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【log.】「セックスで気持ちよくなる」がゴールの人と歩めなかった


相手の存在を感じ抜くのに適しているのは、快楽なんだろうか、それとも痛みなんだろうか。


快楽の海は潜れば潜るほど、自分の輪郭が溶けて相手と一つになって、気持ちよさはやがて気持ちよさなんて生易しいものじゃなく、神経を直接手繰られるような暴力的なものに変わってゆく。

そこでは理性も知性も思考も過去も未来どころか現在や己という概念すらない。概念という存在すら存在する余地のない、そんな、例えるなら命の穿つ点のみが存在するような場所。


けれどそこへと擬似的に瞬時に至れるのは、痛覚一点なのかもしれないと思う。



痛みを感じた時、警戒の思考が警鐘を鳴らして、体は強ばって退避に備える。耐えようと指先等に部分的に力が入る。


けれど痛みが段々と深さを増してゆくと、何処かで一瞬肉体が緩む。痛みを痛みでない何かの形に変えて、自分の奥深くへ飲み込むようになる。その瞬間、全身でないにせよ、痛みのその接点から溶けだすように自分が滲んでゆく。部分的に溶け合って変容してゆく。


そして更に深度を増すと、痛みは個体になる。神経をじわじわと犯す液体のような形から、溶け出した形に自分も固定される。そこには痛みだけがある。本能だけがある。痛みの分析とか、その先とか、そんな野暮はどこかへ行ってしまって、痛みとそれへの反射の二点。

前者の一点に限りなく近いところへと、一瞬で辿りついてしまう。

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「あのね、安心して性のことを話せたり、相談できる場所があったらいいなと思うんだ」 そんな友人の一言…

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