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「今更伝えても変わらないよね…」を「大切にしてくれてありがとう」に変える、簡単だけど大切な方法
「今更伝えてもしょうがないよな…」セックスでも普段のコミュニケーションでも、こういうシーンって結構多いと思う。夫婦の家事の問題から、セックスのワンシーンまで。
「今更伝えたところで、どうにかなるものじゃないし」とか、「伝えても険悪な空気になるのが目に見えてるから」とか。私自身も「これは飲み込むべきか、伝えるべきか」みたいな分岐に立たされることは多いです。そんな「どう相手に伝えるか」について、読者さんが先日のインスタLIVEに質問をしてくださったので、ここ数日考えていたことを掘り下げて書いてみたいと思います。
(次回インスタLIVEは8/3(土)21:00〜行うので、よければフォローしてみてください!
▶︎@monogatariworks)
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男女に限らず自分と他人って、価値観も、嬉しいと感じる基準も全然違うから、「大切にしてもらえている」と感じる条件にびっくりするほど違いがある。仮に長い時間一緒に過ごしていて相手を深く知っているつもりでも、「前にこれをしたら喜んでくれた」はいつしか変わってしまっている。今自分の目の前にいる相手は、「今この瞬間に目の前にいる相手」でしかない。けれどこれを私たちは、過去の延長で捉えたり、カテゴリで判別したりして、よく勘違いしてしまう。
だって、楽だから。過去喜んでくれていたことを繰り返したり、「女性をイかせるテクニック」「男にモテる女の特徴3選」みたいなのを読んで理解した(気になる)方が、手っ取り早いから。でも、これこそがすれ違いを生んでしまう。「今更」の空気を作り出してしまう。「目の前の相手に真っ直ぐに訊く」というすごくシンプルなことが、どうしてかすごく難しい。
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先日のインスタLIVEでも触れたこの言葉は、『今日、誰のために生きる?』という本にあった言葉です。手を握ったり、抱きしめたりしながら話をしたら、嫌でも「今この瞬間に目の前にいる相手」として認識ができるから、コミュニケーションが全く違ったものになっていく。
その上で(難しければ想像の中でハグしたり手を繋いだ上で)、「今、何をしたら大切にされてると感じる?」と問いかける。または、伝えてみる。「大切にしようとしてくれて、ありがとう。あのね、こうして貰えたら、今の自分はもっとそう感じることができるんだ」って。
別に「大切にされる」じゃなくてもいいです。「嬉しい」「幸せ」でも、ベッドの上なら「興奮する」とか「気持ちいい」でも。「どうしたら、一番今のあなたにとって嬉しい?」という質問と「実はこうしてくれたら、今一番嬉しいんだよ」という言葉を真っ直ぐに伝え合えたら、お互い知らずのうちに良かれと思ってしていたすれ違っていたことの数々が、少しずつ解けて距離が近づいていく。
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「何度も伝えたのに、分かってくれない」これも頻繁に起こること。「何度言っても分かってくれない」とイラつく気持ちは、「大切にして欲しいのに、してもらえなかった」という、寂しさや悲しみから湧いてくる。これって、何で起きてしまうのか。
ちょっと極端な例だけど、例えば「今すぐぶっ叩いて欲しい、そうすれば大切にされてるって思えるから」って相手に言われたとする。すぐに適応してしてあげられるかって言われると、正直なかなか難しいと思う。「そんなわけないじゃない」って否定したくなったり、仮にその場は応えてあげたとして、その後自主的に相手の喜ぶ「ぶっ叩くこと」をやるかっていうと、多分やれない。だって、「自分が嬉しいと感じること」と形があまりに違いすぎるから。(だからSMってSが聖母のようだと感じる話はまたいつか書きます)
例えが極端だったけれど、これと同じことが日常で頻繁に起きているんだと思う。「きっとこうするのが嬉しいはずだ」って、憶測や過去の知識の延長で無意識に描いたものを渡してしまうこと。忙しい毎日の中で、瞬間瞬間、「どうしたら今のあなたにとって一番嬉しい?」と訊くのは難しいし、何度も「こうしてくれたら嬉しい」を伝えるのは苦しくもあるけれど、大切な場面ではそう問うことと伝え続けることを忘れたくなくて、自戒も込めて書きました。
以下は私の最近あった、具体的に「何で分かってくれないんだ!」と爆発しそうになった話と、素直に伝えたらどう変わっていったかのお話です。
「家事をやってくれること」。これが、一緒に暮らす相手に「大切にされている」と一番感じられることだと思うのは、私だけじゃないと思う。
家事にどのくらい重きを置くかやタイミングは人それぞれだけれど、私の場合、「昼ごはんを作って食べた数時間後夜ご飯の支度をしたいのに、前の食事のお皿を片しておいてくれない」って、そのたびにすごくないがしろにされてる気持ちになるんですよね。「料理を作ってくれてありがとうって思ってたら、お皿洗いくらいやるじゃん。そっか、ありがとうってちっとも思ってくれてないんだ、私のことを家事代行サービスか何かくらいにしか思ってないんだ」って。そんなことないって頭では分かっていても、「自分が大切にされてると感じることをしてくれない」=「大切にしてくれない」となってしまう。
「一緒にご飯を食べること」「共感してくれること」「味方でいてくれること」「セックスしたいと思ってくれること」etc. 人によって「大切にしてもらえる」と感じる行為って様々だけど、つい「相手もそうだろう」って前提で考えてしまう。だから、「自分は大切にされてないんだ」と感じてしまうわけです。
この悲しみはすぐにイライラに変わってしまうから、「何でやってくれないの!」とすっごい溜め込みました。住み始めて一ヶ月とかで、「同居できてあと半年が限界かも……」くらいには(笑) でも、これを「家事は平等にすべきじゃん!」って正論をイライラのまま投げると、どっちにとってもよく働かないのは火を見るより明らか。次回以降もやってくれないだろうし、「何で伝えてるのにやってくれないんだ! 本当に大切にしてくれないんだなこの人は!」のループ。
2、3回「もうちょっとやってよ」って伝えて、その負のループにしっかり入りました(笑) で、「本当にお前いい加減にしろよ」と沸々と腹が煮えていた時にふと、「もーーー!! 何で毎日毎日こんなにイライラしなきゃいけないんだ!!! はぁ〜〜〜〜〜、……大切にしてもらえないって、こんなに悲しいんだな」とポロっと自分の気持ちが溢れて、はっとしました。それから、ちょっと恥ずかしいので後ろからそっとハグをして、そのまま伝えたんです。「……何でこんなに家事をしてって言うかってね、大切にしてもらえないのがさ、本当に悲しいんだよ。大切にして欲しいんだよ」って。そしたら、たかが家事を私が多くやってるってことに、ぽろぽろと涙が止まらなくなってしまって、やっと気づきました。「大切にされたい、って気持ちを、すごく大切にすべきなんだ」って。
いわゆるトラウマの類や家庭環境とかも、この「大切にされたい」をないがしろにされ続けた結果生まれるもの。私の6年続いたうつ病も、親は愛情はたくさん注いでくれたものの、「私がして欲しい形で大切にしてもらえなかった」ことが原因だったことを思い出しました。人生を大きく変えてしまうほど大切なこの気持ちを、私たちはもっと大切に扱わなくちゃいけない。だから、「今こうしてもらえたら、大切にされてるって思える」って、伝えることを怠っちゃいけないなって思ったんです。
今も気づくと、忙しさに振り回されて後回しにしてしまっていることも多いけれど、このコミュニケーションをそれぞれが大切にするようになったら、単純にみんながもっと幸せを感じながら日々を過ごせるようになるな、って感じています。
(記事へのスキやコメント・シェアなんかも、「書いて本当に良かった」「大切に読んでもらえたんだな」って思えるので、よければお願いします!)
「あのね、性のことを安心安全に話せる場所があったらいいな」
の友人の声を元に作った“Anone,”という女性限定のコミュニティをnoteに作りました🕊️
詳しくはこちらからどうぞ!▼ ︎“Anone,”詳細を見てみる
※多くの方にわかりやすいように男女という表現を使用していることがありますが
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