心から「見たい」と思った映画。
今回は、自分の好きな映画についての話しをしようと思います。
ものすごくマイナーな映画だと思いますが、
『エリザベスタウン』という映画を、ご存知でしょうか?
オーランドブルームとキルスティンダンストが主演のラブストーリー。
というか、ヒューマンドラマ?の映画です。
ネタバレなしで端的に映画のあらすじを説明すると、
主人公(オーランドブルーム)が、
仕事で取り返しのつかない失敗をしてクビ
↓からの
それが原因で恋人と破局
↓からの、
父親の訃報がさらに追い討ち
↓となって……
主人公は自殺を決意する
という。
なかなかヘビーなストーリーの序章となっています。
この映画が公開されたのは2005年ですが、当時、テレビのCMで流れた映画の番宣がやけに気になっていて、何故か「この映画だけは見たい……!」とずっと思っていた記憶があります。作品の持つテーマに共感というか、何かしら惹かれるものがあったのだと思います。
この映画が公開されてからしばらくしてDVDが中古として安売りされていたので、さっそく買って見てみることにしたのでした。
作品を見終えた、最初の感想。
「なんか……思ってたのとチガウ……。」
自分はこの映画に、" 辛辣なドラマ展開 "を期待していましたが、実際に観た感想は、それとはまったく正反対の作品テイストでした。
登場するキャラクターがとにかく底抜けに明るい(^^;
それに加えて、ツッコミどころが満載な、酷く現実感のないストーリー……
ネタバレになるので多くは語りませんが、幾つか例を挙げてみると、
・取り返しのつかない仕事のミスが、突拍子もなくて、とにかく最初から現実感がない
・主人公とヒロインの出会い方がありえない & 感情移入しにくい
・主人公が街の住人に歓迎され過ぎていて、とにかく違和感しかない
と言った具合…… etc.
とにかくツッコミどころを挙げるとキリがない設定と演出だったりします。。
自分もはじめに見たときは
「なんだコレ……?」と、映画の世界に全然入り込めなかったくらいです。
自分のなかで勝手に、作品に対する期待値を高め過ぎたしまったのも原因としてあるのかも知れません。
このDVDを友人に貸したところ、見終わって返ってきた感想は、
「うーん……あんまり。」
「面白くなかった」と一蹴されてしまいました(笑)
確かに見る人を選ぶ映画ではあるけど
「そこまで言う?😂」と思ったくらいです
しかし、最初はまったく受け付けなかったこの映画も、何度も繰り返し見ながら、咀嚼をしつつ呑み込むことによって、自分のなかの作品に対する評価が次第に変わっていったのでした。
この作品のストーリーは、" 絶望からの再起 "をテーマとしているように思えます。
作品のなかでそれが一貫したテーマとなっていることについては、この映画を観た人が誰しも割りと理解しやすいと思います。
最初に、ラブストーリー?からヒューマンドラマ。かも……と言い直したのは、この映画が" 単なる恋愛モノではない "と思えたからだったりします。
主人公は、人生のすべてに絶望して うちひしがれますが、ストーリーのなかで、自分の家族や親戚や 小さな街の風変わりな人々、そしてヒロインと…… たくさんの人との出逢いと触れ合いを通してゆくなかで、" 自分がこれまで忘れかけていたもの "に気がつき、
自分自身の人生というものを受け入れながら、少しづつ 前を向いて生きてゆけるようになってゆく……
といった過程が、作品の中で描かれています。
ポジティブなメッセージがそこかしこにちりばめられているんですよね。この映画には。
全体的にゆるい雰囲気とちょっとしたコメディタッチで描かれているから、その前向きなメッセージが くどくない。
説教臭かったり、押し付けがましくもない。
自分はそのゆるさに、なぜか好感が持てました。最初は全然好きじゃなかったのに。
この映画が、" 雰囲気を味わう映画 "として
「見終わったあとに、なんとなく前向きになれている不思議な作品。」と例えられているレビューを見て、「あぁ、そうかも知れないな。」と自分もあらためて納得をしたのでした。
酷評ばかり書いてしまったけれど😂✨
この映画には好きな演出や劇中のシーンがたくさんあったりします。
まず、ロードムービー的なストーリー & 映像と、それに付随する選曲の数々。
劇中のシーンのなかで、音楽のプロモーション的な見方も出来るくらい、この映画の選曲と演出はとても良いと感じます。
この映画のサウンドトラック(洋楽のオムニバス集)は、確か二枚に分けて販売されていましたが、個人的にとてもおすすめのアルバムだと思います。
日本の映画作品でも同じような演出を見たことがありましたが、" いろんなアーティストさんの曲が、劇中のシーンの挿入歌のようにさりげなく使われている。" といった具合です。
そして。好きなシーンはネタバレになるので詳細は省きますが、幾つか挙げてみると…
・長電話のシーン
・墓地デートのシーン
・告別式のシーン
・帰り道の旅路 (ドライブ旅)
これらのシーンがとても印象的で、何度となく見返してきたこの映画を、今でもたまに引っ張り出しては、深夜にお酒を呑みながら 静かに作品の雰囲気に浸ることがあります。
見終わったあとに、なんとなーく、ですが
なんだか元気になれたような気がします。
この映画は、ツッコミを入れながら
「そんなこと絶対にありえない!」と冷めた目線で物語を見るか?
なにも深く考えずに、作品の雰囲気に浸りながらゆるーく見るか?によって
それぞれ見方や楽しみかたが変わる、" 不思議な映画 "なんだと、あらためて思います。
家族愛や人間愛、葬式(別れ)といった内容を含んでいるので、ちょうどいまの季節、家族や親戚たちがたくさん集まるお盆の頃に観たくなる映画だな。と個人的に思います。
大切な人たちに会いたくなるような。
そんな映画なんだと思います。
結局のところ、イケメンと美女がいれば作品は成り立つ。といえば確かにそれまでですが……
いろんな見方ができる、この不思議な作品について、少なからず興味を持たれた方は、DVDもワンコインで買えるくらいには安く入手できると思うので、良ければ手に取ってこの映画を見て頂ければと思います。
「これは駄作!」と感じるも良し。
「意外と好きかも?」と思うのも良し。
好きなようにメッセージを受け取って見るのも、また一興かと。
映画や作品は、受け取り手の解釈によって見方や評価が人によって変わるものだと思いますが、この作品もまた、観た人の受け取り方によって評価が変わる隠れた名作 (迷作?)だと思います。
有名な作品や人気のある映画は、地上波で放送されたりしますし
本当に見たい作品じゃないと、自分はあまりDVDとかって買ったりはしないのですが。
自分の手持ちのDVDのなかで、なぜか異色な輝きを放っている…… そんな一本です。
と、いうことで、
今回は自分の好きな映画について、存分に語らせて頂きました。
機会があったらまた、好きな映画や作品について話したいと思います。
それではまた。
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