【凸版印刷株式会社】労災認定された精神疾患を会社としても業務上の災害として認めてください
凸版印刷で働くAさんが総合サポートユニオンに加入し、昨年12月以来、団体交渉を続けています。
主な議題は、Aさんにフレックス制を適用することと、Aさんが一昨年に労基署から労災認定を受けた精神疾患について会社でも労災として扱うことの二点です。
通常は考えられないことなのですが、凸版印刷では労基署からの労災認定があっても自社の就業規則上は労災として扱わないという主張を1年近くも続けているのです。
労災認定についてはすでに多くのメディアが報道していますので、お読みください。
「「凸版印刷」で精神疾患の労災認定 「残業したから懲戒」という不可解な論理」(今野晴貴Yahoo個人ニュース)
フレックス制不適用で労災 凸版女性社員、差別と認定(2023年03月06日共同通信)
差別待遇「むなしさ残る」 労災認定の凸版女性社員(2023年03月07日共同通信)
下記は、Aさんから皆さんへのメッセージです。ぜひお読みください。
そしてAさんの闘いへのご支援をよろしくお願いします。
凸版で労働問題にお悩みの方は是非ご相談ください。
なお、ユニオンの団体交渉の結果、フレックス制は今年3月からAさんにも適用されるようになりました。
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はじめまして。
私は凸版印刷株式会社に勤めています。
中途採用で正社員として凸版印刷に入社し、社員教育の企画運営など人財育成全般の業務を遂行してまいりました。
この度、個人加盟の労働組合「総合サポートユニオン」に加入し、凸版印刷株式会社に対し労働条件に関する要求および団体交渉を続けております。先日、2022年4月末に凸版印刷が中央労働基準監督署より労災認定を受けたことを厚生労働省にて会見をしてまいりましたのでご報告申し上げます。
労災の原因は、子育てのために希望したフレックスタイム制度を、禁止されていた在宅での残業を過去にしたことを理由に適用されず、かつ懲戒処分を受け重度ストレス障害と適応障害で休職をすることとなりました。このことが後に、労働基準監督署より「仕事上の差別、不利益取り扱い」で労働災害と認定されました。
現在は復職をして元の職場で働いておりますが、凸版印刷は業務上の災害と認めず労働条件や処遇で不利益を被っており、団体交渉を通じて会社に改善を求めております。
今回は、先日の記者会見で私がお話をした内容についてお伝えいたします。
【3月7日記者会見】
本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。
私は、2011年に凸版印刷に中途採用で人事労政本部の正社員として配属されました。主に担当している業務は社員教育の企画運営など人財育成全般です。2人の子を育てながら働く母親です。下の子は6歳で心身に障害があり4月からは特別支援学校に通うことになっております。
労災認定されても、会社は就業規則上の業務上の災害とは認めず、私傷病扱いとされ今も不利益を被っています。社内でも私の労災を知っている人は少ないです。この度会見を開かせていただきましたのは、私の労災認定の出来事を広く知っていただき、凸版印刷だけでなく他でも同じような労災後の不利益な取り扱いが繰り返されないようにと考えたからです。
〇コロナ発生直後、育児をしながら70時間残業に
2020年緊急事態宣言が出され小学校や保育園も休みになり、育児も並行し仕事をしていました。2020年4月の残業時間は約70時間にも及び、会社に正確に申告したところ、上司から間接的に「45時間を超えて申請している人がいる。どういうつもりなのか。子供がいる人は残業をするぐらいなら有給休暇で休んで欲しい」と嫌味を言われました。
2020年5月末緊急事態宣言も明け、会社は出社を求めてきました。しかしながら、小学校の学童が完全には再開せずに小2の子を一人にして仕事へ行くことができず、以前上司が話していた有給休暇を使いました。その休暇中に、人事制度が大きく変わり、私の勤務制度ではテレワークでの残業の禁止や、テレワークの回数が少ないことなど、労働条件が悪くなりました。収入も大きく減ってしまうことにこれからどうやって子育てと仕事を両立していこうか悩みました。
〇業務量過多で残業が必要だったが 上司からの叱責が怖くてサービス残業に
2020年8月に復職しましたが、小学生の子が午後には帰宅するため、午前出社、午後は休暇を取って対応しておりました。業務は減らされる訳ではなく逆に緊急事態宣言で止まっていた業務が2020年度後半期から再開することになり、相当量の仕事量をこなさなければなりませんでした。家で仕事をしていることは、管理職も知っていましたが、注意されることもありませんでした。休みを取った負い目があり、隠れて残業せざるを得ませんでした。
家事や育児で睡眠時間を削って仕事を続けており、当時の平均睡眠時間は2時間でした。私は会社に業務量の調整を求め、上司以外にも労政部、企業内組合にも相談しましたが解決しませんでした。会社のストレスチェックにもひっかかりこの生活を続ける訳にはいかないと思い、組合の上部団体に相談しサービス残業を清算できる機会が与えられました。やっと会社も動いてくれたと思い、残業代を申告しましたが、何度も勤務表の出し直しを求められ、最終的にはパソコンのログを分析して提出をしました。
12月には突然1週間テレワークにさせられました。次の週の月曜日に部署の1年に1回の報告会がありその資料を作るために残業が必要でしたが残業は付けては駄目だといわれていたのでサービス残業せざるをえませんでした。
〇認められなかったスマートワーク利用と、懲戒処分の開始
同じ頃、息子の発達障がいがみつかり、自治体よりすぐに療育へ通うように言われました。療育は、今の勤務体制では通えないため、スマートワークの利用を求めましたが、職場も労政部からも回答がもらえず、一か月以上放置されました。
年明けに抜き打ちで、労政部長との面談が実施されました。嫌な予感がしたため、とっさにスマホで録音をしました。それが後々、労災認定の大きな証拠となりました。面談は2回行われ、サービス残業に対する注意と主人と仕事上のデータをやりとりしたということでパソコンを没収されました。
2月のはじめ、上司から一連の件で懲罰の対象になったと告げられました。目の前が真っ白になりどうして良いか分からず、懲罰委員の一人の執行役員に電話で助けを求めました。役員からは、「人事労政本部の喧嘩は人事労政本部でどうにかして下さい」と、縦割り組織を象徴するような答えが返ってきました。また、社外取締役にメールで連絡をしましたが最後は返信がこなくなりました。そして体調を崩し、心療内科にかけこみました。
弁明の機会には、上司の同席も無く一人で弁明をしました。弁明の日を告げられたのは前日で準備まで24時間無く徹夜で準備をしました。懲罰委員会を構成しているメンバーの半数以上が人事労政本部の人で平等性を欠いているように思えました。弁明の機会もむなしく、懲罰は決定されました。上司の期待に応えたくて、仕事を頑張ってきたのに虚しさだけが残りました。
〇休職から労災認定、団体交渉のはじまり
懲罰が言い渡され、始末書を筆で書きました。もうこんな日常は無理だと思い家にパソコンを持ち帰りベッドに倒れると起き上がることができなくなり休職をしました。
そんなときネットでパワハラも労災になることを知り、労災申請をすることにしました。申請から1年ほどたってから労災認定を受けることができました。休職をして体調も回復していましたが、認定を受けてさらに体も回復したような気がしました。
休職から1年半で復職しましたが、会社は業務上の災害と認めず不利益が続いています。復職プログラム後に懲罰が実行されました。いまでも懲罰委員会のメンバーと同じフロアで働かされ、同僚からの隔離や過少な要求の仕事しか与えられず、評価は連続で一番下のD評価の扱いが続いています。
社内の労組や内部通報制度を利用しても回答が無く、これ以上、一人で戦っても報復を受け続けるだけだと思い、外に助けを求めるようになりました。組織風土を変えるためにきちんと組織の中に入っていける労働組合への加入を考え、その中でも行動力、発信力、影響力のある総合サポートユニオンに加入し、現在は会社に職場環境の改善と子育てと仕事が両立できる働き方を求め交渉しています。
〇同じ境遇にある皆様にお伝えしたいこと
総合サポートユニオンに入ることで、会社からの嫌がらせが減ったと思います。私と同じような境遇にある方は、ぜひ自分の心身を守るためにも早めに外部の組合を利用し外に仲間を作って助けてもらうことをおすすめします。一緒に声を上げていきましょう。
4月13日に第5回の団体交渉が開催されます。これまでの団交で、懲罰委員会の議事録の開示を求めてきましたが、凸版印刷は申入に応じず非公開とすると回答がありました。今後の展開についても、こちらで公開していく予定ですので、引き続きよろしくお願いします。
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