
座り込む。
疲れた。
眠い。
心配。
なぜ。
どうして。
アレルギーさえなければ。
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『くまさん』
『おさかな』
窓際から声がする。
近づくと、空を見上げて
指をさしている。
雲。
力が抜けた。
そうだ、
一番辛いのはこの子なんだ。
痛みに耐えて、ベタベタな薬も
我慢して。
お友だちとも遊べない。
ただ空を見上げて、
気持ちを紛らわしているのか。
「他には何が見えるかな?」
振り向いて、笑顔。
しばらく、想像遊びに興じる。
いいじゃない、こんな日も。
お風呂もいれたし、
お昼ご飯も食べさせたし、
洗濯も、
掃除も、
ちゃんと終わったし。
夕飯は納豆ご飯と味噌汁だけど。
この子と笑いながら過ごせる時間を
もう少し。
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今夜は眠れるだろうか。
明日は学校に行けるだろうか。
笑顔を見られるだろうか。
🔶計画変更の決断
本来なら一年生になれば、朝の登校すれば、
夕方までは学校で過ごすわけなので、
親の時間も確保出来ます。
今まで専業主婦、主夫をしていても、
小学校に慣れてきたらパートを始めたり、
職場復帰を計画しようと考えます。
我が家もそのつもりでした。
幼稚園も体調によってはお休みさせていたので、
学校に慣れるにも時間がかかることは予想
しつつも、準備を始めていました。
ところが、思うようには上手くは進みません。
アトピーの悪化と疲れから来る発熱が続き、
機嫌の悪い日も多かったのです。
必然的に計画変更です。
社会復帰は諦めて、もう少し家にいることに
しました。
そんなある日の一場面です。
学校には行けず、一緒にいる母親は
なにやら忙しそうで、少しイライラもしていて。
まだまだ甘えたい幼い頃だったのに、
1人遊びをしていたのです。
🔶幼いのだと思い出す
親は思います。
もう小学生になったのだから。
もう○年生になったのだから。
もう○才なのだから。
環境が変わったり、学年が上がると
ついつい成長した気がして、過度な期待を
持ってしまいがちです。
ですが、先週まで幼稚園児だった。
数週間前まで低学年だった。
その事を思い出して下さい。
子供に対して優しくなれると思います。
思い描いた計画が上手く進まない事に
苛立つ事もあるでしょう。
私はそうでした。
特にアレルギーを持っていることで、
やることがたくさんあるように思いました。
食事、服用薬、塗布薬の管理。
部屋の衛生管理、etc.
忙しいと思い込んでいたのです。
やらなければいけない事よりも、
やらなくてもいい事に目を向けたら
楽になれます。
そんなことを教えてもらった場面でもありました。
一緒に雲を眺める、良い時間でした。