底の中でも大丈夫になるって決まってる✌️|「キッチン」吉本ばなな（読書日記）

「私がこの世で一番好きな場所は台所だと思う」の一節から始まるこの小説が大好きです。初めの一行が魅力的な小説は多々あれど、キッチンの一行目は特に好き。

キッチン (新潮文庫)

キッチンは、世界中で読まれている本。人類にはキッチン好き界隈が多いんだろう、きっと。世界中のキッチン好きがこれは私の物語だって信じてしまう、一瞬で心を掴む力がある一行。

この小説は、大切な家族との別れで参ってしまいそうな男女がお互いの絆を意識しながら未来を結びつけようとしていく話。
静かで温かで不器用。唐突にやってくる底の中でも大丈夫になるように最初から決まっていると思わせてくれる。

家族のうち3人（祖父、父、私）がこの小説をそれぞれに買って持っているのだけど、家で1番古い本棚で見つけたこの初期の装丁が1番好きです。心から気に入ってるので借りパクしてる。

旅先にipadを持ってくるのを忘れてしまって、短い文章です。
読んで頂きありがとうございます。