【log.】快楽の深海は息すらできなくて、名前すら呼ぶことがかなわない。
快楽の海に溺れるというけれど、
快楽の深海に沈んだら、息すらできない。
名前を呼ぶことすら叶わず、喘ぐというより苦痛への嗚咽に近い。子音は紡げても、母音が出ない。それに足るだけの酸素を、吸い込むことすらままならないから。
気持ちよくて、気持ちよくて、気持ちよくて、それはもう"気持ちよさ"なんて柔らかな形はしていない。苦しいもの。耐えるもの。拷問。そんな硬い言葉のほうがしくりと来る。だのに根底は気持ちいいから、体はもっと欲しくてもっと開いて深いところへと溺れていく。いつしか