われら世代の部活あるある
今日は、高校の部活動の同級生と忘年会だ。
私の人生の中でもインパクトの強い出来事に溢れていた高校時代。卒業してから10年以上が経った今も、覚えていることが多い。
中でも、所属していた野球部は少し変わっていた。もしかすると、現在の高校生からしたら考えられないことばかりなのかもしれない。
今回は、今振り返ると「変かも?」と思うルールや文化や出来事を、同世代の人たちも同じようなことを経験したであろうと勝手に決めつけ、「部活あるある」として紹介する。
いかなる時も、挨拶
高校に入学して野球部に入部したのち、2年生の先輩に最初に教わったのが、挨拶について。絶対に守らなければいけない3つの鉄則があった。
①10時までは「おはようございます」
②10時以降は「こんにちは」
③校内で先輩や先生に遭遇したら、どんなに離れていても全力で挨拶する
最初の頃はとにかくビビっていたので、1年生はとにかく時計を確認していた。朝に「コンニチワ!!」と叫んで注意される同級生を見て、哀れな気持ちになった。ただ、この時間ルールは慣れれば問題なかった。
厄介なのが、3つ目だ。校内で先輩を見かけたら全力挨拶、というのもそうだが、より抵抗があったシーンがある。授業だ。
野球部には監督とコーチがいて、2人とも保健体育の先生だった。もちろん、教室の中でもルールは適用されるので、監督もしくはコーチの授業の場合、先生が入ってきた瞬間、椅子が「ガタンッ」と音を立てる勢いで立ち上がり、全力で「オハヨウゴザイマス!!」と、90°のお辞儀をしながら叫ぶ。
1年生の時のクラスには野球部が4人いた。軍隊のごとき様相に、クラスメイトから何事だと思われていたに違いない。
はい?は厳禁
コミュニケーションに関して、もう一つの掟があった。先輩や先生に何か言われて、その内容が聞き取れなかった時、必ず「もう一度お願いします」と返さなければいけないというルールだ。
「はい?」「え?」等はもってのほか。同級生たちも最初はできない人が多く、「はい?(ヤベッ)」
「スミマセン!!もう一度お願いします」みたいなやりとりが頻繁に起きていた。
ただ、慣れというのは恐い。2年生にもなると、はっきりと「もう一度お願いします」と発音する人の方が少なくなっていた気がする。
もう一度お願いします!!
もう一度おねしゃす!!
もいちどおしゃす!!
モチャス!!
なんだモチャスって。
あれ、ジャーキングっていうらしい
高校時代、部活ではとにかく練習した。朝は7時に登校して1限まで自主練習、午後は15時ごろから全体練習が始まる。公立高校ながらナイター設備があったため、早い日で20時、遅い日は22時ごろまで練習は続いた。帰宅後、さらに自主練習をすることも多かった。
体力ゲージを毎日0まで使い切っていたので、常にヘトヘト。通学の電車やバスの中はもちろん、誠に遺憾ながら授業中に居眠りしてしまうこともあった。
部活動自体には充実感を感じていたので、厳しさもあったが辞めようと思ったことはない。しかし、ひとつ悩みがあった。
居眠りをしているときに、体が「ビクンッ」と突発的に動いてしまう、あれだ。
野球部に、帰り道が同じ同期が1人いた。運が良い時は2人で席に座ることができたのだが、私がふとした瞬間にビクッと身体を震わせるので、驚いていた。最初の方こそ笑っていた同期だが、段々と怪訝な反応になる。でも、すまない。自分ではどうしようもできないんだ。
この症状は、学校の授業中だろうと関係なく襲ってくる。例えば数学の授業。高校2年生の頃には文系と理系で受ける授業が別れていたので、同じ教室内には20名程度しかいない。そんな中で私は、たまに居眠りをしてしまうことがあった。
日夜の練習漬けで疲労がピークに達し、机に突っ伏して寝てしまっていたある日、手が勝手に激しく動き、教科書とノートを思い切り払いのけて、前方に吹っ飛んでいってしまった。
先生からすると、授業が嫌になって癇癪を起こした生徒のように見えたかもしれない。
また、クラスメイト約40名と世界史の授業を受けていたある日。ヨーロッパの戦争の歴史について先生が解説をしている傍ら、通常どおり座ったまま首を少し下に向けて寝てしまっていた私。後ろの席で様子を見ていた野球部同期の証言によると、左右にフラフラと揺れていたらしい。
そして、次の瞬間。左右への振れ幅が大きくなって本能的に危機を感じたのか、単なる偶然なのかは分からないが、右側に身体が傾いたタイミングで、机を両手でガッチリと掴む私。そのまま床へとダイブ。見事に横転した。
「ガッシャーン!!」
大きな音に驚いて目を覚ますと、私は床にペタンとへたり込み、全員の視線が集まっている。状況が理解できず、教室は静寂に包まれている。笑いが起きるようなこともなく、色々な意味で滑ってしまった。
この一件があった後、これは何かの病気ではないのかと真剣に考えた。いつもの帰り道、電車内で同期に相談をしていたとき、見せてくれたガラケーの画面には、「ジャーキング」という6文字。
聞き馴染みがない言葉に、さらに不安になる。だが、よく見てみると、どうやら病気ではなく、基本的に健康への影響はほとんどないらしい。
数学や世界史の授業で起きてしまったことの原因が分かって腑に落ちたが、結局対策はしようがなく、現在も電車の座席でビクついては、頭を後ろの窓ガラスに強打して飛び起き、何事もなかったかのように振る舞っている。
バレー部の妻(番外編)
中学校で女子バレー部に所属していたという妻にも、話を聞いてみた。
気になったのは、「斜め立ちをしないこと」。先輩の話を聞く時、どちらかの足に重心をかけた立ち方をしていると、それは「ナメている」ということになるらしい。
ただの、いちゃもんである。しかし、当時はそういったことが当たり前で、それが普通に考えるとおかしいということに中々気づかない。段々と順応し、ついには後輩として入部してくる1年生にも同じことを強いてしまう。
良く言えば伝統、悪く言えば悪習。今の中学生や高校生たちは、どんな青春を送っているのだろう。そんなことを考えながら、思い出話に花を咲かせに、忘年会へと向かう。