コロナ自粛期間中に音楽を作ってEP配信までした話
こんにちは、朝倉です。
新型コロナウィルスによる2ヶ月ほどの自粛期間を無事健康体で過ごすことができまして、少しずつ元の日常に戻すように生きておりますが
約2ヶ月間の自粛期間、仕事も止まり家からでることもあまりできず、ただただ引きこもってじっとしていなきゃいけない毎日だったので
かねてからやってみたいと思っていた音楽制作、それもボーカロイドによる歌モノ制作をこの機会にやってみよう!と思いました。
詳しくは本編でお話いたしますが、朝倉はCG・映像クリエイターとして様々なアーティスト様のアートワークやMVのお手伝いをしたことはありますが、音楽を作った経験はほぼ皆無でした。そんな朝倉が結果的に
・EPとして6曲(うち完全新作4曲)を作り
・リリックビデオを3本作り
・告知用ムービーを作り
・各種配信サイトにて配信開始
といったところまでできた理由とその内容をnoteにまとめてみようと思います。
※めっちゃ長いです!暇な時とかに読んでもらえたら嬉しいです!
音楽を作ろうと思ったきっかけ(朝倉の音楽力)
Twitter等では時々書いていましたが、朝倉はもともとギターが趣味で、ギターそのものはかれこれ20年くらい弾いております。
が、バンド経験は高校3年間だけでしたし、以降は友人のイベントやお祝い事等で時々数曲演奏する程度にしか表立って演奏していませんし、基本的には家で引きこもってなんとなくアドリブで流れてる曲に合わせて弾いたり、好きな曲で比較的簡単なものをコピーして弾いてみたりといった程度の、本当に趣味ギタリストです。
このあと書きますが、あるきっかけがあるまでは特別良いギターを使っていたわけでもありませんし、機材も沢山持っていたわけでもありません。DTM環境もiMac付属のGarage Bandでちょっと録音してみたとかその程度です。
また、その意味では作曲の技能も全然ありません。強いて言えばギターで適当にアドリブで適当に弾いてるときに「おっ、なんかこのコード進行かっこいい!」とか「おっ!なんか今弾いたフレーズかっこいい!」とかそんな程度ですし、それらを録音してみよう!とか、曲にするぞ!とかといったこともほとんどしたこと無い(正確にはやってみようと思ったけどよくわからなくて投げ出した)レベルです。
ただ周囲には音楽を作ってるプロの友人が結構いますし、自分も音楽関連の制作をお手伝いすることもちょいちょいあるので、心のどこかで「いつかは俺も音楽作ってみたいな〜」みたいなぼんやりした気持ちがありました。
そして実は去年、そのぼんやりした気持ちを叶えるように、友人コンポーザーたちと一緒に「同人でロックのアルバムを作ろう!」という話が出ました。その時に朝倉がある程度主導で動かさせてもらったのですが
そのアルバムでは友人コンポーザーに協力してもらって、人生で初めての「作詞作曲ギター・ベース・ボーカル:朝倉涼」の曲を作らせていただきました。
この時はレコーディングの仕方・メロディ・ミキシング・音作りetcと非常に多くのことを友人コンポーザーに教えてもらったりやってもらったりして、いわゆる「はじめてのおんがく」状態で完成させてもらったのですが、この経験がとても楽しく、長年ギターを弾いてきたのに何もかもが未経験で本当に面白かったのです。
そしてその時の勢いで非常に高価なギターを購入してしまったり、GarageBandからLogic Proにアップグレードしたり、自宅でギターを録れるようオーディオインターフェースを購入したり・・・と、まずは基本となる作曲環境を組むことができました。
なので、その意味では去年の時点である程度自分で作曲する環境そのものは整っていたといえますが、かといって作曲をするぞ!という感じでもなく、しばらくはドラムトラックを適当に作ってギターとベースを録ってみて「おお〜」とかしてるだけでした。
徐々に音楽を作ろうという欲が湧いてきた
そうして日々隙間時間にギターの練習も兼ねて適当に録ってるうちに、じわじわと「ちゃんと自分で最後まで音楽を作れるようになってみたい!」という欲望が出てきました。
いいギターも手に入れた、録音環境やDTM環境もある、プラグインもこっそり揃えた、ここまでやったらやっぱり音楽作ってみたほうがいいんじゃないか!?となってきました。
とはいえ、やっぱりそもそも作曲理論みたいなものを全く知らないですし、できることと言ったらギターを適当に弾いてみることとかドラムをそれっぽく打ち込んでみることとかのみで、到底「作曲」には程遠いものでした。
忙しくてギターを全然弾けない期間があったり、他のことが楽しくなって全然Logicを立ち上げなかったりした日々もありました。
その傍らで、時々友人コンポーザーたちと一緒に遊びでスタジオに入ってセッションらしきことしてみたり、大きな音をだしてみたりと、ギターにふれる時間や音楽にふれる時間は増えていきました。
ある日、一緒に遊んでくれるコンポーザーと話してる時に何気なく
「やっぱ実際音楽作ってみたいんだけど」みたいなことを聞いたら
「RYO・・・魂見せて行こうぜ・・・・(意訳)」
と思いっきり背中を押されてしまいました、これはもうやるしかねえ、やるしかねえんだよ!!という気持ちになり、実際に音楽を作ってみるぞ!!という感じになっていきました。
というわけでそのあたりからじわじわと隙間を塗ってコード進行を考えてみたり、リフを考えてみたりする日々が始まりました。もちろん音楽経験はただギターを適当に弾いていただけなので、作る進行や作るリフは簡単なものだったりどこかで聞いたことがありそうなものだったりするので「やっぱり俺には才能無いよなあ・・・」とか思うときもあったのですが
考えてみればCGや映像だって最初は全然才能無いと思っていたしうまく作れなかったし誰かの真似そのものだったりしていた時期を思い出して
とにかく最後まで1曲作ってみよう!という目標を立てました。
それがちょうど今年の春、コロナがじわじわと大騒ぎになりつつある2月とかそのくらいの頃だったと思います。
ギター自体は数分だけのこともありつつ毎日触ってはいたので、なるべく意識して「いいな!」と思った進行やフレーズをとりあえず録っておいたり、メモしておいたりしていたのですが
ある日、同じようにギターをなんとなく弾いていると、パワーコードだけの進行で「あれ?なんかこれロックでかっこよくないか・・・?」という進行ができました。
ひとまずサクッと録っておこうと思い、Logicを立ち上げ、リズムキープ用に適当なドラムトラックを標準のアセットから作り弾いてみたんですが
この時に選んだドラムのアセットの効果もあってか、妙にかっこいいヘヴィロック・ラウドロックっぽい感じが生まれました。
これは!と思い、同じコードの単音ルート弾きのベースを加えてみたけっか「あれ!?これロックじゃん!!」というフレーズが無事完成しました。
よし!!これで曲を完成まで作ってみよう!!と思いました。
最初に作ったラウドロック曲
ひとまず思い浮かんだフレーズをサビとして、そこから作曲知識が無いなりに不自然にはならなそうという理由で、似たコード進行や近いコードを使ってAメロとBメロを考えてみました。曲の構成も理屈がわからないので、ひとまず
イントロ(サビ同進行)→Aメロ→Bメロ→サビ→
間奏(サビ同進行)→Aメロ→Bメロ→サビ→Cパート(ギターソロ)→
Bメロ→大サビ→アウトロ
みたいな、わかりやすい王道ロックな感じを目指しました。
で、この曲の解説になるとそれはそれで長いので割愛しますが
結果的にギター・ベース・ドラムは全部構成することができました。が、ここで一番の大きな問題があって、メロディの作り方が1mmもマジでわかりませんでした。
ひとまずギターで「なんか間違ってなさそう」な音を選びつつ、鼻歌を歌いながらメロを無理やり弾いてみたのですが
多分メロとして大きく間違えては居ないものの・・・なんかこう・・・魅力?みたいなものがない感じになりました。
これを一緒に遊んでくれるコンポーザー友人たちに聞いてもらったところ、結構色々アドバイスをいただくことができました。また、一人の友人には実際に目の前でメロをつけてみてもらったりして、そこで初めてメロの付け方をなんとなく知ることができました。
そんなわけでアドバイスをもとに自分の環境でちまちまとメロを頑張って打ち込んでみたり、どうしても思いつかない部分は友人が組んだメロをそのまま使ったりして、いわゆるカラオケ状態のものが出来上がりました。
で、ここで気づいたんです。
ボーカルどうしよう、と
ボカロともう一度出会ってみた
ボーカルを入れる手段はその時点で3つありました
・自分が歌う
・誰かに歌ってもらう
・ボカロを使う
ということになるのですが、まず「誰かに歌ってもらう」というのはド素人の1発目の曲で取るべき選択肢ではないことはハッキリしてたので除外するとして、自分が歌うかボカロに歌ってもらうかの2択になります。
自分で歌う場合、マイクやボーカル録音環境をどうしようという問題と、そもそも自分の声質があまり好きではないことと自分の歌のピッチにも自信が無いという大きな問題がありました。
では最後の選択肢、ボカロですが、ボカロ作品自体は以前は結構聞いていましたし、MV等でお手伝いすることもあり、聞くのは結構好きなのですが
問題はPC版のボカロ環境を購入すると結構な値段がしますし、しかも様々なところで聞く「ボカロの調教(いい感じの歌声にすること)はマジで難しい」というご意見が頭をよぎります。そもそも音楽の知識の無い俺がボカロいきなり買ってどうにかなんのか?とか
結構な値段するのに結果的にできない、やらないになったら嫌だな・・・という気持ちが強く、結局どの選択肢も難しいなということに気づきました。
もういっそギターインスト曲にしようかとも思ったのですが、いやいや気がついたら歌もの前提でメロまで組んだのにそれは違うだろ!と思い、まぁ自分で歌うか〜〜とか思ってマイク探したりボーカルの作り方みたいなものを検索している時に出会いました。
Mobile Vocaloid Editor
その名前の通り、iOS等のスマホ・タブレット環境でボカロの編集ができるアプリがありました。
アプリ単品でもボカロが使えるのですが、アプリ内課金で有名ボカロ(初音ミクさんや結月ゆかりさん等)も使用できることがわかり
仮にアプリ+ミクさん+ゆかりさんを購入してもPC版の1/10くらいの価格で済む、その上実際にiPad完結で曲を作ってるボカロPさんの楽曲等を聞いてみて、全然いけそうじゃん!!となったので、結構迷ったのですが購入いたしました。
というわけで実際にMobile Vocaloid Editorにバックトラックを転送し、ちまちまとサビ部分だけメロを打ち込み、この時点でできていた分だけの歌詞を入力してみて再生してみたら
「おお・・・俺の曲をミクさんが歌ってる・・・・」
という謎の感動に包まれました。
あの初音ミクさんが・・・世界中で大活躍のミクさんが・・・俺の曲を歌ってる・・・・という本当に謎の感動に包まれました。
この時点では声の調整とか全くわからず、デフォルト設定のまま歌詞をメロに合わせて読んでるだけにすぎないし、アプリ的に当然のことだというのに、妙に感動してしまいまして・・・いやだって俺の曲をミクさんが歌うんだよ!?感動すんじゃん!?
というわけでこの時点で「よし!ボカロでやろう!!ボカロックにしよう!!」と決めました。
最初の曲とコロナ自粛期間の開始
というわけでここまでのあらすじが導入です、ものすごく長いですね・・・
そんなわけで実際にボカロの入力をしてみました。最初の曲は歌詞的にもメロ的にもミクさんよりゆかりさんのが合いそうだなという理由で結月ゆかりさんにご登場頂いて歌っていただきまして、50テイクくらいギターソロ弾き直したり全体の音のバランス(ミキシングやマスタリング)もわからないなりに色々試行錯誤しているうちに4/7に緊急事態宣言が発令されました。
仕事のほうにも影響が出始め、ついには直近で何かを提出したり完成させたりすることがなくなってしまいました。
なのでじゃあとりあえずこの曲を完成させるか!と思い、仕事が無いことをいいことに仕上げ部分まで作り、ついでに弾いてみた動画風にするかと思って自分の演奏カットを撮影し、簡単な編集をして完成させたものがこちら
Days of Gray feat.結月ゆかり
という曲です。
今聞くと非常に拙いですし、ギター・ベースのリズム感も下手ですし、色々と直したい気持ちがすごいのですが(結果的にある程度まで直し、ミクさんに歌い直してもらったものが配信EP二曲目に入ってます。)
これが初めてのボカロPとしての作品となりました。
そしてこれを公開したのが4/14、全国に緊急事態宣言が発令される2日前、なんとなく世間が日本中が自粛期間になるんだろうなと感じていた時期でした。
こんな時だから引きこもって曲を作ろう!
と、いうわけで緊急事態宣言・自粛要請が出始めたこともあり、「これはもう音楽をやれってことだ!」と自分に都合の良い解釈をすることにしました。どうせ出かけられないし、行きたいお店もやってないし、ご飯食べに行くこともできないし、友達に会うこともままならないし、何よりも仕事が止まっちゃって何もすることがない。となると、本来の仕事の性質的には「ここでCG作品を作ろう!」とか「ここでデモリールとかの営業ツールを作ろう!」とかも考えたのですが、考えてみればCG作品を作ったりデモリールを作ったりというのは別に自粛でポッカリ空かなくても確実に作るので、この機会でなければ年齢的にも性格的にも新しいことをじっくりと始められないだろうなと思い、早速次の曲
取り掛かることにしました。
なので次の曲のテーマは「こんな時だから変わっていこう」というテーマの曲を作りたいと思いました。エモくてスローテンポだけどどこか力強くて、バラードになりすぎない適度な希望を感じる曲、という、まぁいきなり難しそうなテーマにしたわけです。
技術的なテーマは
・ギター・ベース・ドラム・ボーカル以外の音(シンセ等)を入れる
・ベースの練習がてらベースのかっこいいフレーズの曲にする
というところに落とし込み、まずはとにかく骨子を作ろうと思い引き続きパワーコードを軸に作曲を開始しました。
で、まぁこの曲のメイキング解説まで開始したら一生のこのnoteの終わりが来なくなってしまいますのでその辺は割愛いたしますが
色々試行錯誤したり、友人コンポーザーたちにアドバイスをしつこく聞いたり(この時はマジでめっっっっっちゃ聞きました、本当にありがとうみんな・・・)なれないソフトシンセの音作りに右往左往したりして、4月の後半頃、ついに完成させることができました。
完成させた曲は前作Days of Grayよりもかなりクオリティが上がり、自分的にも非常に気に入った曲になったので、これは前回よりもちゃんとしたリリックビデオにしたいと思い、友人であり漫画家の神谷ズズさんにイラストをお願いしたところ、快くお受けいただけまして、めっっっっちゃエモいミクさんを描いていただきました(本記事のヘッダのイラストです。)
そのイラストを元にリリックビデオを完成させました。
Brave New World feat.初音ミク
という曲です。世界がこんな大変なことになっているけど、あなたとなら、私達はきっとうまくいくはずだよ、というテーマの曲です。新人ボカロPのくせに偉そうなテーマですね。すみません。
Brave New Worldは本当に気に入っていて、この曲がきっかけでEPまで作ろう!と決意したといっても過言ではありません。この曲はアドバイスはいただきつつもメロも最初から自分で考えギターやベースのフレーズも自分なりに考え、シンセの入れ方や音もかなりこだわって作りました。
自分のやりたいエモさみたいなものも、ちゃんと想像した通りに出せた曲です。
上記映像の時点ではメロやハモでおかしなところがあり、EP収録版では修正の上、ラスサビをアップデートしてあります。よかったら聴き比べてね。
また、映像としても神谷さんの素晴らしいイラストのおかげで、一気に曲の世界観が引き立ちました。映像側のほうも髪や胸を揺らしたり、立体的に動かすことで印象づけられるものを目指しました。
そして公開したのが5/1、世間的には「果たしてGW明けに緊急事態宣言は解除されるの?無理じゃない?」みたいな空気になった頃でした。
ボカロP名義「桜莉(さくらり)」の誕生
1曲にかかる時間も少しずつ短くなってきましたし、最初よりはかなり作り方もわかってきたし、緊急事態宣言はまだまだ全然続きそうだし、引き続き色々作ってみたいな〜と思ってましたが、同時に「やっぱり自分はCGクリエイターなのに、音楽ばっかつくってていいのかな」とか「そもそもTwitterとかに音楽のこと書いてもみんな興味ないよな・・?」とかそういう気持ちが頭をもたげはじめました。まぁこれは自分のネガティブな性格の部分でもあるのでアレなんですが、とはいえちょっとさすがに元の道に戻ったほうがよくない?みたいな気持ちもありました。そもそもTwitterも最近音楽のことばっか書いてるし、この先も音楽だのCGだのごっちゃになるのも自分的になんだかな・・・という気持ちになりました。
そんな折、友人コンポーザーと通話で話していたんですが
「もう2曲できたんだし配信しちゃえばいいんじゃないですか?」
と言われました。
配信!Apple MusicとかSpotifyとかのアレですか!音楽を初めて作った身としては有名配信サービスから配信というのはすごく魅力があるというか、なんだか雲をつかむみたいな話だと思っていたのですが、考えてみれば登録すれば配信できるわけで、せっかく音楽を作ったんだし配信っていうものをやってみたい!そこを今回の一つの成果にしたい!と思いました。
さて、とはいえ・・・そうなるとそもそもどうしよう、Ryo Asakura(Seventhgraphics)としてアーティスト登録するのか?思いっきり映像制作者の名前で登録するのもなぁ・・・と思い、友人に「ところで、俺の名義を別名義にするってのはどうなのかなあ?」と聞いてみたら「分けるの全然アリじゃないですか?そのほうがやりやすい部分もあると思いますよ」と言われたことと
Twitter等でCG映像と音楽がごっちゃになるのもどうなのかなという気持ちがあり、CG映像の名義と音楽ボカロPの名義を分けることにしました。
そこで誕生したのが桜莉(さくらり)です。
名義については普段が本名名義なので、ぱっと思いつかなかったのですが、桜莉に決めた理由は
・自分の本名から取ったこと(あさくらりょう)
・漢字の字面がキレイで適度にシャバいこと
・桜莉でも桜莉Pでも名前のリズム感がキレイなこと
から桜莉という名義が生まれました。
さて、早速Twitterにアカウントを作成し、桜莉名義活動がスタートすることになったのですが
ここでちょっとわがままな気持ちが芽生えました
「ボカロPっぽい、オフィシャル感のあるアー写イラストがほしいな・・・」と
案外形から入るのが好きなのと、見た目の体裁を整えていくことで本気度が出るかなと思い、友人イラストレーターのはちぷよさんにお願いし、自画像SDイラストを描いていただきました。
見てくださいこの”それっぽさ”!!はちぷよさん流石です!!
ギターはメインギターの参考写真を送ったら見事に再現してくれましたし、自分の髪がやや天パなのでややストレート気味に・・というアレな要望も叶えていただきました!というわけでこのイラストを桜莉自画像として桜莉の活動をスタートいたしました。
ゴールを決めて、作り始めた
名義は決まった、プロフィール画像も手に入れた、音楽をつくることも楽しくなってきた。でもこのままじゃ中途半端に音楽にハマった人で終わってしまう。何か今回のこのモチベーションのゴールを決めたいと思いました。
そこで上述した友人からの
「もう2曲できたんだし配信しちゃえばいいんじゃないですか?」
という言葉を思い出しました。そうだ、配信をしてみたい。AppleMusicやSpotifyに自分の名前や曲を表示させてみたい!売りたいというよりもその「実績解除」をしてみたい!と思いました。
というわけで配信について調べてみると、AppleMusic等の各種配信サイトへの手続きをしてくれる様々なサービスがあることに気が付きました。本当は友人からもオススメされていたTuneCoreがコロナ期間登録料無料で良かったのですが、クリプトン製ボカロ使用の場合は未対応ということで、対応しているRouterFMに登録をすることにしました。
調べてみると1曲ならシングル、2曲以上ならEP・アルバムとして登録ができるとのことで、2曲で登録するとなるとEP・アルバムということになるのですが
EP・アルバムと銘打っておきながら2曲というのも寂しいな・・・と思い
かといってフル尺の歌ものを何曲も短時間で仕上げられるほどの実力はまだまだ無いためひとまず
オープニング曲・本編3曲・エンディング曲
の合計5曲という構成で作ればなんだかパッケージとしてキレイじゃないかな?と思いました。
オープニング曲はなにかギターソロのイントロっぽい30〜1分曲
エンディング曲はBrave New Worldのサビをアンビエントっぽくして歌詞を変えたリプリーズの1分くらいの曲
というのはふんわりと思いついていたので
あとはDays of GrayとBrave New Worldともう一曲あればパッケージになる!と思い、ここで冒頭のほうで出てきた「作詞作曲ギター・ベース・ボーカル:朝倉涼」の曲をボカロ化しよう!と思いました。伏線回収です。
「たびびと」という曲なのですが、この曲こそまさに初めての作詞作曲レコーディング曲なので、初めての配信にこれを入れないわけには行かないだろ!と思い改めて着手したのですが・・・これが元のメロだと全然ボカロとの相性が良くなくて・・・かなりキーの高い曲なので、ボカロに歌わせると高周波音みたいになってしまい・・・結果的にメロと歌詞をすべて書き直す作業になりました。
そんな作業の傍ら、余談になっちゃうのですが、ひょんなことからかねてから欲しかったギター、Gibson Flying Vを手に入れてしまいまして・・・!FlyingVの温かみのあるやや厚めの音が非常によく、これを使って何かバランス的に明るくて疾走感のある曲がほしいな・・・と思い、やはりパワーコードから進行を考え、試しにファミコン音源を入れてピコピコさせてみたものが「Rainbow Story」という曲になります。この曲はFlying Vを手に入れたモチベーション一発みたいなところで作ったので、ギターは全編FlyingVを使用しているのですが、本当に良いギターで・・・昔からずっと欲しかっただけあって手に入れた時のテンションだけでわーーーっと作れてしまうものだなと思いました!この頃になるとややコツも掴んでいたので、前2曲よりもかなり早い段階で完成形が見えていました。
「Rainbow Story」には色々テーマを設けて頑張って明るい方明るい方になるようにしたのですが、この辺を語りだすとまたすごく行数を食ってしまうので割愛します。ただ「シンプルに明るい歌詞ではないよ」という感じにしたかったのです。
というわけで結果的に「Rainbow Story」が増えたことで1曲増えることになるのですが、「たびびと」のほうは本当に難航しました・・・メロと歌詞だけ調整すればいいから簡単かなと思ったのですが、これがなかなか一度染み付いたイメージから抜け出せず・・・しかも元曲は自分が歌ってるのでメロが染み付いてしまっていたので余計に難航しました。結果的にやや怪しいメロ構成な感じではありますが・・・反面書き直した歌詞は、当初の歌詞がかなり失恋ソングっぽくなってしまったのですが、この曲はあくまでも「旅」がテーマなので、その点を修正することができたのは本当に良かったです。
さてここまでで
・Days of Gray(はじめてのボカロ)
・Brave New World(コロナ自粛テーマ)
・Brave New World -Reprise-(エンディング曲)
・たびびと(はじめての作詞作曲)
・Rainbow Story(Flying V)
と出揃ったところで、これらの曲は「桜莉」が生まれ、「桜莉」の生んだ曲で構成されていると気付き、そうなると何か自己紹介がしたいなと思いました。
まだオープニング曲どうしようかなぁと悩んでいたタイミングだったので、ギターソロ一発!というよりは、ボーカルギターベースドラムのシンプルなオルタナロック調の短い曲を作ろう!と思い、ピロウズのようなシンプルだけどかっこいい曲を目指してパワーコード一発で決めた曲
Introduction.
という曲が完成しました。
映像をつけて公開したのはEP発表以降なのでやや時系列がバラバラになってしまうのですが
歌詞で自己紹介をしたかったのです。
「あぁこんなことをしてる場合じゃないと 誰かが怒るような気がする それでもやってみた」
この歌詞が一番最初に浮かびました。
これを作ってる頃はどこかで「お前は本当はCGや映像を作る人間だろう。こんなことしてる場合か?まわりのクリエイターはどんどん成長しているし、すごい技術も沢山開発されてるんだぞ?」ともう一人の自分に叱られてる気がしていたのです。多分映像クリエイターのRyo Asakuraが桜莉に説教している状況なんでしょうね。
でも、この曲を始め、桜莉の作った曲はすべてロックです。ロックということは反骨精神です。そんなの関係ねー!!俺はやりたいとおもったからやってるんだ!ゴールを定めた今更文句言うな!!とRyo Asakuraのほうに言い返しながら桜莉としてのEPの完成へと向かっていきました。
それでもRyo Asakuraとしてこだわりたかったこと
さて、曲はすべて出揃いました。
そしてここから「そもそも完成とは何か?」という疑問にぶち当たります。
楽曲は完成した。登録すれば配信まではできる、それでも・・・
足りないものやできないことがあるなと気づきました。
音楽的には
・マスタリング
パッケージとしては
・ジャケットビジュアル
・ロゴ
・クロスフェード映像
です。
とくにマスタリングは全楽曲の音量バランス等をあわせる必要があったりして、今の桜莉の知識ではどうにもならない部分でした。なので今更ですがこの本文でも時々現れるコンポーザーの友人ことAnさんにお願いし、Discordで作業画面を見せてもらいながらマスタリングをしていただきました、Anさんには本当に色々なことを教わりました、改めて本当にありがとうございました!
そしてパッケージ面、こちらは主にビジュアルのことに関係するので、脳内人格をスイッチし、Ryo Asakuraに頑張ってもらうことにしました。
ただし、イラストに関してはどうしても自分では無理があり、どうにもならないぞと思いまして、誰かにお願いしたいな・・・と思っていました。ちょうどそんな折にイラストレーターのしずりさんが桜莉のアカウントをフォローしてくださいまして、リプライをいただいたことをきっかけにしずりさんにお願いしてみることにしました。しずりさんはボカロのファンでもあり、とてもかわいいミクさんを描いてらっしゃったので、お願いできたらいいなぁと思ったところ、快諾いただきました。しかも本当にかわいい素敵なミクさんを描いてくださいました!
また、「桜莉」のロゴがほしいと思いました。今後桜莉の作品をリリースしていく上で統一するものが欲しく、これも自分で作るよりはデザイナーにお願いしたいと思い、いつも同人等で一緒に活動しているヒトマスモドルさんにお願いいたしまして、いい感じにアナログ味のあるかっこいいロゴを作っていただきました。さすが俺たちのモドルさんです。
そして作っていただいたイラストやロゴを元に
CG映像クリエイター・Ryo Asakuraがジャケットビジュアルとクロスフェード映像を作り上げました。
Ryo Asakuraとしては「一つのパッケージング」にこだわりたいと思いました。普段からビジュアル面を作っている人間なので、楽曲が拙いからといって手を抜きたくはなく、しっかりと見てもらえるものにしよう。桜莉が今後活動していく最初の一歩として、キラキラしたものにしようと思いました。
新人ボカロPとしてはあまりにも豪華なパッケージングになったと思いますし、ともすればビジュアルに中身が負けている状態な気もしますが、逆を言えばRyo Asakuraと桜莉は同一人物、つまり楽曲もビジュアルも含めて全部が一つの成果ですし、このコロナ自粛期間の結果になればと思いました。
The cluttered room(散らかった部屋)
アルバムタイトルは「The cluttered room」というタイトルにしました、日本語に訳すと「散らかった部屋」です。
コロナ自粛期間、ずっと家にこもって、ろくに掃除も片付けもせず散らかった部屋で
何かをしたい、何かにしたいとくすぶった気持ちが散らかった頭の中で
音楽もしたい、映像もCGもやらなきゃいけないという散らかった気持ちで
そのすべてを表す言葉って何かなと思った結果
The cluttered room
というタイトルになりました。
The cluttered roomという曲はアルバム中には存在しませんが、これらの曲全ては「散らかった部屋」から生み出されたんだよ、というメッセージになっています。
そしてマスタリングされた音源・ビジュアル各種がすべて出揃った5/29
世間はなんとなく緊急事態宣言や自粛が解除されそうだぞ・・・というタイミングでした。
結果的に言うと、RouterFMの手続きの関係上、配信まで2週間以上かかってしまうということがわかり、「緊急事態宣言解除した瞬間に公開するぞ!」という目論見は外れてしまったのですが
それでも、ここまでやった証を告知したい気持ちを我慢できなかったことと、もしかしたらほんの少しの人はそれでも聞いてくれるかもしれないと思い、先行してPIXIV BOOTHとBandcampでのダウンロード販売を開始し、告知をいたしました。
BOOTHやBandcampでの配信も初めての経験だったので、一体どれだけの方が興味を持ってくれるか全く読めなかったのですが、それでも何もしないよりは絶対に良いと思い、用意いたしました。結果的に少数の方がこんな新米ボカロPの曲を購入してくれました、購入してくれた皆様、本当にありがとうございました!嬉しかったです!!
配信開始・今回のまとめ・今後について
そして本日、各種サービスで配信が開始されました。
正直言うと、配信が開始され、Apple MusicやSpotifyの画面の中に「桜莉」が現れた今もなお、なんだか信じられない感じがします。
初めてミクさんに歌ってもらったときもそうですが、考えてみれば当然なんです。
・ミクさんを歌わせるアプリでミクさんを歌わせた
・配信サービスに登録申請して配信を開始した
至極当たり前なことなんです。不思議なことなんて全く無いんです。
でも、これまでの自分の制作人生の中で、ミクさんに歌ってもらうとか、配信サービスで配信されるとか、すごく遠いところで行われてることだと思っていました。
ミクさんに歌わせるための何か資格がいるのかなとか、配信されるには有名アーティストにならなきゃいけないのかなとか、もちろんそんなことは無いのもわかってはいるんですが、そんなイメージが先行していました。
でも、やってみればできることなんだなと思いました。
もちろん音楽を作ることもそうです。これまでは漠然と
音楽って作るの大変なんだろうな
とか
俺には音楽を作るのは無理なんだろうな
とか、あくまでも漠然とそう思ってここまできました。もういい歳です。
でも、やってみたいと思ってやってみら結構できるもんだなというのもわかりました。もちろん長年ギターを弾いてきた経験のおかげもあるかとは思いますが、やっぱりこういったクリエイティブな活動って新しく「やろう!」と思うまでがすごく腰が重い部分があると思います。
失敗したらどうしよう、機材とかにかけたお金が無駄になったらどうしよう、誰かに笑われてたらどうしよう、誰かにバカにされたらどうしよう・・・・ネガティブな要素を上げればキリがありませんし、実際に作ってる間もそんなことを結構考えました。
今回配信したEPが、バズったりいろんな人に届いたりはしないかもしれません。本音を言えば何か上手いことバズったりしてくれたら最高ですが、世の中はそんなに優しくないのもわかってます。売れないことに意味は無いと思う人もいるかもしれません。拡散されることが結果だ!と思う人もいるかもしれません。
でも反面、心のどこかでずっと「音楽やってみたいな」という気持ちがくすぶっていたのは確かです。そうでなければ20年もただただギターを飽きずに弾いてないと思うんです。
ネガティブな想像と、くすぶっていた気持ち、普段ならネガティブな気持ちが買ってなかなか行動できないと思うんですが、今回はコロナの自粛期間というポッカリ空いた非日常の時間を手に入れることができました。
非日常の時間だからこそ、非日常と割り切って何か全然違う、パラレルな自分になれたのかなと思います。
仕事が止まり、打ち合わせ等もなくなり、人に会うこともできなくなった時間の中で「映像クリエイター・Ryo Asakura」の人格が少し薄れていたような気がします。だからこそ「桜莉」というパラレルの人格が生まれ、活動を開始することができたのかなと思います。
現実的な部分ではまだまだ音楽の実力はとても拙いものだと自覚していますし、公開・配信された今なお「笑われてるかもな」とか「バカにされてるかもな」とか思います。
でも桜莉は新人ボカロP・音楽とギターの勉強と練習をしている存在です。今はまだまだでも、もしかしたらこれから伸びていく可能性だってあります。
そしてRyo Asakuraという映像クリエイターはベテランとして、まだまだ若手に負けないよう頑張らなければなりません。
コロナ自粛期間によって分裂した2つの人格?存在?は、これからお互いを認めつつ、時には文句を言い合って、それでもともに成長していければいいなと思っています。
「一つの完成」を達成できた体験は僕だけのものとして確実に残っています。色々な方の協力を得て、今までできなかったことが一つできるようになった。その結果の中に、自分にとって得るものがとても多かったなと思います。
なんだか文学的な締め方をしていますが
要するに桜莉は桜莉として今後も続けていきたいと思います。
今回の一発で終わるのではなく、もっと沢山のボカロPやボカロファンに知ってほしい、アドバイスもほしいし好きだと言ってほしいという気持ちもあります。
再生数や視聴数も増えてほしい、そのためにもっといい曲を作れるようになりたいと思います。
自分の表現したい言葉や気持ちは、普段のCG映像のジャンルよりもストレートに伝えられるということもわかりました。
ゆくゆくは物理的にアルバムを作って、同人イベント等で頒布もしたいですし、もっとちゃんとした本気のMVを作りたいという気持ちもあります。
なので引き続き、自粛期間ほどのハイペースは難しいと思いますが桜莉にも頑張ってもらいつつ、色々音楽も発信していけたらと思っています。
映像クリエイターRyo Asakuraであり桜莉、この文章を書いてる時点で36歳です。36歳のもはやおじさんが新しいことをできるんだぞ!という部分も含め、何か新しいことをしようかと迷ってる人にとって、何か背中を押せるような文章になったら嬉しいなと思います。
クレジット・謝辞
Brave New Worldのイラストを描いてくださった神谷ズズさん
桜莉のSDイラストを描いてくださったはちぷよさん
桜莉のロゴを作ってくれたヒトマスモドルさん
The cluttered roomのイラストを描いてくださったしずりさん
The cluttered roomのマスタリング他、多大なアドバイスをしてくれたAnさん
また、あえて名前は伏せますが
音楽理論やメロの作り方等多大なアドバイスをくれたMさん
朝倉の行動力はすげえよと沢山褒めてくれたRさん・Mさん・Iさん
散々質問しまくった某窓の皆様
散々これについて沢山話を聞いてもらった某窓の皆様
新人ボカロP桜莉の楽曲を購入してくださった皆様
新人ボカロP桜莉のアカウントをフォローしてくださった皆様
新人ボカロP桜莉の楽曲を聴いてくれた皆様
本当にありがとうございました!!
とてもいい経験ができました!!
音楽はまた頑張ってみますので、完成した歳には聞いていただけたら嬉しいです!
各配信サイトへのリンクはこちら
AppleMusic : https://geo.music.apple.com/jp/album/the-cluttered-room-ep/1516983801?app=itunes
Spotify : https://open.spotify.com/album/0NLXG71ctuboQhPa1m9jfC?si=yXZSmVB_Q72wcW2Jqe-ivA
Amazon : https://www.amazon.co.jp/dp/B089QRMSNK/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_lFW5EbFN37BM4
Line Music : https://music.line.me/artist/mi000000001323a23a