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マハーバーラタ 5.準備の章

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マハーバーラタの第5章 約束通り国を返してもらおうとするパーンダヴァ達。 争いを避けようと全力を尽くすが・・・。
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マハーバーラタ/5-1.ヴィラータ宮廷での作戦会議

5.準備の章5-1.ヴィラータ宮廷での作戦会議 第一章(始まりの章)あらすじはこちら 第二章(サバーの章)あらすじはこちら 第三章(森の章)あらすじはこちら 第四章(ヴィラータの章)あらすじはこちら アビマンニュの結婚式は終わった。 喜びのひとときは終わり、パーンダヴァ達の将来についての計画を立てる時がやってきた。 ヴィラータの町の集会ホールには各国の獅子達が集まり始めた。 最初にやってきたのはドゥルパダ王とヴィラータ王という二人の大ベテランであった。 ドゥルパダの横に

マハーバーラタ/5-2.クリシュナの元へ急ぐアルジュナとドゥルヨーダナ

5-2.クリシュナの元へ急ぐアルジュナとドゥルヨーダナ ドゥルパダはハスティナープラへ送る使者を呼んだ。 その使者は以前王と一緒に暮らしていたことがあるブラーフマナで、尊厳のある態度を示すことができる反面、媚びることができない性格であった。 「あなたは賢い人だ。これまでユディシュティラになされた不正行為についても全て知っている。カウラヴァ達のこともよく知っているだろう。 きっとドゥルヨーダナに話しかけても、きっと王国を返すことを拒むだろう。ですからドゥリタラーシュトラに話し

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マハーバーラタ/5-3.アルジュナの御者クリシュナ

5-3.アルジュナの御者クリシュナ ドゥルヨーダナが部屋から去り、クリシュナはアルジュナに尋ねた。 「あなたは馬鹿だ。なぜあなたは私の軍を敵に回し、武器を持たない私を選んだんだ? 考えが曇ってしまったのか?」 アルジュナは声高に笑った。 「クリシュナよ。私は何も心配なんてしていない。誰がどちらの側で戦うかなんて心配する必要はないんだ。 クリシュナ、あなたが欲しいんだ。私達を導く船頭であり、友達であるあなただ。分かっているでしょう? 私を試そうとしているのかい? 武器を持た

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マハーバーラタ/5-4.両軍集結

5-4.両軍集結 マドラのシャルヤ王は13年の追放期間が終わったことを聞き、妹の息子達であるパーンダヴァ達の元へ向かっていた。 彼は自国に1アクシャウヒニの軍を残し、息子達を連れてウパプラッヴャを目指していた。 ドゥルヨーダナはシャルヤがウパプラッヴャへ向かったことを聞き、彼を味方に引き入れる為の策を講じた。 シャルヤの軍が進む道の至る所に休憩場所となるキャンプを作り、彼の軍が快適に休憩できるようにし、物資の補給、娯楽まで提供した。 まるでインドラを歓迎するかのようであっ

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マハーバーラタ/5-5.ドゥリタラーシュトラの返事

5-5.ドゥリタラーシュトラの返事 パーンダヴァ達の使者として送られたブラーフマナがハスティナープラへ到着した。 その使者はカウラヴァ達から歓迎され、集会ホールに通された。 「お集まりの皆様。 この集会ホールは正義の意味を知る英雄達で埋め尽くされています。皆さんクシャットリヤと王が従うべきルールをご存じでしょう。 ここにいらっしゃるドゥリタラーシュトラ王と、今は亡きパーンドゥが兄弟であることは世界中で知られています。 この二人共が生得権として王国を支配する権利を持ちます。

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マハーバーラタ/5-6.パーンダヴァ達の返事

5-6.パーンダヴァ達の返事 サンジャヤはドゥリタラーシュトラ王の伝言を全て話し、静かに座った。 沈黙が流れた。 ドゥリタラーシュトラのあまりの厚かましい言葉に全員が呆然としてしまっていた。 ビーマは座っていられず、席から立ちあがり、大股歩きでうろうろした。 サハデーヴァの胸は小刻みに波打ち、まるで雷雲のようであった。 アルジュナは今にもガーンディーヴァを手に取って進軍しようと言わんばかりにクリシュナの方を見た。 ドゥルパダ王は仰天した様子で座っていた。 サンジャヤは回

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マハーバーラタ/5-7.ヴィドゥラの教え

5-7.ヴィドゥラの教え サンジャヤはハスティナープラへ戻り、直ちに王へ報告した。 「ドゥリタラーシュトラ王よ。 ユディシュティラはあなたに対して尊敬の気持ちを示し、あなたやあなたの息子、こちら側にいる皆の幸福を祈っていました。 彼の弟達やクリシュナも親切にしてくれました。 パーンダヴァ達の平和的な雰囲気は、まるで山々の清々しい甘い空気を吸っているかのようでした。 その中で私はあなたの命令によって嫌な仕事をしてきました。あなたは不正な人で、あなたの息子達は罪人です。罪を重ね

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マハーバーラタ/5-8.カウラヴァ宮廷でのサンジャヤ

5-8.カウラヴァ宮廷でのサンジャヤ カウラヴァの宮廷ではサンジャヤによる報告が始まろうとしていた。 ドゥリタラーシュトラはその場に集まった全員に対してウパプラッヴャでの出来事を話すよう頼んだ。 サンジャヤは出来事の全てを詳しく鮮明に話した。 ドゥリタラーシュトラの伝言を聞いた全員の発言を一言も省略することなく、彼らの顔に浮かんだ表情まで正確に伝えた。 そしてクリシュナ、ユディシュティラ、アルジュナからの伝言も話した。 サンジャヤが説明している間、誰一人として口を開く者は

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マハーバーラタ/5-9.「5つの町」の真意

5-9.「5つの町」の真意 ドゥルヨーダナは父を慰めるように話しかけた。 「父よ、恐れなくてよいです。 私はパーンダヴァの軍の大きさを完全に把握しています。スパイから詳細に聞いています。 13年前であれば、確かに私は打ち負かされるかもしれないと思っていました。 あの頃、クリシュナは軍隊を連れてカーミャカの森にいるパーンダヴァ達の所へ行き、私達を殺そうと提案したそうです。クリシュナはサーテャキやドゥリシュタケートゥ、ドゥリシュタデュムナ、ドゥルパダもと共に戦う準備を整えていま

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マハーバーラタ/5-10.希望を託されたクリシュナ

5-10.希望を託されたクリシュナ サンジャヤが出発した後、自らハスティナープラへ行くことを提案したクリシュナと共に会議が行われた。 ユディシュティラが話し始めた。 「クリシュナ。決断すべき時が来てしまいました。 私はあなたに全てを委ねます。 伯父ドゥリタラーシュトラの伝言は、最初のうちはとても丁寧な言葉でしたが、最後は我慢ならないものでした。あの王は何が正しくて何が間違っているのか全く分かっていません。 息子への愛情によって曇った彼の知性は真実に直面することを拒んでいるの

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マハーバーラタ/5-11.クリシュナの歓迎

5-11.クリシュナの歓迎 ドゥリタラーシュトラはクリシュナがやってくるとの報告をスパイから聞き、ビーシュマやヴィドゥラ達を呼んだ。 「偉大なクリシュナがここに来るそうだ。彼をもてなす準備をすべきと思うのだが、どう思いますか?」 ビーシュマ達は賛成した。 ドゥルヨーダナが全ての準備を整えるように手配した。 ドゥリタラーシュトラはヴィドゥラに話した。 「クリシュナは今晩クシャスタラで休み、明日ハスティナープラへ到着するだろう。彼の歓迎会を取り仕切ってくれないか? たくさんの

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マハーバーラタ/5-12.クリシュナとヴィドゥラ

5-12.クリシュナとヴィドゥラ クリシュナはヴィドゥラの家を出発してドゥルヨーダナの宮廷へ向かった。 その宮廷はとても美しく、まるでインドラの宮廷のようであった。 階段を上り、大きなホールに入ると玉座にはドゥルヨーダナが座っていた。 その傍にはドゥッシャーサナとラーデーヤが座っていたが、 クリシュナがやってきたのを見ると全員が立ち上がり、 誠意をもってクリシュナを迎えた。 宝石で格子細工が施され、象牙と金が嵌め込まれた席にクリシュナは案内された。 ドゥルヨーダナがクリ

マハーバーラタ/5-13.平和の使者クリシュナ

5-13.平和の使者クリシュナ 翌朝、ドゥルヨーダナと他の者達と共にクリシュナを迎えに行った。 彼がヴィドゥラの家に到着した時、クリシュナはちょうど朝の日課を終えたところであった。 御者ダールカが運んできた戦闘馬車にクリシュナは乗り込み、宮廷に向かって出発した。 ドゥルヨーダナはラーデーヤと共に戦闘馬車でクリシュナの後に続いた。 この2台の戦闘馬車の後に続いたのはサーテャキとクリタヴァルマーであった。 宮廷の入口では儀仗兵が待ち構え、荘厳な歓迎が行われた。 町中の人々が

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マハーバーラタ/5-14.ドゥルヨーダナの怒り

5-14.ドゥルヨーダナの怒り ドゥルヨーダナはクリシュナの話をずっと聞いていた。 そしてついにクリシュナの方へ目を向けて話し始めた。 「クリシュナ、長い話でしたね。 そして、まるで私一人が全ての非難を受けているようだ。 慈悲深いあなた、父、祖父、先生、ヴィドゥラ。 皆が私を非難しているように聞こえる。 私には分からない。 理解しようと努力してみたが、 やはり私が間違っているというのが理解できないんだ。 これまでの経緯を整理させてくれ。 ユディシュティラは自ら進んで伯父

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