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小学生が週間連載を買うの無理ゲー|「MAJOR」満田拓也(読書日記)

あなた世代の王道スポーツマンガといえばなんですか?私は断然「MAJOR」です!

天性のセンスを持つ主人公、茂野吾郎(しげのごろう)の野球人生が描かれた作品で「幼稚園時代」「三船リトル(小学生)時代」「三船東中時代」「海堂学園高校時代」「聖秀学園高校時代」「メンフィスバッツ(マイナーリーグ)時代」「W杯日本代表時代」「インディアナホーネッツ(メジャーリーグ)時代」「日本プロ野球時代」って部が分けられていることからも分かるように、吾郎はずーっと野球に魂燃やして生きている。
彼の特性の1つに逆境に立った時のパワーがハンパないっていうのがあるんだけど、これが清々しいくらいに圧倒的でまさに主人公の器。
その逆境っていうのも単にライバルが強いなんてレベルじゃないのよ。唯一の家族である父親が試合中のデッドボールで死んでしまったり、リトル時代に右肩を壊すまで投げて右投げが一生出来なくなったり、甲子園ビジネスの陰謀に巻き込まれて高校野球を干されたり、プロ野球のドラフトを蹴って単身渡米をしたり、呼ばれてもいないWBCのキャンプに参加して代表入りを目論んだり…。
メジャーリーガーになってももう勘弁してあげてよってくらいの苦難がいくつもあるのだけど、それも全部力に変えて世界一のピッチャーになっていく。
書きながら人生ハードすぎてびっくりしちゃった。不思議と読んでいるとハードに感じない。
むしろ吾郎の野球スタイルを見ていると、人生はめっちゃ楽しくて夢に満ちてるなって思えます。

そんなMAJORの登場人物でドリームチームを作るならこんな感じ。

少年心だけでなく、乙女心も完全に持っていかれる。
野球だけを熱く追いかけていた吾郎少年が大人になって恋愛という感情が芽生えた時、あの真っ直ぐな心の向く先が自分になる妄想…。
正直、あの眼差しで見つめられたら胸がキュンどころかまともに声も発せないと思う。キモくてすみません。私がメジャーにハマったのは9歳(小学校3年生)で、それはもう長い片思いをしているようなものだから〜〜。勘弁!

9歳なんて、たまに祖父母からもらうお小遣いでやっとコミックスが買える年齢。
でもね、満田先生ってまーじで筆が早いんだよ。全然最新刊に追いつけないの。
だから父と母にもメジャーを買ってもらうために、家の手伝いをしながら魅力をプレゼンしまくっていた。あの頃口を開けば「吾郎はねー、」って言っていた気がする。

それでもいつも買ってもらえるわけじゃないから「習い事ガチる作戦」
当時、大会とか発表会の副賞は大体図書券だった。ピアノ、弓道、水泳…結構頑張った。特に弓道は大会で優勝すると五千円分とか貰える日もあるから力入りました。
あと進研ゼミの赤ペン先生の締切を守った時もたまに貰えたな。とにかく、メジャーのほとんどは図書券で手に入れたと言っても過言でない。誕生日プレゼントとかサンタさんへのリクエストも基本図書券をねだったもの。

しかしながらそこまでしても満田先生の刊行の早さの方が上で、最終的には「妹にも習い事ガチらせる作戦」になってた。妹が弓道で優勝すると、土下座スタイルで「メジャーを買って!!!!」って頼み込んだ。すべてはメジャーのため。読みたいという欲求の前ではちゃちなプライドは消え去るのよ。
そして買ってくれる妹。あの時は本当にありがとう。今でもメジャーは二人の共有財産だよ✌️
こんなように、小学生が連載マンガを買うって本当に本当に大変なのだ。しかもメジャーは全78巻あって、買い始めた頃はそんなに長編になると思っていなかったよね。
でも後にはひけなかった。

周りにはメジャー好きって男子しかいなくて(友だちはちゃお派だった)学校ではメジャーラバーであることをなんとなく隠していたのだけど、いつも買いに行っていた小さな個人経営の本屋さんの店主に「メジャーが好きなのかい?」ってすっごく満面の笑みで話しかけられたことがあった。
普段公表してないからなのか、すっごく恥ずかしくてその本屋に通えなくなった。
「ただでさえ入手するのに苦労していたのに、もっと遠い本屋さんで買うことになったじゃないか!」って当時は怒ってた。今では全然悪気ないことが分かるので、店主ゴメン😖って思う。

そんな私も大人になり、欲しいマンガを買って、好きなものを好きと声高に言って、アプリでマンガを読むようになったけれど、
苦労をして手に入れた大きな喜びを噛み締めながら読んだ昔の日のことを思い出すと「MAJOR」は永久に特別なマンガだなあと思うのである。

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